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他人のためにお金を使うと健康も幸福感もアップするって本当?

お金とは自分の人生を豊かにできるものなので
なるべく自分のために使いたいと思うものです。

そんなの当たり前です。

でも反対に…

「お金を他人に使った場合、心身にどういう変化が起きるか」
検証したデータがあり
これが非常に興味深いのでご紹介しようと思います。

ブリティッシュコロンビア大学が行った研究で
高血圧を患う高齢被験者に毎週40ドルを3週間連続で渡し、

1つのグループには
「お金を自分自身のために使ってください」と伝え、
もう1つのグループには
「お金を誰か他人のために使ってください」と伝えました。

3週間後、研究者が被験者の血圧を測定したところ、
他人のためにお金を使った人は、
自分のためにお金を使った人に比べて
血圧が著しく減少していることが判明しました。

お金の使い方だけで、心身に影響が出るなんてとても面白い実験です。

しかもこの時の血圧減少のインパクトは、健康的な食事を行ったり、
頻繁にエクササイズを行った時のそれと同様だったとのことです。

「頻繁にエクササイズ」って
ダイエットしている人からすると驚きのデータなのではないでしょうか。
高血圧に悩んでいる人にとっても、あの手この手と血糖値を下げる習慣を行っていると思いますが同じようなインパクトがあるって
むしろコレが一番楽な方法かもしれません。


他には、「定期的なボランティアが寿命に影響を与える」という研究結果も発表されているそうで、明らかにお金の使い方次第で心身にも影響を及ぼすことが立証されました。


次の研究結果はコチラ…。

2003年に行われた研究で、
「社会的サポートを、与えること」
「社会的サポートを、受け取ること」
高齢の被験者に与える影響が比較されました。

研究者は「社会的サポートを受け取ること」が本人たちにいい影響を与えると仮説を立てていたのですが、実験が行われたところ、
その後5年の死亡率によい影響を与え、寿命が長くするのは
「社会的サポートを与えること」であると判明しました。

これも非常に面白い結果ですね。
受けるよりも与える方が幸せになれるという。

プレゼントを貰う人より、与える人の方が幸福感が高くなるなんて
身に覚えがありますけど実際にデータとして判明すると興味深いものです。


続いての事例

「同義語を当てる」
というゲームを被験者にプレイしてもらう際に、
一方のグループにだけ
「正解すると、国連の飢餓撲滅のためのプログラムに寄付が行われる」
と告げたところ、

該当グループの被験者はゲーム体験をよりポジティブなものに感じ
「意味のある経験だった」
と答えたそうです。

これも面白いですね。
自身の行為が「誰かのために」なっていると感じるだけで
よりポジティブになれるなんて簡単かつ効果的な作用です。



如何でしたか?

「他人のためにお金を使うことと、自分のためにお金を使うこと」
影響を比較した研究

非常に興味深い検証結果だったのではないでしょうか。


これらから分かることは
人間は他人を助けることに
「幸福感」を得ることができる生き物と言えます。

実際に脳神経科学の研究では、
チャリティ寄付を行うと、脳の報酬系が活性化すると報告されていますし
他者への協力が本当に「生きがい」「存在意義」
感じられることがわかっています。

他人の幸せを願うこととで、
ベータエンドルフィンや、ドーパミン、オキシトシンといった多幸感や快楽をもたらす脳内快楽物質が分泌することもわかっています。

そして
この感情こそ人類がここまで生存できた証でもあるのです。
この内容は下記の記事でも書いていますのでどうぞ。​


だからと言ってボクは
寄付をした方がいい
他人を助けた方がいい
と声を大にして言いたいわけではありません。

なぜなら
社会問題に献身的になりすぎて、
自分の幸福を犠牲にしてしまうというケースも少なくないからです。


なんでもそうなんですけど
バランスが大事。


過剰も過小も良くない。
ちょうどいいバランスがとっても大事です。

自己犠牲の精神は素晴らしいことですし
他人を助けることは「生きがい」「存在意義」を得られるものではありますけど、その犠牲によってあなたの周囲にまで迷惑がかかるようであればそれは本末転倒。

身を滅ぼしてまで手助けをするのは単なる共倒れ。

自身の余裕の範囲内で得る「幸福感」でないと意味がありません。


単なる自己満足の「幸福感」
あなたの家族や大切な人が犠牲になっているようでは
それは一見すると良いことをしているようで
実は酒やギャンブルに溺れている中毒者と同じ。

「いいことしたぜ中毒」

案外こういう人って一定数見受けられるのですが
ある意味、一神教の宗教家と同じ。
支援の押し売りになっては何にも意味がありません。

そもそも相手にとって支援になっていなければ
ただの自己満足に過ぎませんのでやはりバランス感覚は大事です。

支援をすることで自分の生活や周囲の環境が乱れていないのであれば
それは良いバランスの中で支援できている証明でしょう。
言い換えれば精神と経済のバランスが整っているからこそできる行為が支援ともいえるかも知れません。

現に多くのお金持ちや成功者が
寄付や社会貢献活動を行っているのは
このバランスが上手くいってるからかもしれません。

そこまでして
「他人を助ける」ことに意義があるのか?


そう思ってしまう気持ちも分かりますが
個人主義の時代の中で「自分だけ!」を追い求めていると
幸せになることはできないことは、脳科学的にも実証されています。

「自分さえよければ」という思考の中では
心身の豊かさを手に入れることは難しいのです。

だからと言って
「お金持ちになったら
余裕ができるようになったら他人を助けよう、
人のためになることをしよう」

…と思っていてもそれは、一生始まることはありません。


おそらくその時が来ても、その時の言い訳が勝り
結局始めることなんてできないでしょう。


成功者はお金がないときから
積極的に寄付や社会貢献活動をしていることは有名です。

大げさに聞こえるかもしれませんが
社会的寄付行為の専門家であるAdam Grant氏は
「寄付活動は戦略的に行う必要がある」とも述べています

戦略的にまでとは言わないまでも
「他人のために行動する」ことを習慣化することが
「豊かさ」「幸福感」を得るために必要な行動と言えるのは間違いありません。

個人主義利己主義の時代だからこそ、
このバランス感覚を見つけることが、これからの時代を生きる上で
重要なカギになると思います。

「他人のためにお金を使うこと」
運動することと同じように
日常に溶け込んだときにこそ
自身の健康に大きなインパクトをもたらしてくれると思います。


ありがとうございます!お気持ちは寄付させていただきます。