見出し画像

【イベントレポート】「受講後は自分の気持ちを書きたくなる!」エッセイ講座(「京都ライター塾」アドバンスコース⑤)

こんにちは。ライターのすずき・ちえです。
みなさんは、エッセイを書くことは好きですか。私はというと、自分を主人公にした文章を書くことに少しの苦手意識がありました。

ところが9月に受講したエッセイの講座で、気持ちの変化がありました。その様子を受講生の視点からお伝えします。

 


講座を受講するまで

エッセイ講座は、現在受講中の「京都ライター塾」アドバンスコースのひとコマとして受講しまし た。

ライター塾では、ライターの江角悠子(えずみ・ゆうこ)さんより、商業ライター向けの「客観的」 な視点から記事を書くことを学んでいますが、今回は「主観的」な視点から書くエッセイ。いつもと 違う視点で文章を書くことに対し、「自分に書けるのだろうか」という不安がありました。

なぜなら、今まで何回かエッセイを書く機会はあったものの、強い気持ちが浮かばすに、状況を 説明するだけの文章になっていたからです。それを読んだ友人からは「あなたの熱い気持ちを出 してほしい」という感想があったほどで、「鈍感な私は気持ちを書けない」と思っていました。

そのように、エッセイに対して苦手意識を抱いていた私は、講座前に出された「宿題」にしり込み していました。その宿題とは「自分が体験した気持ちをひとつ選び、エッセイを書く」というもので、 気持ちを書き出してからエッセイを書くことが必須条件です。

やってみると、埋もれていた自分の気持ちを書き出すことに2~3日、さらにエッセイとしてまとめ るまでに1週間くらいかかりました。その作業工程は、自分のマイナス感情である恥ずかしさや情けなさと向き合わざるを得ず、予想以上にしんどいものでした。

そしていざ書き終えても、感情を文章に出し切った実感が持てません。読み返すと、読者に対する説明だけの文章だと感じました。気持ちは書き出したはずなのに文章に落とし込めずにいたのです。

講座当日。自分の気持ちと向き合えていなかったことへの気づき

それでも何とか課題を提出し、講座当日を迎えました。講師は小説家・理系ライターの寒竹泉美(かんちく・いずみ)さんです。受講生は7名でした。それぞれ「宿題」の添削を確認した後、スタートです。

初めに寒竹さんより、「情報の伝え方として、“公の情報で伝える方法”と“個人の感情で伝える方法”があります」というお話がありました。前者は書き手が第三者の立場から情報を伝え、後者は書き手が主人公となり、個人の心の動きを軸に伝えます。

飲食店の紹介に例えると、お店のプロフィールやメニューなどの情報は前者、個人の感想やレビューは後者です。読者の興味に応じて使い分けることで、多くの人に伝えることができるとのこと。読者を意識するのは、商業ライターとエッセイスト双方にとって大切なことなのだと感じました。

その前提のもと、本題の「エッセイの書き方」へ。エッセイでは「自分の気持ちをしっかりと観察して言葉にすることで、その人にしか書けない文章になります」と寒竹さんは言います。そして「気持ちは文字で書かないと、相手にも自分にも伝わりません」という言葉に、ハッとしました。

それは、今まではエッセイを書く前に、気持ちに思いを巡らせてはいたものの、実際に書き出すことをしていなかったからです。今まで気持ちを書き表せなかったのは「自分の気持ちに向き合っていなかったから」だと気が付きました。

なお寒竹さんは、「気持ちを言葉にすると、自分の気持ちがより深くわかり、次の行動が見えてきます」と言います。例えば失敗して嫌な気持ちになったとき、そこに含まれる「悔しさ」に気づければ、次に成功するための方法を考えるでしょう。自分の気持ちを言葉にし、深掘りすることは、日常生活にも取り入れたいと思いました。

気持ちを言葉にするワークで、人それぞれの感情に触れる

ここからは具体的な「気持ちを言葉にする方法」について教えてもらい、早速、実践「気持ちを書き出す」ワークをしました。

課題は「添削を①受ける前と②受けた後の気持ちを書く」こと。私を含めたほとんどの受講生が突然のことに戸惑いながらも、それぞれが書きました。

私自身は、①は「緊張」、②は「ホッとした」気持ち。他の方を見ると、①は「緊張、期待、ワクワク、不安、穏やか、戸惑い」、②は「嬉しい、残念、衝撃、納得」などの言葉が並びました。感じ方は受講生7名それぞれ。
そこから他の人の気持ちに共感して親近感を覚えたり、「そういう感じ方もあるのか」と新たな発見があったりと、それぞれの違った感じ方がおもしろかったです。それを文章で体感できることがエッセイの醍醐味なのではないかと感じました。

エッセイ講座でできた大きな目標

魅力的なエッセイとは「その人にしか書けない」気持ちが書かれているもので、書くには「気持ちと向き合うこと」が必要だと学びました。

寒竹さんの「普段から気持ちを書きとめておくといいですよ」というアドバイスから、私も日々の感情を手帳に書き出すように。自分の心の動きを把握し、冷静に受け止められるようになった気がします。

そして新たな目標も。それは「主観・客観、双方の視点で文章を書き、読者が知りたいことを届けられるライターになりたい」というものです。

エッセイに対する苦手意識が薄れて、今後の目標もできるなど前向きな気持ちになれた講座でした。

講師プロフィール

寒竹 泉美(かんちく・いずみ)さん
京都在住の小説家であり、理系ライター。小説や漫画原作、研究者や理系企業の取材やブックライティングなどを手がける。また、NHK文化センターやオンラインで文章講座や脚本講座の講師をつとめるなど多方面で活躍している。

HP
小説と科学を書く人― 寒竹泉美
https://kanchikuizumi.amebaownd.com/

note


※この記事は、講座「京都ライター塾アドバンスコース」で、講師・江角悠子さんのご指導のもと、執筆しました。

「京都ライター塾」では、2024年1月より3か月間の講座が開講予定です。
ライターという仕事に興味がある方はもちろん、会社の業務で文章を書く方、文章を書くことが好きな方にもおすすめです。
11月から12月にかけて、無料説明会も開催されるとのこと。
詳しい案内はこちらから。ぜひ、ご覧ください

京都ライター塾主宰 江角悠子さんHP