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一度は目を通しておきたい人生バイブルBEST10-僕の神本

あなたは、自分の”人生のバイブル”を持っていますか?

苦しい時も、悲しい時もあなたを励まし、奮い立たせ、これからの道を照らしてくれるそんな本を。

「お勧めの本は何かありますか?」
読書家の僕にはこんな質問がよく降りかかってきます。でもね、内心はいつも困惑していました。だって、心境や状況によってお勧め本は変わるからです。そっけなくそう返すこともできますが、せっかくだからと何か答えるようにはしています。

「個人的にバイブルにしている本だったら紹介できますけど、、、」
人生にポジティブな影響を及ぼす普遍的な本であれば、心境や状況に左右されることがなくお役に立てるのではないか。こうして紹介するようになった書籍は突き詰めると10冊に絞られました。

これが僕の人生のバイブル本(”神本”)としてご紹介する本たちです。

僕自身の心境や状況によっても入れ替わることはあります。あくまでも、現時点でのBEST10として今回はご紹介したいと思います。

※順位をつけようと思いましたが、甲乙つけがたく心境や状況によって重みが変わるため、順不同でのご紹介とさせていただきます。

1.『覚悟の磨き方』

<内容をザックリ言うと>

吉田松陰の言葉や思想を、リーダーシップの研究家で講師も務める池田貴将氏が、独自の視点で超訳して紹介する”言葉集”。吉田松陰の言葉をそのまま現代語訳するのではなく、著者の意図やメッセージも織り交ぜながら現代人にも分かりやすくその神髄を簡潔に伝えてくれる本です。(2013年初版)

※目次概要
①心、②士、③志、④知、⑤友、⑥死

<キッカケ>

偶然、書店で平積みの同書を発見。吉田松陰ファンで山口県萩市(長州)にも数度訪れるくらいの僕には外せない本だなぁと思っていた矢先に視界に飛び込んできた帯のコピー。「不安と生きるか。理想に死ぬか。」最高じゃないですか!奮い立たせ、本質をえぐってくる刺激的なこの言葉。

<ハイライト>

いけるときは今しかない
出し惜しみしないでください。「いざとなったらできる」というのは、ふだんからチャレンジを繰り返している人だけが言えるセリフですよ。
(P.124より)

先ほどお話しましたが、本文よりも帯のコピー「不安と生きるか。理想に死ぬか。」を手元に置いておくだけでいいのかもしれません。それでも、敢えて一か所挙げるならこの部分です。

自信はあって情熱も人一倍あるので、「今はできなくても・・・」、そんな言葉を逃げのためのセリフとして自分に使っていたのです。そんな時に心の師匠である吉田松陰が、それは違うでしょ?と見事に覆し、目を覚ましてくれました。

<なぜ、バイブルなのか?>

自信、スキル、モチベーションがあっても、今すぐ行動しチャレンジしなければ何も前進しない。そんな分かり切ったことでも、決断に迷いが生じる時が過去に数度ありました。今後の事業展開は?本当にコレが自分のやりたいこと?そんな迷える時に、同書が強く背中を押してくれたのです。

2.『ミライの授業』

<内容をザックリ言うと>

京大客員准教授で投資家の瀧本哲史氏が、2015年に14歳の中学生を対象に特別講義で全国を飛び回っていた際のエッセンスを凝縮。先が見えない未来に生きるための「思考法」を、数々の偉人の事例に基づき紹介してくれる本です。14歳向けと言いながら大人が一番勉強になり、希望を描く思考パターンへの切り替えに最良の書です。(2016年初版)

※目次概要
①世界を変える旅は違和感から始まる、②冒険には地図が必要だ、③一行のルールが世界を変える、④すべての冒険には影の主役がいる、⑤ミライは逆風の向こうにある

<キッカケ>

なぜ、僕がこの本を手にしたのかそのキッカケは驚くほど記憶にありません。たぶん著者インタビューを何かのWEBメディアで目にした程度。今さら偉人伝に関心が高いわけでもなく・・・と、冷めた感覚だったのになぜだかピンと来て即Amazon!子供が小学校に入り、どんな希望ある未来を大人がリードしていけば良いのか、そんなことを薄っすら思っている時に出会ったのです。

<ハイライト>

ナイチンゲールが暴いた戦争の真実
どんな権力者であろうと反論できない、客観的な「事実」を突きつけたわけです。(P.77より)
戦場の兵士たちを救い、不衛生な環境に暮らす人々を救い、イギリスはもとより世界の医療・福祉制度を大きく変えていったのは、看護師としてのナイチンゲールではなく、「統計学者」としてのナイチンゲールだったのです。(P.78より)

ナイチンゲールといえば、多くの人は天使のように献身的な看護師さんというイメージではないでしょうか?でも、看護という意外の功績は?と聞くと多くの人が答えられません。裕福な家に生まれたのに戦地に行く勇敢な姿はイギリス国民の心を捉えましたが、実は活躍は看護の後にあります。

当時のイギリス政府(約200年前)は「戦死者を減らそう」と看護団を戦地(クリミア戦争:ロシアとトルコの戦争)に派遣しました。しかし、実際には看護で戦死者を減らすことは難しかったのです。なぜなら、戦争による負傷者が多いというのは思い込みに過ぎず、実際は異なったのです。

