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生産技術という仕事がぼくの人生を変えた

ぼくは高卒のしがないサラリーマンです。
大企業にたまたま入社できたので、それなりに生活できています。

入社からいろいろな部署異動を経験し、はじめての業務は工作機械のオペレーターをやっていました。
所謂、不人気代表の仕事「工場勤務」です。

職場には恵まれて、製品を組み付けたり、鉄を削ったり、いろいろなスキルを身につけました。

コツコツと、淡々と、黙々と、仕事を楽しんでいました。
自分が成長するのも実感できていたし、評価もされていたので満足して働いていました。

そんな中、海外出向ができるかもしれないという情報を耳にすることに。

中学生の時の夢を思い出した

中学生の頃、将来の自分に向けたビデオを撮りました。
ビデオテープはタイムカプセルにして埋めてあるはずです。
いつ掘り起こすのかわからないですが、大人になってからまだ見てはいません。
しかし、鮮明に思い出したんです。

「海外で働いていますか?」

ずっと忘れていましたが、たしかに中学3年生のぼくが言っていました。

ぜったいに海外出向したい!

すぐに自分の気持ちは固まりました。
任命されたわけでもないのに (笑)

次に妻に相談しましたが答えはNO…。
説得の日々が続きました。

ぼくがあまりにもしつこいので、妻が折れるカタチで家族で海外出向することが決まりました。
(この時点では任命されていません 笑)

上司に直談判して海外出向を勝ち取った

もう頭の中は海外出向。
行けるかもわからないのに、人事制度を調べて夢を膨らませていました。

そして、ぼくではなく後輩が候補に上がっているとの噂が。
このままではヤバい!

飲み会で決定権のある上司に直談判です。
飲みニケーションが最適な上司だったので、飲み会にて、今しかない!とタイミングを見計らってアタックしました。

「お前は評価もいいから行かなくてもいいだろ?」

そういうもんなのか…。
いやいや、こんな理由で決められたら納得いかない。

「子供の頃の夢でした。行かせてください!」

「そうか、人選を見直すわ。」

やれることはやり切りました。
あとは結果を待つだけです。

そして見事に海外出向を勝ち取ったのです。

重要な人事が飲み会で決まることありますよね…。

やったこともない生産技術という仕事

目的が海外出向に行くことになっていたぼくは、冷静になって気付きます。

なんの仕事するんだ?

海外に行くことは決まったけれど、そこでどんな任務があるかわかっていなかったのです。
バカですよね…。

まあ、上司もぼくがなにするのか知りませんでしたが。

もともと海外出向なんてない職場だったので、別の部署に異動が決まり、そこから新しい仕事に出逢います。

「生産技術」というお仕事です。

とにかく守備範囲が広くて忙しい!!

ぼくの勤める会社は製造業なので、生産技術者はおおく、とても優秀な方々ばかり。
今の社長も生産技術からのぼりつめた方です。

生産技術の業務はとにかく広い!

  • 量産ラインの工程設計

  • 生産の採算改善

  • 製品設計の改善折衝

  • 各種メーカーとの商談、交渉

  • 生産管理との生産量調整

  • 品質保証

  • 工程管理の基礎作り

などなど、細かくあげればキリがない程の業務があります。

いままでの仕事は、依頼された1つのことに集中していれば良かったのですが、そうはいきませんでした。

新しいことを次々に覚えながら、各地の設備メーカに出張し、海外で立ち上げるラインの生産準備を進めていきます。

目の回るような忙しさとはこのことか。
と、人生で初めて激務を経験しました。

それでも、新しいことを覚えるのはワクワクしたし、いろんなところに出張して初対面のひと達と仕事をするのも刺激的でした。

世話ががりの上司の足を引っ張りながらも、キズだらけになりながらガムシャラに働きました。
正に夢中になっていました。

海外出向前に育ててもらって…。

生産技術者としては一人前とは言えないぼくを、海外で活躍できるようにしてくれました。

さらにお世話になった部署の方々は、出向先でも業務上でつながりがあるため、現地では本当にかぞえきれないほど助けてもらいました。

  • 時差を感じさせないレスポンス

  • 出張時には気遣ってくれた

  • 愚痴を電話で聞いてもらった

  • 仕事で困ったら支えてくれた

  • 日本に戻ってもかわいがってくれる

何度ありがとうと言ったかわかりません。

そして、いざ海外出向です。

「ありがとう」がたくさんもらえた

今まで、大企業の1つの役割を持った部署で働いていました。
大きすぎて、他の部署が何をやっているのかなんてわかりません。
知ろうとも思っていませんでした。

でも、海外拠点ではコンパクトになります。
企画、人事、生産管理、生産、調達、品質保証、生産技術、部署の垣根を超えてコミュニケーションが活発です。

生産技術はいろんな部署と繋がっています。

採算を大幅に改善できると「企画」「生産」部署からお礼をもらえます。
不良率を減らすと「品質保証」「生産」部署から俺がもらえます。
仕入れ先の採算改善を手伝えば「企画」「調達」部署からお礼がもらえます。

がんばっただけ「ありがとう」「Thank you!」がもらえます。

今まで、上司や同僚からのお礼はありましたが、会社の関係部署から直接ありがとうと言われたことなんてありません。
しかも、本当に嬉しそうに声をかけてくれます。

自分のコツコツやってきたスキルが活かせて、たくさんのひとから「ありがとう」と言ってもらえる生産技術の仕事は、ぼくにとって最高の仕事。

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