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ウルトラヘヴンは合法ドラッグです

『ウルトラヘヴン』著:小池桂一

(アフィじゃないよ)

1 枕

知的好奇心の強い皆さまにおかれましては、ドラッグギャンブル特殊な性体験等、タブーに近ければ近いことほど気になることも多いのではないでしょうか。
ここまではやっていいこと、ここからはやってはダメなこと、という線引きは何を基準にしていますか?
法律?倫理観?外的要因?
どのような理由で自身の行動原理が決まっているのでしょうか。
法律なんかは大きいですよね。法律で禁止されていることはそもそも触れられる機会が少ないですから。
もちろん法律違反が発覚した時の罰則も大きいですね。
しかし、法律を学ぶと、法律は手段であって、正義ではないことを知ります。
法律はあくまでみんなで決めたルールでしかありません。
現にその時々で改正され、一昔前に違法であったことが今は合法であったり、その逆であったりします。
そんな不確かなものに自己の価値判断を委ねますか?
法律を盾にことさら他人を糾弾し、強制する人は、クラスの正義感告げ口くんのようなもので、ナチズムが蔓延れば親衛隊になることを正義として疑わないタイプの人間だと思います。
アメリカなんかはイギリスからきたプロテスタントが建国に大きく寄与したことから、国の樹立とキリスト教は切って切れない関係にあり、人々の信仰心としてキリスト教は深く根付いています。
信仰は自己の価値判断に大きく影響していると考えられます。
逆に日本人には真摯な信仰を持つ人が少ないため、価値判断を法律に委ねる人が多いように思います。
みんな好きですよね。決まり事。守らない人はハブるか総括!アイカツ!
(あ、ちなみに自分も所謂無宗教です。キリスト教の回し者とかではないです)
さて、とはいえ法律は社会の決まりごとでありますから、社会の一員として、社会制度に頼り助けられながら生きている弱い自分にとっては現実問題として守らざるを得ないものでもあります。
ラオウケンシロウ範馬勇次郎ならば法律なんて守らなくても生きていけるのでしょうが、私は無力な一般人です。
したがって違法なことも極力やりませんので、ドラッグ等には手を出したことはありません。


2 本題

ドラッグが違法であるとして、合法的にトリップを味わえるもの、それが今回おすすめする漫画

『ウルトラヘブン』(著:小池桂一)

です。全三巻で継続中ですが4年に一冊ペースでしか刊行されない超遅筆作家さんです。


超短あらすじ

近未来――世界は多様なドラッグの出現によって、様々な精神世界を体験できるようになっていた。


現代においても、アメリカでは大麻を合法化する州が現れたり、学生の間にはスマートドラッグとよばれる合法の覚醒作用をもったアデロールやモダフィニルが流行し、試験勉強のために高学歴な人々が率先して利用し社会問題になっています。
日本でも、DMAEやオメガ3脂肪酸、イチョウ葉エキスなど、合法的にスマートドラッグの一種が買えますね。
今後法制度が変わっていけば、ウルトラヘブンのような世界が到来する可能性も大いにあると思うと、現実と地続きなこの漫画の設定をより楽しめると思います。
また、物語中盤では、バーチャルへの言及もあります。
曰く私たちが知覚する現実は脳によって生み出されるバーチャルであるということです。
そして、終盤では、数人が同時にHMDのようなものを被り、同時にトリップする機械があるのですが、
そこでは各自の意識が混同し一体となって、みんなで同じ精神世界へ行き、そこで飛んだり跳ねたり遊んだりします。
これってまるでVRchatみたいじゃないですか?


この漫画が描かれたのは、一巻が2002年、三巻が2009年です。今から10年以上前!
作者の小池先生の先見の明、すごいですね。
そして、何より伝えたいのが圧倒的な作画。一言でいうとペーパードラッグ
登場人物がプシュッとキメた瞬間から始まる長く果てしないトリップ


ものすごい画力で徹底的に描き込まれた全く意味の分からない映像が延々と続きます。


公園は街になり、手は樹になり、嘔吐し排泄しながら喜びで泣きわめき、幼少期の母の思い出がフラッシュバックして涙が溢れる。
読み手
はだんだと紙面の中に吸い込まんれ、んnどからが現実でどこからが妄想なのか分からにゃー↑↑↑↑

くなります

そもそも、現とは?

           大
脳皮

               シナプスの激しい発火。

この”脳”の作用自体は違いなく現実なのだから、

それによって見るるるるるるルル夢こそがリアルールルル
深く深く、、、、ゥ宙!?♡♡♡♡♡♡♡☆☆☆☆☆☆☆☆

て んごく♡♡♡♡♡ てんごく♡♡♡ ♡♡♡♡♡♡ 


                内面世界


に潜ってい き、究極天国、
ウル トラヘブンに到達するのです。この漫画は、読むのではなく、体験する、漫画、と、いえ、ルルル~↑↑のですどうでしょうすごいでしょうプシュッぷしゅしゅ









                                 終
                               り わ

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