外資セキュリティ事情、Job Hunt具体例その二

 外資セキュリティのもう一つ具体的な事例を挙げてみよう。

 外資セキュリティと一口に言ってもいろいろな案件があるが、最近もっともタマ数が多いのはこの会社(仮にA社と呼ぶことにしよう)に関連するものと言っていいかもしれない。

 A社の案件では、採用後に所属する会社は、正確には、いくつかあるグループ会社のうちのいずれかになるらしいものの、採用情報そのものはグローバルサイトにまとめて掲載されている。各案件の詳細情報を見ると、具体的な勤務地や所属することになる会社の情報などに行きつく。

 A社はとにかく成長速度やオペレーションそのものにスピードを求める会社なので、既存施設におけるフィジカルセキュリティ案件は勿論、新規に開設する施設などにおけるフィジカルセキュリティ案件もしばしばリリースされる。そのため、他の外資セキュリティに比べて案件の数も頻度も頭一つ二つ出ている印象を受ける。私が把握する限り、半年に一回は何かしらの案件があるのではないだろうか。

 しかし、結論を先に言うようで恐縮であるが、A社におけるフィジカルセキュリティの仕事が「フィジカルセキュリティ」と言えるかどうかについては、疑問がある。

 例えば、関東にある施設が勤務地となっていた案件について聞いたところでは、Job Descriptionにはフィジカルセキュリティと記載されていて、採用後に所属するチームも明らかにフィジカルセキュリティのチームなのだが、実際の職務はセキュリティというよりもファシリティマネジメントであると面接担当者が説明していたというケースがある。主な職務がファシリティマネジメントなら、セキュリティではなくファシリティの人間を選べばいいではないか、と候補者自身が面接で感じてしまったケースである。

 これは一例に過ぎないが、その他のケースでも、「セキュリティ感覚」を持ち合わせているのかどうか微妙な感じのする人材がセキュリティマネージャーやセキュリティスーパーバイザーに採用されていたりしているように思えるので、JDに記載されているような「フィジカルセキュリティの専門家」が採用されているとは限らない会社の一つではないか、と思うのである。

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