ナイチンゲールが、死者を感染症と負傷、その他に分けて分析すると3分の2が感染症による死者でした。つまり、戦争による負傷が直接の死因ではなかったということです。ということは単に看護師を大量派遣しても兵士の命を救うには限界があります。

そこで、エリア別・死因別の統計データをつくりグラフ化して1000ページにもおよぶ報告書をヴィクトリア女王が直轄する委員会に提出。それがのちに戦地の病院で感染症を防ぐ建設や衛生管理という概念が生まれ、看護師の社会的評価が高まるキッカケになったのです。

当時は統計学の理論やグラフという概念、もちろんパワポのない時代に事実に基づくデータで死者の数を減らすことに貢献したというお話です。”思い込み”にとらわれずに本質をつかむ思考法は僕に大きな気づきを与えてくれました。

<なぜ、バイブルなのか?>

ナイチンゲールに限らず、ニュートン、ビルゲイツ、コペルニクス、森鴎外、シャネル、伊能忠敬、ハリーポッターの著者他、著名人から無名でも世界を変えた人が紹介されることで、希望を描く思考法にリアリティがあります。また世界を変えたオールスターが”おまとめ”されているので、普遍的な内容と共に手元に置いておきたいと強く感じさせてくれました。

実は僕にとってのバイブルでもあり、この本は必ず子供にも引き継がなければいけない。子供のバイブル本へと昇華させていこうと思った本だったのです。(著者である瀧本さんは今年、40代の若さで急逝され大変残念です)

3.『道をひらく』

<内容をザックリ言うと>

現パナソニックの創業者 松下幸之助氏の思想や哲学を紹介した書籍です。道を切り拓くために人生で必要なことを、キーワードに基づき解説されていく形式。初版は1968年で戦後2位の大ベストセラー(500万部以上)。

※目次概要
①運命を切りひらくために、②日々を新鮮な心で迎えるために、③ともによりよく生きるために、④みずから決断を下すときに、⑤困難にぶつかった時に、⑥自信を失ったときに、⑦仕事をより向上させるために、⑧事業をよりよく伸ばすために、⑨自主独立の信念をもつために、⑩生きがいある人生のために、⑪国の道をひらくために

<キッカケ>

はじめて手に取ったのは今から20年近く前の起業直後(当時25歳)です。いつか社会に価値がある事業を残したい。そう思って起業しましたが、お手本もなく何をどう進めていけば良いのか、イメージさえうまく描けていませんでした。

そんな時、起業家の自伝を読み漁る中で出会ったのが松下幸之助でした。壮絶な苦労を経て小卒という学歴ながら一代で世界的企業をつくり、社会のことだけを考えてメッセージを発信する”経営の神様”の存在は圧巻でした。

そして初めて手に取った著作が偶然この本だったというわけです。

<ハイライト>

人事をつくして
「人事をつくして天命を待つ」という言葉がある。人としてなしうるかぎりの力をつくして、その上で、静かに起こってくる事態を待つ。それは期待通りのことであるかもしれないし、期待にそむくことであるかもしれない。しかしいずれにしても、それはわが力を超えたものであり、人事をつくしたかぎりにおいては、うろたえず、あわてず、心静かにその事態を迎えねばならない。その中からまた次の道がひらけてくるであろう。
天命とは、これだけのことをつくしたから、これだけの結果が与えられるという、そんな計算の成り立つものではない。まして、私心多くなすべき人事もつくさずに、いたずらに都合よき成果のみを期待するのは、天命をしらざることはなはだしいと言わねばなるまい。めまぐるしい利害の波の日々の中ではあるけれども、時におたがいに反省してみたいものである。
(P.40~41より)

ハイライトとは、あくまでも個人的に一番刺さった部分の抜粋にすぎません。では、なぜ一番このページが僕の心をとらえたのか?

起業してまだ食えない今から20年近く前、右も左も分からず、当然のごとく現金残高が急減少する日々。寝ていても、お金が地面に落ちていく音が聞こえていくかのように焦りしかない日々でした。そんな時、この一説が僕に問いかけてきたのです。

「お前は本当に死力を尽くしてやるべきこと、やれることを全てやりきったといえるのか?」と。

考えてみたら、焦って立ち止まっているだけで、想定できる”道をひらくための選択肢”をすべてやりきっていなかったのですね。そこで感情に振り回されずに、まずはとるべき選択肢を冷静に全力でやりきろう。嘆くのはその後でいい。そんな割り切りの心と覚悟をこの一説から与えてもらったのです。

<なぜ、バイブルなのか?>

人事をつくすことの大切さ以外にも、道に迷った時に次なるキッカケになりそうな様々な切り口がビッチリとこの本には書かれてあります。また、手触り感や見た目が通常の文庫本サイズなのに、なんだか本当にバイブルのように僕には見えてきました。

今となっては世間に普及した自己啓発メッセージの定番が同書には並んでいますが、自分の心境や状況によって読みたいところだけを読みたい数だけ読めば、どんな問題だって解決できる。そんな手元に置いておきたいクスリのような本です。

