【ネタばれ風味のご紹介】アメリカン・アニマルズ

1200万ドルの稀覯本「アメリカの鳥類」(ジョン・オーデュボン作)を 所蔵している大学図書館から盗み出そうとした大学生たちの実話をもとにした青春もの。…というか、犯人4人本人も、事件後かつ逮捕服役後の本人として出演しています。

お話は、漠然とした閉塞感から”なにか大きなことをしてみたい”と強盗の計画を立て怯えながらも準備をすすめていく大学生たちの物語に、全てが終わった後に当時を振り返る本人たちの姿を小気味よく挟み込み、交錯させていきます。

映画と現実 / 事件当時と今 / 子どもと大人 / 信じることにしたことと信じるべきだったこと / 見えない将来に対するいらだちと起こしてしまった過去に対する内省… を行きつ戻りつつするんです。なので、並の実録物映画よりもずっとドラマティックで、並のドキュメンタリーよりもきちんと真実を描いている感じがして、物凄く面白かった。

「お話が面白いのもそうだけど、オーデュボンの絵がとにかく綺麗だから映像もきれいだったよね、あんな凄い本あるんだねぇ」と言ったら、「現物を2回もみただろ、科博の大英自然史博物館展と、ハンティントン・ライブラリーで。覚えてないのか!」と奥様に怒られましたけれども。

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