三国志を築いた英雄たちのスタートアップと事業コンセプト

董卓が洛陽に入り政権を握った為、冀州で自らの基盤を作り始めた袁紹を筆頭に「打倒董卓」を掲げた反董卓連合が結成されました。そして時代は三国成立前の群雄割拠へ移っていきます。

今回は主な勢力の立ち上げをビジネス風に解説します。ビジネスの中でも経営者(を志す方)に参考になります。

曹操のスタートアップ、ベンチャー企業を立ち上げる

曹操は命からがら董卓の下から逃げ出し、張邈のサポートの元、衛茲や鮑信といった自らの兵や家財を全て曹操に投資した熱狂的サポーターのお陰で挙兵に成功しました。これまでの曹操の身のこなしや実績、人脈構築を見て分かる通り、ベンチャーキャピタルのやり方がお手本です。

一般的に曹操=魏=大企業とイメージしがちですが、曹操は三国志で唯一「ベンチャー企業」を立ち上げた人物です。それは単なるスタートアップ(独立)ではなく、革新的アイデアと明確なビジネスモデルを確立した上での事業展開は他勢力が持ち合わせない最大の違いです。

当時の大企業

朝廷を我が物にしていた董卓は国内最大規模のグループ会社(ブラック企業)です。皇帝を抱え込むという国内最大規模、さらにブラックゆえに逆らえない人も多かったです。

名家の袁紹や袁術は大手企業(政治的には野党)という立ち位置です。中でも知勇兼備の袁紹は反董卓連合盟主に挙げられるほどの実力者でもありました。

後に独立する劉備や孫策についても見ていきます。以下に三国志(魏・呉・蜀)の基盤を立ち上げた人物の事業コンセプトをまとめました。

曹操、孫策、劉備の事業コンセプト

曹操:朝廷に仕えた経験から宦官や士人、外戚といった派閥、ブレーンをよく熟知した上で「後漢再興」をコンセプトに独立。儒教への反発や頭の固い士人(代表例:荀彧)の利用については評価が分かれます。しかし、冷徹であろうと合理主義はリーダーに必要な哲学

孫策:亡き父・孫堅の部下とともに大手企業である袁術の下から漢室復興ではなく「孫家復興」を目的に独立。私的な野望による旗揚げは朝廷に逆らうことと同じなので評価できません。独立して基盤を築いた行動力は素晴らしいですが事業コンセプトがズレていると孫策のように短命になってしまう点は現代ビジネスにも通じるのではないでしょうか?

劉備:皇族の末裔(正確な情報はない)を理由に自らが漢室復興をすべきだと勘違いして独立。やたらと仁や義を説くので上手く騙された人も多いです。劉備は世間に示せる功績や才覚がないので口先だけの胡散臭い手段を使わざるを得なかったのでしょう。自らのために独立し戦争を長期化、大規模化させた張本人。コンセプトと行動が一致しない支離滅裂さが「偽善」の仮面の下に隠れた悪と言えます。

曹操と劉備の違い

曹操と劉備はともに漢室復興を掲げています。しかし、二人の明暗は挙兵の時に明らかになっています。

スタートアップに成功した曹操と苦労した劉備。
人材(特に知識のある人物)に恵まれた曹操と恵まれなかった劉備。

答えは単純に頭の良い者が劉備の下心を見え透いていたのでしょう。

動機が良くても正しい事業コンセプトになるとは限りません
「世の中のため」や「お客様のため」は抽象的で事業コンセプトにはならず、そんな事業には誰も投資しません。ましてや曹操に反発し「自分こそが漢室を継ぐ者だ」と叫んだところで正当性は皆無であり逆賊でしかありません。

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諏訪亮祐

三国志の主役である曹操が切り拓いた三国志の世界や曹操の偉大なる実績をお届けしています。三国志は高校の時に没頭し、後の人生の大きな糧になりました。また、松井秀喜氏についてもまとめています。好きな作家はドストエフスキー

三国志で人生学んだ

学生時代、私は三国志のゲームに夢中になっていました。振り返ってみると、三国志で学んだことは数多く、全ては三国志から学んだと言っても過言ではありません。成功した英雄、そうでない者、全ての人物から学ぶことがあった気がします。自分が読書を始めたのも三国志がきっかけです。ここでは、...
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