4.『自分の中に毒を持て』

<内容をザックリ言うと>

「芸術は爆発だ!」の名言や太陽の塔を手掛けたことで有名な芸術家 岡本太郎によるエッセイです。まわりの空気や世間が言う常識にとらわれず、自分の個性をむき出しにして、自分に素直に生きろ!という主旨のことが全編にわたって激しく熱い文体で書かれています。(1993年初版)

※目次概要
①意外な発想を持たないとあなたの価値は出ない(楽しくてしょうがない自分の捉え方)、②個性は出し方 薬になるか毒になるか(他人と同じに生きてると自己嫌悪に陥るだけ)、③相手の中から引き出す自分 それが愛(本当の相手をつかむ愛し方愛され方)、④あなたは常識人間を捨てられるか(いつも興奮と喜びに満ちた自分になる)

<キッカケ>

友人が紹介してくれたBARには、マスターお気に入りの本棚がありました。マスターがセレクトした本は、僕が気に入りそうな本が並んでいるのでマスターともウマが合うのでは?と勧められていざ初来店。

真っ先に視界に飛び込んできたのが、このタイトルでした。なんとも情熱がほとばしり、僕にストレートで訴えかけてくるではないか?酒を飲みながら本をパラパラとめくった瞬間に岡本太郎ワールドに引き込まれてしまいました。

当時、上京して間もない頃、事業も順調に行きかけた時に、ちょうどリーマンショックが勃発。攻めよりも守り重視のシフトに切り替えかけていた自分の人生はだんだん乾き始めていました。潤いと強炭酸ような切れ味鋭い刺激をどこか求めていた日々での出会いでした。

<ハイライト>

成功は失敗のもと
激しく挑み続けても、世の中は変わらない。しかし、世の中は変わらなくても自分自身は変わる。世の中が変わらないからといって、それでガックリしちゃって、ダラッと妥協したら、これはもう絶望的になってしまう。そうなったら、この世の中がもっともっとつまらなく見えてくるだろう。だから、闘わなければいけない。闘い続けることが、生きがいなんだ。しかし、いままで、僕はずいぶんと闘ってきたが、世の中が変わらないどころか、逆に悪くなってきている。つまらなくなったことは確かだ。(P.124より)
変えようと思っても、変わらないのは事実なんだ。だけど、挑むということで僕自身が、生きがいを貫いている。ぼくは絶対に、変わらない社会と妥協しない、これが僕の姿勢だ。(P.125より)

生きること、挑戦することへのパッションがあふれ出してくるこのフレーズ。小さくまとまっていないか?小さな安定で安住していないか?他の人と同じことに安心感を感じていないか?それが本当にお前のやりたいことか?お前らしさはどこにあるのだ?闘え!挑め!自分自身の弱さを倒せ!

こう太郎さんに後ろから大声で言われている気になりましたね。

仕事は守りもあれば攻めもある。すべてが守りでは何も進歩などない。頭では分かっていても、いつしか現状維持に足が向いてしまう。しかも無意識のうちに。本能の目覚め、自分をむき出しにしていいんだよと、激しくも優しい愛で包まれた文章は、自信なさげなかつての僕の目を覚ましてくれました。

<なぜバイブルなのか?>

誰しも、安定、安住、安心へと意識が向きがちです。生存本能が遺伝子に組み込まれているのが人間だとすれば、それは当然かもしれません。それでも、闘い、挑み、前進し続けなければ進歩はありません。

いや、進歩どころか現状維持すらできなくなるはずです。そのためには、守りに入ってないか?前進することをやめていないか?昨日より今日はどれだけ進歩したのか?そんなバロメーターとカンフル剤を同時に持つ、この本を手元に置いて定期的に読むことは、人としての幅を広げることになるのではないか?そんな気持ちから人生バイブルBEST10に自然と入ってきたのです。

5.『人生生涯小僧のこころ』

<内容をザックリ言うと>

百日回峰行を満行(成功)した塩沼亮潤という住職さんの修行体験とそこで得た人生で大切なことのお話です。この本の圧巻は、修行の壮絶さにあります。奈良県吉野の金峯山寺でのこの百日回の修行は、1300年のお寺の歴史でなんと成功したのは塩沼氏が2人目であるという事実が過酷さを物語っています。(2008年初版)

※修行内容例
「大峯千日回峰行」とは、奈良県吉野山にある金峯山寺蔵王堂(354m)から24㎞先にある山上ヶ岳(1719m)頂上にある大峯山寺本堂まで、標高差1355mある山道を往復48㎞、1000日間歩き続ける修行です。毎年5月3日から9月3日まで年間4ヵ月を行の期間と定めるので、9年の歳月がかかります。
行に入ると毎日19時に就寝、23時30分の起床と共に滝行で身を清め、装束を整えて午前0時30分に出発。
道中にある118か所の神社や祠で般若心経を唱え、勤行をしながらひたすら歩き続けます。 持参するものはおにぎり2つと500mlの水。これを食べ繋ぎながら山頂到着8時30分。帰山するのは15時30分です。
1日16時間歩き続け下山してから掃除洗濯、次の日の用意など身の回りのことを全て行者自身がするため、約4時間半の睡眠で行に臨む生活が続きます。

