映画「君の名は。」

「いま、好きな人がいて、もし悩んでるなら、一刻も早く気持ちを伝えたほうがいい!!!」かな笑 いやー見事に(カップルで)満席でした。年齢層高めだったのが救い。。。シン・ゴジラよりは人を選ばない感じはします。

以後ネタバレありで。

これだけヒットしてるというからには一度見ておこうと思って出かけた「君の名は。」。新海誠は「ほしのこえ(小説版)」が好き、と言えば私の嗜好は分かる人にはお分かりいただけますでしょうか。ちょっとあらすじを見たときは、「ジェニーの肖像」とか「トムは真夜中の庭で」的な想像をしてたんですね。いろんな意味で、離れ離れの恋人たち。新海誠だしね。見終わったあとは・・・ダン・シモンズの「エンディミオン」(ハイペリオンシリーズの)が近いかな。

男女の入れ替わりもタイムリープもSFマンガや小説的にはよくあるネタなんですが、入れ替わりだけではなく時間軸のズレ、これが結果的に未来を変えることになるという設定は良く出来てるなぁと。反面、そんなにうまくいくかねー…と思ってしまう澱んだオトナもいるわけですが(苦笑、そこはすぐに忘れて物語を楽しむのが本当の大人というものでしょう。もともと感動体質ですぐ泣く私なのでこれも大感動。シン・ゴジラとは全く!!違う心の場所を揺さぶられる感じ。右脳と左脳?笑

あ、でもちょっとつっこむならw ヒロイン、あの髪型紐だけで止めてるのか・・・?ヒーロー、玄関の鍵は締めろ。デートの時は女性を奥の席に!!!

前半はSFジュブナイル的な、緩やかな、日常に紛れ込んだ非日常が描かれるわけですが、後半の怒涛の展開は映画(館)ならではの躍動感と密度が魅力的。「あの」シーンはやはり大きいスクリーンで見てこそだと思いました。そういえば作中の時期的にもぴったり。最初と最後、タイトルも綺麗にリンクしているし。RADWIMPSの曲も違和感なくてよかったと思います。歌詞に意味と物語のある曲、好き。

あ、長澤まさみが上手かった!これもびっくり。

ちょっと強引かもしれないけれど、この夏に「未知なるものによって一つの身近な街が、大事なものが、失われる」的な作品が二つ、大ヒットしたのは面白いなとも思ったのですね。変えられない現実に大人がどう立ち向かうかと、現実になりうるものを少年少女がどう変えるのか、と。どちらもアニメに携わる監督だけれど、その描き方は真逆。ただそれぞれの個性がベストな形で作品に結実していて、両方見られて本当によかったし、面白かったのです。ある時期以降にしか生まれ得なかったであろう作品たち。東宝、すごいよ・・・!!

なお巫女舞の創作・振付に中村壱太郎とあって、歌舞伎ファン的にもちょっと嬉しい。リアルで舞ってくれないかなー。

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