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韓国の5G概況について

最初のお題は韓国の通信事情から。いろいろと日韓関係が最悪だったり、5Gはつながらないしと散々な状態なわけですが、5Gに関して世界に先行している韓国の5Gの状況について。いくつか記事が出てきましたので翻訳&サマってみました。

韓国では9/9に5G契約者数が300万人を突破、良かれ悪しかれ5Gの課題/解決方法が徐々に明らかになってきました。 特にLTE/5Gのアップスイッチングが問題になっているようで、当該問題に関しては官民一致して取り組んでいるように見られます。
日本でもプレサービスが始まった5G、本格的なサービス展開が始まるタイミングにむけて現在韓国で起きていることをしっかり把握して、今のうちに解決策を見出していくことに加えて、5Gはツールでしかないので上に何を乗っけるかということは考えておかねばと思う次第です。

https://www.mobileworldlive.com/featured-content/top-three/south-korea-hits-3m-5g-subs-as-base-stations-double/
https://www.rcrwireless.com/20190912/5g/how-south-korea-built-5g-and-what-its-learning

<韓国の5G加入者数300万人突破>
・韓国は9/9に5Gサービス加入者数が300万人を突破。科学情報通信省は年末までに人口の93%に到達すると予想。
・4月のSIから5か月で5G基地局数は90,000を超え、サービス開始時の2倍にまで増加。現在ユーザーは5G対応端末として、Samsung;2モデル/LG;1モデルを選ぶことが可能。同省はSI後にはサービス品質の問題が発生していたが官民合同WGが対応、現在は3キャリア全てで1Gbsを超える速度を実現したと強調。
・5G-NWの拡大に向けて政府とTelcoは以下の施策を実施
 -政府;Telcoの5G投資額の1-3%を税額控除/VBへの公的融資/製品開発向けの試験施設設置
 -Telco;3.5GHz/28GHz帯域の設備投資として約30億USD投資
*政府は、韓国が2026年までに5G関連産業で1,109億USDを創出すると見積もる(世界シェアの15%)

<韓国の5G構築の教訓>
・4月に世界初の5G-NWを立ち上げたか否かは別にして、5Gに関して世界的に大きなリードをしている。6月末にはGSMAが韓国の5Gユーザが世界の77%を占め、8月には5G加入者数が200万人を突破。
・昨年の夏に行われた帯域オークションで3キャリアは合計で33億USDを政府に支払い、同12月には限定商用5Gサービスを展開。
(各キャリアの状況)
-SK(SK-Telecom)-
・4月にトラフィック集中エリアで3.5Ghzの帯域で5G-NWを展開。主要都市/大学/高速列車/高速道路/地下鉄などの人口密集地域に焦点を当てる。
 └19年末までに、提供範囲を全国の地下鉄/国立公園/フェスティバルサイトに拡大
 └サービス開始時には基地局を、85都市/34,000局整備
 └19年後半にはEricssonと協力し、ホットスポットでミリ波技術の提供をして容量ニーズに対応
・8月には同社の5G加入者が100万人を突破、年内には200万人を狙う。
・加えて量子暗号技術を適用してハッキング/盗聴のリスクを排除してNWセキュリティの確保を目指す。

-KT(Korean Telecom)-
・4月にEricssonサポートの下でサービス開始、3.5 GHz帯域に対してハードウェア/ソフトウェアを提供。
 └19年末までに、85の主要都市での商用サービス提供を目指す。(主要高速道路/6空港/高速鉄道をカバー)
 └5Gカバレッジに関しては地下鉄、官公庁、大学病院に拡大する予定。
・7月には野球場での5G-NW接続を実施、同社は下記ユースケースを強調
 └野球メディアはユーザが5Gのメリットを体感できる数少ない分野の一つで、特にファンマーケティングに不可欠
・現在、同社は5G-NWを大規模屋内スペースに展開準備を進める 
 └屋内は物理ハードルにより周波数が通らず、アクセスが可能とするための特殊なハードが必要だが、屋内使用に特化した5Gリピータ端末を開発。

-LGU+-
・4月にHuawei機器を利用してサービス開始したが、5月には米中対立を受けてSamsungの基地局にスイッチ
・8月には540,000人の5Gサービス加入者を獲得したとレポートするとともに外部評価でも高い評価を獲得
 └IHSによると「LGU+の5G速度は"信じがたい速度"」で、RootMetricsは「LGU+のNWは最高速度と最小遅延を実現」したとのこと

(韓国5Gの不足点)
・調査会社;Rootmetricsが指摘するが、アップスイッチングで「データタスクの開始時にDL遅延が影響を受ける」という課題を抱える。
 └NSAであるがゆえにLTE/5Gのアップスイッチングは効率的な処理が必要
 └ユーザは待ち時間(NW処理時間)の長さに対して失望しているとのこと
  (例えば…KTは切り替えによる最初の5G遅延が244mmsに増加)
 └韓国のユーザは5G契約でもほとんどLTEに接続…結局、LTEがバッテリー寿命/一部の機能パフォーマンスにBestなため
 *米国Telcoは、今後数年間でSA方式に移行してアップスイッチング問題解消への計画を表明
・最近、KTは5G-NWにCDRX技術を適用し、バッテリー問題に対応
 └CDRXはバッテリー寿命を延ばすためにデータ送信が無い時にはデバイスを定期的にスリープモードにするもので、LTE/5Gのスイッチングに使う時間が短く、バッテリー寿命が問題ない場合には待ち時間フラストレーションを軽減可能

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