このような生活が続くと1ヶ月で栄養不足のため爪がぼろぼろと割れ、3ヶ月目に入ると血尿がでるほど衰弱していきます。しかし、どんな状況になっても1度この行に入ると途中でやめることは決して許されません。万が一途中で行をやめざるを得ないと判断したならば、所持している短刀でもって自ら腹を切り、行を終えるという厳しい掟があります。

千日回峰行者の衣装は「死出装束」といい、紐を含め全てが真っ白です。 肉体的にも精神的にも限界に近い非常に追い込まれた極限の中での行は、一瞬一瞬が命がけです。
1991年5月3日より述べ4万8000キロを歩き、1999年9月3日に大峯千日回峰行を成満。(塩沼亮潤氏 公式サイトより引用)

※目次概要
①なぜ千日回峰行をはじめたのか、②千日回峰行とはどういうものか、③私を行に向かわせたもの、④千日回峰行までの道のり、⑤心を磨く千日回峰行、⑥いつも次なる目標に向かって、⑦流れの中でありのままに、⑧人生生涯小僧のこころ

<キッカケ>

2008年当時、人間学を学べる『致知』という雑誌を定期購読していました。ここで紹介されていたのが同書を知ったキッカケだったかと記憶しています。

当時は自分の会社の事業に色々迷いが生じる一方、リーマンショックの余波なども出始め業績が急降下する入口に立っていました。気持ちを強く持たなければいけない、うろたえてはいけない。自分を鼓舞するものの、いまいち力不足だった僕に、過酷な修行を平常心で切り抜けようとしてきた住職さんのストーリーが衝撃を受けました。

苦しい時は、もっと苦しい人を見て安心感を得ようとする心の兆候が、この本と向き合ったキッカケです。

<ハイライト>

生きていく上で一番大切なもの
様々な行の中で私が感じた「人間が生きていく上で一番大事なもの」とは、「足るを知ること」です。(中略)「足るを知る」というのは、与えられた環境をありがたく受け入れるということ。この環境は自分が神さま仏さまから授かったプレゼントだと思うことです。
たとえば、自分に与えられた生活が自分の希望とかけ離れた30点のものだとしたとき、残りの70点を求めて「もっと欲しい、もっとこうなりたい、どうして自分は不幸なんだ」と苦しみの中に自分自身を追いやってしまうと、卑屈になってしまいます。しかし、これが今の自分に授けられた最高のものなのだと思い、「30点ももらってありがとうございます。0点よりいいです、何もないよりありがたいです」と感謝の心を持つことにより、人生は大きく変わってくると思います。(P.245より)

「これ、俺のために言ってるー!」
読んだ瞬間に浮かんだ率直な気持ちはこれでした。

事業で迷いが生じ、情況が芳しくない時、では0点レベルなのか?というとまったくそんなことはありませんでした。確かに希望通りではありません。イメージにも到達していませんでした。下降気味ですらあります。でも冷静に考えると、それだけです。それだけなのです。

100を200にできなくても、100が50になっても、起業当時は50もなかったではないか?今は50はまだある。もっといえば歩ける、話せる、身体は快調。飯も食える、飢え死にはしそうにない。何が問題なんだっけ?

こんな当たり前のことに気づかされ、まずは現状を受け入れよう。ありがたく受け入れよう。そこをスタート地点に再スタートを切ればよい。この箇所は僕の再スタートラインを引いてくれたようなものです。

<なぜバイブルなのか?>

生きていれば、問題も起きるし、凹むときも少なからずあります。でも、そんな時、自分の境遇は本当に苦労なの?と我に返ることは大事だと思うのです。でなければ自分を追い込んで卑屈になるだけですから。

この本では考えられないような壮絶な修行を乗り切った住職が語る人生の本質だからこそ、普遍的な原理原則が含まれています。苦しくなった時に、自分の苦しみはこの修行に比べればマシである。そう考え平常心を取り戻すスイッチとして、この本はあなたを救ってくれることでしょう。

6.『エッセンシャル思考』

<内容をザックリ言うと>

最小の時間で成果を最大にするシンプルな思考法を多面的に、シリコンバレーでコンサル会社を経営するCEOが紹介している本です。Apple、Google、Facebook、Twitterなどスター企業にアドバイスをする著者が語る実践的で経験に裏打ちされた理論は説得力が抜群です。(2014年初版)

※エッセンシャルとは「本質的な」という意味で、ゴチャゴチャ考えず、また雑念に振り回されずに、重要なことをシンプルに捉えることで、本質的な生き方、働き方をしようという思考法のことです。

※目次概要
①エッセンシャル思考と非エッセンシャル思考、②選ぶ力を取り戻す、③大多数のものは無価値である、④何かを選ぶことは、何かを捨てること、⑤考えるためのスペースをつくる、⑥情報の本質をつかみとる、⑦内なる子供の声を聴く、⑧1時間の眠りが数時間分の成果を生む、⑨もっとも厳しい基準で決める、⑩最終形を明確にする、⑪断固として上手に断る、⑫過去の損失を切り捨てる、⑬余剰を削り、本質を取り出す、⑭境界を決めると自由になれる、⑮最悪の事態を想定する、⑯仕事を減らし、成果を増やす、⑰小さな一歩を積み重ねる、⑱本質的な行動を無意識化する、⑲今何が重要かを考える、⑳エッセンシャル思考を生きる

