聖域無し

嫌な時期が来ました。
選手の退団・引退リリース。
鈴鹿はここ数年ずっと、退団や引退リリースが終わってから更新・新加入リリースという流れなので、まだ当面はメンタルがやられるリリースが続きます。
現時点、
◯退団 池末・菊島・遠藤・北野・和馬
◯引退 中村侑
となってます。
北野は東海リーグで6位に終わった失意のシーズン後に加入。地域リーグレベルを遥かに凌駕する得点力で、鈴鹿を1つ上のレベルに引き上げてくれました。
和馬はJFL昇格シーズンに加入。
JFLって、J3を目指すってこういう事なんだっていう視点を教えてくれたと思ってます。
地域密着、地域と共に。
本人が選手としてだけじゃなくフロントスタッフとして有能だったように、プレーもポリバレントな能力を示してくれました。
正直、この2人が退団するイメージは…無かった。
ヤスさんがどういう評価を下しているのか、我々には知るよしも無いのだけれど、厳しい評価だったとしても、この2人は残る(あるいは鈴鹿でスパイクを脱ぐ)のではないか、そうであってほしいという希望的観測だった。
蓋を開ければ鈴鹿の10番を背負ってゴールを決め続けた北野も、どんな時も鈴鹿を支え続けてくれた和馬も退団。
2人だけじゃ無い、昨年のVC大賞の菊島も。
遠藤のプレーに鈴鹿は何度も救われたし、池末の大きな声はDFラインだけじゃなくスタンドやゴール裏にいるサポーターにも安心感を与えてくれた。
中村侑人という選手は、試合で見る事は残念ながら少なかったけれど、練習やU9のコーチとして目にする事が多かった。自らSNSで発信していたように、メンタリティに長けた人でモチベーターとしてすごい能力のある人だと思っていた。引退後はU9からも離れる事になるだろうけど、本人がサッカーチームを立ち上げるようで、U9での絶大な人気と信頼ゆえにそちらにポゲアカデミーの選手が流出してしまわないかといらぬ心配は尽きない。

来年の顔ぶれがどうなるのかはまだまだ分からないけど、今年のオフに聖域など無いんだというのは肌感として感じる。いや選手は一年一年にそれこそ選手生命を懸けて戦っているし、クラブも精一杯頑張ってくれている。そこに聖域など最初から無いのだろうけど、今年は特に厳しいオフになるのではないか、そう思わざるを得ない。
思えば選手の前にはカズの姿がある。何歳になってもボールを追い、その姿とプレーで自分の価値を証明し続けるカズの姿が、あるいは退団を決断した選手達に、プレーヤーとして輝き続ける厳しく険しく、そしてサッカー選手として「プレーし続ける」という幸せな道を選ばせたのではないか。そう思いたい。サッカー選手にとって、ピッチでボールを蹴ることが何よりも価値があるはず。そして彼らのプレーにはまだまだ輝きと価値がある。今後彼らはそれを証明するための戦いに入る。鈴鹿でサブメンバーとして戦う事よりもそれは難しい戦いになるかもしれない。ただ、サッカー選手として「サッカー選手でいること」以上に幸せな道はないだろう。その決断を下した彼らに敬意と、これまでの戦いへの謝意を。ありがとう。

話を戻すけれど、今年のオフに聖域は無さそう。
選手も人生がかかってるし、いつだって選手の去就にはシビアな話しか無いのだけれど。
それでも今年のオフはスクラップ&ビルド的なチーム再建が行われそう。(な気がする)

血の入替えによってクラブは新陳代謝を進める。
「現状維持は停滞」という事も分かってはいる。
だけど血の入替えには痛みが伴う。
まだまだ痛みに慣れていないサポーターとしては、そのニュースにいちいち悲鳴を上げてしまう。

いつでも選手の退団はキツいけど、そうやってメンバーが変わりながらチームは成長していく。

思えば北野、思い出せば小澤司。
そして今年はカズ。
彼らは新たな視界、新しい世界をサポーターに見せてくれた。
そして、その全てが今のクラブに経験として、歴史として受け継がれていく。

来年は誰がどんな景色を見せてくれるのか。
来年への戦いはもう始まっている。
ならばサポーターはその戦いにおいてもクラブを信じて共に戦うしかないのだろうね。

でも、それでも。
僕は彼らがJの舞台に立つ姿を見たかったし、
彼らと一緒にJに行きたかったよ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?