「万引き家族」。

お初のミッドタウンにて。
あまり映画は観ないけど、ミーハーなので笑
ネタバレは若干あります。
是枝監督は原作が好きな「海街diary」しか見て無いけど、家族とかのテーマを扱うことが多いのかな。なんとなく、どちらも暑い夏と汗の描写が印象的。
見終わってあーなるほど賞取りそうだな…!と。日本の下町を舞台にしたヨーロッパ映画のような。ラストシーンはヌーベルバーグぽいな、とか知ったふうなことを書いてみる(笑)
前後は断片的にしか語られず、ある期間だけ切り取っていて、せりふを繋ぎ合わせるとなんとなく分かるけれど、どうして?もこれからも説明されない。
余韻と余白が心に残るし、受け取り方でどうにでも解釈出来そうな。作中に出てくる、音しか聞こえない花火のように。家族の在り様は再開発の中でぽっかりと取り残されてしまって、花火に手が届かなくなった家そのものだ。
また、ちょっとした、細かい演技がものすごくリアリティがあって、それもとてもよかった。湯呑のごみは、直侍の蕎麦屋ぽかったな。貧乏な家ほど物が多いのも。
胡散臭いリリーフランキーと安定の樹木希林は想定通りだけど、安藤サクラがすごくいい。あの家系とは思えない抜群の崩れた色気があって、めっちゃあの辺(舞台は荒川近辺、山谷とかもイメージかな)にいそうなんだよね。うまいなあ!と。脱いだ姿の肉付きもエロい、のです。松岡茉優はあの年齢特有の、ちょっと迷子な不安定さが可愛かった。
嘘の幸せは長くは続かないとか、そんな綺麗事の陳腐な真理ではなく。
何が本当の幸せなのか。幸せと絆とは誰に決められるものでもないし、既存の枠にははめられない。でも何してもいいわけじゃない。そんな葛藤と、でもその中でしか生きられない人もいる。そうしないでいられる自分と、その境界は実はかなり曖昧だと感じさせる作品でした。

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