<キッカケ>

「エッセンシャル」ってどういう意味だろう?ある日書店で目にしたこの本のタイトルに関心を持ったことがキッカケでした。どうも急速に売れているらしく、どんな思考法なのかが気になったのですが・・・

帯のコピーが僕の心の全てをとらえました。「99%の無駄を捨て1%に集中する方法」という超本質的でエッセンシャルな言葉。僕は思考の整理家という肩書でシンプルで本質的な思考法を説いていますので、「まさに!」とこの本を手にとってみたのです。

正直言って、この本に嫉妬しました。僕が言いたいことの全てをなんと上手にまとめてくれているのだろうと。人生の肥やしにするためというよりも、自分自身の思考や信念がすでにこの本には表現されているという点で、人生のバイブルに成りえたのです。

「エッセンシャル」というキーワードを切り口にするのか、「シンプル」というキーワードを切り口にするのか、入り口が異なるだけで”本質”は100%僕とシンクロすることから、この本を選書しました。自分の思考法や信念の裏書をしてくれたといっても過言ではありません。

<ハイライト>

エッセンシャル思考とは?
「やらなくては」ではなく「やると決める」。「どれも大事」ではなく「大事なものはめったにない」。「全部できる」ではなく「何でもできるが、全部はやらない」エッセンシャル思考を身につけるためには、これら3つの嘘を捨て、3つの真実に置き換えなくてはならない(P.15より)
【考え方】
×「みんな・すべて」
〇「より少なく、しかしより良く」、
【行動】
×「やることを増やす」
〇「やることを計画的に減らす」
【結果】
×「無力感」
〇「充実感」
(P.25の表より)

まだ世間は働き方改革や生産性向上と叫び始める少し前のことでした。僕はシンプル思考が、ストレスをかけずにスピーディーに仕事でも成果を出せる。そう信じて、思考の整理の重要性を説いていました。

そんな時、同書の冒頭の箇所を観て、大きくうなずき僕自身の方針が見事に言語化されたように思えたのです。

情報過多の時代、でも先行きが見えない時代。いろいろな人がいろいろなことを言い、気に食わないとネット上で炎上するご時世。頼れるものは自分だけ。自分だけが信じる本質的な世界だけ。それではどのように雑音や雑念に振り回されないようにすべきなのか?

同書の冒頭のコンセプトを常に念頭に置くだけでも、自分なりの本質が見つかるのではないか。そう感じさせてくれる箇所でした。

<なぜバイブルなのか?>

先ほどもお話したように、僕の思考法、信念、思想、哲学のすべてを分かりやすく、この書籍で表現されているため手元に永久的に置いておきたいと思ったのです。

複雑な時代ほど、シンプルでエッセンシャル(本質)を追求する姿勢こそが、自分らしい生き方をできるコツである。そう信じている僕としては、この本を見過ごすわけにはいきません。著者でもある僕としては、ハッキリ言って過去一番に嫉妬した本です。(笑)

マンガ版もお勧めです。

7.『大金持ちをランチに誘え!』

<内容をザックリ言うと>

全米を代表するカリスマ講演者・コンサルタントであるダン・S・ケネディ氏が自身の成功体験をもとに語る成功の原理原則です。一言で言うと、どんなビジネス上の苦境も”大量行動”で乗り切れる!という行動の大切さを説く本です。(2007年初版)

※目次概要
①がんじがらめの牢獄「あなた自身」から脱出する方法、②自分の人生を生きる「奇跡の公式」、③成功に必要な情報を確実に手に入れる方法、④他人のいいなりにならない方法、⑤大きく稼ぐための方法、⑥不安を克服するための方法、⑦内なる助言者の声に耳を澄ませ!、⑧最強の人脈を手にする方法、⑨あなたの給料を少なくとも2倍にする方法、⑩売り込みの達人になる方法、⑪行動の最大化こそが成功を生む、⑫どん底から這い上がって成功を手にする方法

<キッカケ>

「大金持ちをランチに誘え!」、一番嫌いなタイプのタイトルだなぁ。これが同書を初めて知った時の感想でした。売り込み、秒速で金持ちになる、とにかく行動や!みたいな成功哲学系の本があふれ辟易している時期。

10年以上前の実際の自分の状況はというと、受注できない、資金が急速になくなっていく不安、プロジェクトの途中中止など仕事が芳しくない状況が続き、リーマンショックの爪痕が残るピークの頃。あまりにも同業やコーチの方がこの本を推奨しているので、「興味がないタイトルだけどいっちょ読んでみるか。」

そんな後ろ向きな気持ちで手に取ったのがはじめでした。あれ?読み進めていくと、グサグサと刺さるではないですか!当時凹み気味だった僕の心にカンフル剤が注入されました。

行動はそこそこしているつもりだけど・・・”そこそこ”という中途半端レベルが逆に不安と焦りを呼び込み鬱屈していたのです。そこで出会った”大量行動”という絶妙な日本語。「あ、俺はまだ大量には行動してないわ。」そんな気づきを得てから、節目にはこの本を読み返し、すでに10回は再読した本です。

