【コラム】なぜ音楽だけが「未知のものより既知のものを欲する」コンテンツなのか


ミュージシャン支援プラットフォーム『フリクル』( http://frekul.com/ )代表の海保けんたろーさんが興味深い記事を書いてました。

音楽というコンテンツの特殊性
http://frekul.com/blog/kaiho/2012/08/29/tokusyu/

要約すると
『お笑いコント、小説、映画などのエンターテインメントと違って、なぜ音楽だけは「未知のものより既知のものを欲する」のか』といった内容の話の文末に、
『「未知のものより既知のものが好まれるコンテンツ」「既知のものより未知のものが好まれるコンテンツ」この2者を分ける要因はなんですか?』
という疑問が投げかけられていました。

つまりお笑いコントも小説も映画も、ネタバレしてない「初回の体験」が一番楽しい。
それに比べ音楽は「知っている曲をもう一度聞く時(またはライブで観る時)」が楽しい。
同じエンターテインメントコンテンツなのに、この差は何なんだ?という話です。

確かに。とても面白い疑問だし何より自分が愛する音楽の事なので、考えてみました。

答え:映画など『物語的刺激』に対し、音楽は『感覚的刺激』だから

早速ですが僕が辿り着いた仮説は上記の通りです。

コント、小説、映画などに共通してるキーワードそれは『物語』。
それに対して「音楽の三大要素」リズム、メロディー、ハーモニー、そこに『物語』は存在せず、あくまで聴覚を通した音の刺激でしかありません。(ライブであれば五感全てになりますがどちらにしろ音楽に限定すれば物語は不在。歌詞については後で触れます。)

『物語的刺激』型のエンターテインメントは『未知のモノ』が楽しく、
音楽のような『感覚的刺激』のそれは『既知のモノ』が楽しい
、のではないでしょうか。

コント vs 一発ギャグ

上記のみだと解りにくいですが、こう考えてみて下さい。

同じお笑いでも「コント」に対して「一発ギャグ」という比較 - どうでしょう、かなりクリアになりませんか?
明らかに「一発ギャグ」は「既知のもの」が好まれます、「テレビでやってたのを生で観れた」「友達がモノマネした(音楽で言えばカバー)」、そういう瞬間が一番盛り上がるのは音楽と非常に似ていると思います。

「コント」と「一発ギャグ」の大きな違い、それは『物語』が介在しているか否かです。そして「一発ギャグ」が見た目、タイミング、リズム、トーンなど非常に感覚的刺激に特化したお笑いだという事もご理解いただけると思います。

「味」や「匂い」

更に言えば味や匂い - これらも「既知のモノ」が好まれます。例えば「あの時食べたお寿司」「あのチェーン店のラーメン」といった風に、初回は良し悪しの判断、そして2回目以降のリピートは「既知のモノ」つまり「知っている刺激」をもう一度感じる為に足を運んだり、金銭的価値を見出したりします。そういう意味では、音楽と非常に似ていますね。

「ジェットコースター」や「スカイダイビング」は?

図を見ると恐らく『物語的刺激』を感じるのは「前頭葉」、『感覚的刺激』を感じるのはそれ以外のパーツみたいです。脳の部分によって心地いい刺激が違うんでしょうか。脳医学に詳しい方に聞いてみたいです。

余談ですが例えば「ジェットコースター」「スカイダイビング」こういった楽しみは、『感覚的刺激』でありながらも「未知のモノ」が一番楽しいですよね。仮説と食い違っちゃうんですがどういう事なんだろう、、。まぁでもジェットコースターにしろスカイダイビングにしろ「落ちる」といった「既知の感覚的刺激」の「エクストリーム版」として楽しんでる、と言えない事もないですね。
既知の曲の「エクストリーム版」がそのライブであるように。そこからのリピートは正に既知の感覚的刺激で説明つきますね。

歌詞は?

歌詞、特に日本語のそれは物語性が高かったりするので、これも若干仮説と食い違いますが、どうなんでしょう。
1. そもそも音として捉えてる
2. お笑いで言う「一発ギャグ」的に捉えてる
3. 物語性の高い歌詞は、歌詞だけ単体で考えると初回が一番楽しんでる

曲や歌詞のタイプ、またはどの程度聞き込んでるかで、1〜3が複合的に作用してる、って感じでしょうか。

おわりに

こうして考察してみると、音楽を始めとする「感覚的刺激」型コンテンツは非常に原始的なエンターテインメントである事が浮き彫りになりますね。進化の過程で言語が発達し「物語」が語り継がれるようになる遥か前から、音楽は身近にあったのでしょうね。

また、海保さんの疑問のスタート地点だった『フリクルのモデルを流用できるコンテンツジャンル』の分野は、『感覚的刺激』が醍醐味で、かつ『サンプルをデータとして配信できる』コンテンツとなりますね。絵画(画像データを配信 → 実物を買ってくれたり見に来てくれたり)が一番音楽に近い気がしますが、他にも考えれば色々できそうですよね。
「実物をどうにか視覚や聴覚で伝えようとする」って意味では上記の通り「味覚」に訴えかける食品(おいしそうな画像/映像データやレビューを配信 → 実物を通販)なんてのもやり方によってはできそうですね。

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Sleepyhead Jaimie すわだいすけ
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すわだいすけ

Sleepyhead Jaimie のボーカル&ギター。8〜18才をアメリカで過ごし、カリフォルニアで培った音楽性とバイリンガルな歌詞を特徴に、全作詞作曲を担う。同ユニットの独自性高い活動スタイルに注目が集まり、次世代型ミュージシャン論を語るスピーカーやライターとしても活躍。
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