<ハイライト>

ひたすらシュートを打ち続けよう!
失敗を成功に変える方法は、直ちに断固として建設的な行動をとることである。「やめてしまうこと」ほど最悪のことはない。マイケル・ジョーダンはプロ選手時代、何発のシュートを外したことだろう。ただ、確かなことが一つある。シュートを外した時に、彼はベンチに走り寄ってコーチに自分をゲームから外してもらい、ベンチに座り込みタオルに顔をうずめて「もうシュートを打つなんて嫌だ!」とは言わなかった。
シュートミスをしたとき、彼は何をしたか?そう、直ちに次のシュートを打ったのである。そう、「やめてしまうこと」は答えではないのだ。ほとんどの問題と同じく、真の手立てとは行動しかないのである。(P.217より)

自己啓発の世界では結構語られがちなジョーダンのエピソードです。当時、このエピソードを知らなかった僕の心を強くとらえました。シンプルだなー!でも、これが本質だよなー!?いや、これしかない!苦境突破の鍵は。それが、ひたすら行動をすることの大切さなのでした。

行動をとめること、”そこそこ””ぼちぼち”レベルしか踏み込まないこと。これらは、壁を乗り越える上で最悪な行為です。必要なことは冷静に選択肢をリストアップし、それらを大量に行動しきることです。

焦りが生じると、どうしても足取りが重たくなりがちです。しかし、結局は立ち上がり、動くしかないわけです。単なる行動ではなく、”大量行動”レベルで。

<なぜバイブルなのか?>

行動の大切さを説く本は世の中にあふれています。しかし、この本は、はじめて”大量行動”という言葉を教えてくれ、僕の思考にインストールする手助けをしてくれました。

壁にぶち当たった時、この本にあった”大量行動”を思い出し、本当にすべての選択肢を出し切ったのだろうか?本当に大量に行動したのだろうか?本当に死力を尽くしてやり切ったと言えるのだろうか?そんな自分の”行動レベルのチェックリスト”として手元に置いておきたい。そんな思いから人生バイブルへと進化していきました。

8.『才能の正体』

<内容をザックリ言うと>

大ベストセラーで映画化もされた”ビリギャル”の著者として著名な坪田塾塾長の坪田信貴氏によって書かれた「才能の正しい解釈と伸ばし方」の切り口を数々の事例と豊富な実績に基づき紹介した本です。(2018年初版)

※目次概要
①才能とは何か?、②「能力」を「才能」へ、③「才能」のマネジメント、④「才能」と「成功者」、「才能」と「天才」など

<キッカケ>

直接のキッカケはSNSに表示されてきた著者坪田信貴さんが講師を務める講座の広告でした。経済ニュースアプリのNewspicksが手掛けるゼミで「才能の引き出し方」を学べるということで、「あぁ、あのビリギャルの著者が先生をするんだ」くらいでした。(当時はビリギャルもまだ読んだことがないほど。)その際に、最新刊『才能の正体』を知ったのです。

僕は教育産業の人間ではありませんが、社会人向けに企業研修を展開しており、どのようにすれば能力が開花するのであろうか?また「思考の整理によって人や組織の可能性を最大にしたい」というビジョンを以前より持っていましたが、どのようにすればよいのだろうか?この答えを探るべく、まずはゼミに興味を持ち受講したというのが直接のキッカケです。

小学生の子供を持つ僕としては、子育てに関するヒントも得られればいいな、そんな思いがゼミの受講と書籍からの学びの目的にもつながっていったのかもしれません。

<ハイライト>

才能という言葉の意味
才能って生まれつき持っていなかったら、手に入らないものなのか?
(P.18より)
「才能=能力」ではありません。能力が高まっていくと人より飛び出たり、尖ってくる部分が出てきます。「才=とがる」という意味なので、能力がとがってきて、そこが認められるようになると「才能」と言われるようになるのです。(P.20~21より)

才能の「伸ばし方」というハウツーに興味を持ちがちですが、そもそも「才能」とは何なのか。言葉の定義や捉え方を正しく持つことが、才能を伸ばすキッカケになる。そのため、本の冒頭にある言葉の定義づけのところが一番大切な箇所だと感じました。

才能という言葉を聞くと、「親の遺伝を引き継いで」「あの人は生まれつき~」「特殊な家庭環境だったから」などと、どうも人は先天的だと思い込みたいようです。かつての僕もそうでした。

でもね、これ途中で気づいたんです。単に自分が頑張らないことの言い訳であると。先天的に決まっているのが才能だとすれば、成果が出ない時「才能がないから仕方がないよね」という決めつけになってしまいます。ただし「能力をとがらせたことで才能になる」のであれば、後天的な努力が鍵を握ることは言うまでもありません。

こう考えると、「才能」とは誰もがもっているもの。才能がないとすれば、「見つけ方」と「伸ばし方」を知らないだけというスタンスを本書は貫きます。先天的なものという思い込みが、才能を見つけよう、伸ばし方を考えよう、正しい方向で努力しようという意思に、フタをしてしまっているのかもしれませんね。

<なぜバイブルなのか?>

この本は、一言で言うと「自分は才能がないから・・・」という弱気で逃げ気な自分を戒めるために常に手元に必要だなと思いました。もちろん、努力の大切さは理解しています。努力の方向性も大切なことも理解しています。

しかし、それでも物事がうまくいかない時に一瞬、自分は才能がないのだろうか?たぶん才能がないのかもしれない。そんな根拠もなく、訳も分からない雑念に振り回されそうになるときがありました。

改めて、逃げない自分でいつづけるためにも、そして子供の可能性を最大に引き出す存在でいつづけるためにも、この本は読み継いでいかなければならない。そう思い、バイブルに選書しました。

コンサル、研修、コーチング、講演などで教える系の仕事が多い日常、子育ても絡んでくるプライベート、すべては才能の正体を知ることで人生はポジティブに進化していくと感じています。

9.『ファクトフルネス』

<内容をザックリ言うと>

医師で教育者でもある著者が、思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣や思考法を説く本です。世界で起きている問題も、政財界のトップなど賢人たちでさえイメージで捉え、実態を把握している人はほとんどいないという衝撃的な内容です。(2019年初版)

※目次概要
①分断本能、②ネガティブ本能、③直線本能、④恐怖本能、⑤過大視本能、⑥パターン化本能、⑦宿命本能、⑧単純化本能、⑨犯人捜し本能、⑩焦り本能、⑪ファクトフルネスを実践しよう

<キッカケ>

単純に世間で話題になっているベストセラーだから興味があったという話なのですが、ビルゲイツが大絶賛し学生に配ったという触れ込みで購入が決定的なものになりました。

帯のコピーにはこのような書籍の紹介文があります。

あなたは世界の真実を知っている?

(問題1)
世界の1歳児でなんらかの予防接種を受けている子供はどのくらいいる?
①20%、②50%、③80%

(問題2)
いくらかでも電気が使える人は世界にどのくらいいる?
①20%、②50%、③80%

正解は本書に譲るとして、一見正解しそうな問題でも世界中のエグゼクティブの正答率はたいてい2割に満たないのです。

イメージでとらえているだけで、最新のデータに基づき正しく事実を知らないからなのです。

イメージで物事をとらえ、思い込みがいかに私たちの行動を誤らせるのか、これは先ほどご紹介した「才能の正体」や坪田ゼミをキッカケに危機意識を持つようになっていたため、その延長線上で僕のアンテナに同書が引っかかってきました。

<ハイライト>

なによりも、謙虚さと好奇心を持つことを子供たちに教えよう。謙虚であるということは、本能を抑えて事実を正しく見ることがどれほど難しいかに気づくことだ。自分の知識が限られていることを認めることだ。堂々と「知りません」と言えることだ。
新しい事実を発見したら、喜んで意見を変えられることだ。謙虚になると、心が楽になる。何もかも知っていなくちゃならないというプレッシャーがなくなるし、いつも自分の意見を弁護しなければと感じなくていい。
好奇心があるということは、新しい情報を積極的に探し、受け入れるということだ。自分の考えにあわない事実を大切にし、その裏の意味を理解しようと努めることだ。答えを間違っても恥とは思わず、間違いをきっかけに興味を持つことだ。(中略) 世界は変わり続けている。大人の知識をアップデートする方法も見つけなければいけない。(P.316~317より)

本書の大部分は目次にあるように、いくつかの「思い込み」に陥る本能別に、いかに世界の実態を私たちは知らないか。それを解き明かし、解決の方向性を紹介する内容です。

ハイライトで抜き出した箇所は、思い込みのパターンを全て解き明かしたうえで、今後に向けた示唆を与えてくれています。

結局、僕たちは謙虚さと好奇心を持つことで、正しい社会への関与の仕方を身につけることができるということなのでしょう。知ったかぶりは思い込みにつながり、行動さえも捻じ曲げてしまう。これでは、世界の問題が解決するのも解決しなくなるのです。

はじまりは、正しく事実に基づいた理解に努め、思い込みを防ぐこと。僕はそう解釈しました。

<なぜバイブルなのか?>

世界の問題に限らず、僕たちは様々な思い込み(バイアス)に思考をゆがめられてしまっています。これは人間である以上、ゼロにはできないかもしれません。

しかし時には立ち止まり、何が現実なのか?事実は何か?と見極める力を持つことは、複雑な世界を生き抜く上で武器にすらなる。そう考え、この本は絶対に子供にも引き継がなければいけない。こういう本こそ、継承していく必要がある。そう思わせられた本です。

「謙虚さ」と「好奇心」。

この2つはポジティブに生きてく上で必須のエッセンスです。

10.『苦しかったときの話をしようか』

<内容をザックリ言うと>

マーケティングのプロフェッショナルである森岡毅氏が、我が子のために説く働くことの本質論、仕事選びの手法などを自分の経験に基づき紹介した本です。P&GやUSJで数々のマーケティングの成功事例を築き上げてきた著者がマーケティングの本ではなく、自己啓発の本に挑戦した初めての書となります。(2019年初版)

※目次概要
①やりたいことがわからなくて悩む君へ、②学校では教えてくれない世界の秘密、③自分の強みをどう知るか、④自分をマーケティングせよ!、⑤苦しかった時の話をしようか、⑥自分の弱さとどう向き合うのか?

<キッカケ>

これまでも著者が書いた書籍は学びが多くて数冊読んできました。ただ、それらは全てマーケティングに関する本です。それが、今回は働くということがテーマでいつもとは趣向が違ったので、興味を持って手にしたのです。

特に僕自身が今、進路に悩んでいるわけでもなく、働くということの本質論は優先順位が高いテーマでは決してありませんでした。今回は、あくまでも”著者買い”(著者のファン)です。

マーケティングのプロが、これをキャリア戦略に活かすとどうなるのか?への関心。また、自分の娘向けについて書いたとのことだったため、いつの日か僕の娘にキャリアとは?について語る時に参考になるのかなと思い購入してみました。

かなりロジカルにかつ、パッションにあふれ、また子供への愛情に満ち溢れた文体は帯のキャッチコピーについているように、確かに”心揺さぶる感動作”だったのです。

<ハイライト>

弱点と向き合うには?
人が弱点を克服できるのも、すべきなのも、その人の強みとなる特徴の周辺領域だけだ。それ以外に費やす努力は、リターンをほとんど生まないと私は考えている。だから、自分が強めたい能力をもっと強くするために弱点を克服していく、それ以外はきっぱりと諦めるのだ。そう、諦める。
自身でその領域をマスターすることから、戦略的に撤退するのだ。やらないことを選ぶことを意識しない人は多いが、それは極めて重要だ。他人に言われるままに自分を変えようとしていたら、時間も気力もいくらあっても足りない。そればかりか、他人にとって都合が良い人間しかなれないのだから。
(P.279より)

なんでもかんでも、やみくもに努力をすることや弱点を克服しても、競争力は持てない。それは100%同意できる点です。

基本路線は、自分の強みを見い出し、それをピンピンに磨くこと。強みや特徴の方向性でのみ弱点を磨くこと。(場合により他人の力を借りること)これはとても本質的なことだと思います。

無意味に資格をとることも、無意味に有名企業に入ることも、それは自分の武器になるようでならないリスクも多分にあります。だからこそ、「強みの見極め×強みの補完(弱点克服)」というワンセットで”自分らしさ”を忘れないようにすることが大切です。

世間が言う競争力のために迎合した弱点克服は、あなたらしさをかき消すだけで終わってしまいます。それでは、別の人でもAIでも良くなってしまいますよね。そういう点では、どの土俵で戦うのか?を熟慮することがキャリアや進路に関しても大事だと考えています。

<なぜバイブルなのか?>

僕はサラリーマンではありません。転職とも今後のキャリアには無縁なことでしょう。しかし、この本はサラリーマンのためのキャリアプランニングのヒントという捉え方を私はしていません。

起業家、フリーランス、その立場は違えど、突き詰めると「自分は誰で」「どんな強みや特徴、武器があって」「どんな貢献ができるのか」。これは事業展開の検討でもまったく無縁なことではありません。もっというと、ポジティブに自分の人生をコントロールするためには、常に考えておくべきことです。

同書では、単に著者の武勇伝ではなく、キャリア理論でもなく、体験に基づきロジカルにかつマーケティング戦略的に自分の掘り下げ方、進路の開拓方法が書いてあります。そのため、節目節目では原点に立ち返って身の振り方のヒントにする点で、バイブルとなってくれそうでした。進路に悩む知人・友人には迷わずこの本をお勧めしています。

11.まとめ

ここまで10冊の本をご紹介してきました。ご紹介するうえで、「ハイライト」の抜粋が一番難しかったものです。一か所だけ選定しようと思っても、大切なエッセンスが山盛りの本たちです。一か所だけ選び出すのは困難を極める作業でした。もちろん、心境や状況によってハイライトは今後も変わっていくことでしょう。

今回は、あくまでも直近で個人的に刺さった箇所、響いた箇所を抜粋していますので、必ずしも各本の一番の主旨を表現している箇所ではないことをあらかじめご了承ください。

また冒頭のご留意事項の繰り返しになりますが、1~10は便宜上つけた連番であり、優先順位では決してありません。順位づけはさらに困難な作業で、心境や状況によって順位が変動するため、今回は1~10とついていても、実際は順不同であることもご了承ください。

最後になりますが、ご紹介した10冊の本を、僕はどう活用しているのか整理しておきたいと思います。

【苦しい時に読む本】
覚悟の磨き方
大金持ちをランチに誘え!
【自分を戒める時に読む本】
人生生涯 小僧の心
道をひらく
ファクトフルネス
【雑念から解放されたい時に読む本】
エッセンシャル思考
自分の中に毒を持て
【可能性を開花させたい時に読む本】
才能の正体
苦しかった時の話をしよう
ミライの授業

今回、自分なりにベスト10を選定しましたが、その傾向は大別すると3つになることに、今、気がつきました。

(1)人生の壁にぶつかったとき
(2)人を救いたいとき
(3)自分の子供の未来を考えるとき

すべては、自分の人生にとって常に密接にかかわるシーンですが、書籍から、もっと言えば言葉から人生のクスリや肥やしを得ることが僕には大切なことなのかもしれません。

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

これらの本があなたの人生にポジティブなインパクトを持つことを祈念しています。

著者・思考の整理家 鈴木 進介


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