【もっと解説】ガス料金の全て【番外編】

さて、ガス料金プランについてはかなり語りつくしました。

そもそもガス料金に掛かっている費用について知りたいくないですか?

知りたくなければ回れ右でオッケーです。

お客様にはもっとガスやガス料金の事を知ってもらいたい、そのうえで気持ちよくお取引して頂きたい!と思っているので大公開します。

仕入れ価格について

ガスの納入価格、仕入れ価格について解説します。

まずは地域による価格差です。

都市圏などは消費者の絶対数が多いので当然安く仕入れているはずです。

これは対エンドユーザーでも同じ構図で、たくさん買ってくれるところには多少なりとも安くなるということです。

ですので、私の会社がある四国の地域は、人口が少なく、配送にも距離があるなど、価格面では不利です。

次に販売店の規模。

大きなガス販売店は当然お客様も多いのでたくさん仕入れます。

大きな販売店といってもピンキリですし、実態の価格を知らないので何とも言えませんが、小さい販売店より安く仕入れていることは間違いないと思います。

じゃあ大きなガス会社と契約すれば安いのか?

そうでもないんです。

大きなガス会社は別の販売店に卸売りもしています。

そうなると卸先の販売店もお客様です。その卸先のお客様の価格に合わせて高く販売します。卸元の大きなガス会社が安く販売していれば、みーんなそっちと契約したいと思いますよね?

でも、卸元からするとたくさん販売店を抱えて、販売店に買ってもらう方がいいんです。

BtoBなので与信もあります。すべての顧客と直売で契約するのは与信管理や人員、設備面も全て自社で賄うことより、他社の販売店さんにやってもらう。アウトソーシングするほうが儲けはすくないけど確実な取引ができるからです。

そんな大事な卸先の販売店の機嫌を損ねないよう、安売りをせずに価格を卸先の販売店に合わせて高く売っています。

またボンベで販売する方法とバルクと呼ばれるタンクに直接タンクローリーで配送する販売方法でも価格は違います。

一般的にはバルクで配送してもらった方が価格は安くなります。

バルクは大きな飲食店やホテル、工場などたくさんガスを使うところで見かけますね。

ようやく本題に近づきました。

ほとんどの一般のお客様はガスボンベでの供給ですので、それに合わせてご説明します。

2019年10月時点でのガス仕入れ価格はだいたい1キロ70円くらいです。

ときいてもピンと来ませんよね。

詳しくいきましょう。

家庭用プロパンガス1kgはおおよそ0.482㎥です。

0.482なのでだいたい0.5とすると、1㎥はだいたい140円くらいで仕入れています。

この価格はCP価格といってサウジアラムコというサウジアラビアの王様の会社が船に積むときの価格に連動していますので、年代や季節。世界情勢などに大きく左右されます。あくまでこの記事を書いてる時点での価格です。

さて、エンドユーザー様向けの弊社ホームページに掲載している一般プランで見ていきましょう。

従量料金、0.0から10.0㎥ は610円

1㎥610円が最も高単価な一般プランの部分ですね。

仕入れ140円に対し、610円で販売しているわけです!

ふつーに考えればとんでもない価格設定なわけですが、当然ちゃんとした理由があります。

運営に必要なお金

ボンベでガスをお客様に届けて、安心安全に使っていただく為のコストを計算して、価格設定をしています。

じゃあそのコスト、どれくらいかかっているのでしょう?

詳しく見ていきましょう。っていっても概算金額ですが・・・。

配送車両(ガスボンベを運ぶ)200万円

業務管理システム(PC、ソフト、端末)150万円

軽トラ(工事、保安業務など)100万円×4台

人件費(役員報酬含む)月200万円

大きなものではこんなところでしょうか。

細かいものでは、各種工事に必要な機械工具類や保安業務につかうマノメーターや自記圧力計などですね。数千円のものから数十万のものまでいろいろあります。

車両や業務管理システムなどは7年から10年使うことを考えれば高いものではありません。

各種資格を有した有資格者がガスを配達したり、定期保安検査や設備の保守点検、毎月の検針業務を行うための人件費が最も大きな部分ですね。

またガスの仕入れは中身だけの価格です。

ガスボンベ本体は1本10000円くらいで購入しています。

仮に1000本所有しているとそれだけで1000万の設備投資です。

またガスメーターも一個10000円くらいです。

これは基本料金として参入していますが、顧客件数が1000件有ればそれに応じてガスメーターを購入して設備投資となるわけです。

ガスに関する設備や保守管理費用だけで毎年2000万くらい必要になってくる計算になりますね。もちろんこのほかにも会社運営に必要なお金もありますし、もっと大きな会社になればもっと大きな運営費用が掛かります。

ガス料金のほとんどを占めるのは、じつはこの部分であり、プロパンガスの成分自体にかかる費用はそうでもないのです。

LPガス販売は厳密にいえばインフラ業ではないんですが、ほとんどインフラ業と一緒で設備の保守管理にお金を払ってもらっているようなものです。

まとめ

ガス料金の内訳を聞いて少しでもガスの価格に対する不信感を取り払うことが出来ればと思っています。

皆様の契約しているガス販売店はホームページに料金表を掲載していますか?ホームページがあるガス販売店は基本的は掲載する必要があります。平成29年に法改正があり、ガス料金を検針伝票や請求書、店頭やホームページに掲載しなさい、みたいな法律が出来ました。

今までは契約時に料金表を渡していればよかったのですが、法改正後は常に最新のガス料金表をお客様にお伝えしないといけない法律になっています。

そりゃ当然ですよね?

普段、お店で買い物をして価格の分からないものを買いますか?

でもガス料金ってイマイチよくわからないって人、多くないですか?

「高い」ことよりも「よくわからない」ことにお金を払うのってイヤですよね?

「高い」理由がちゃんとした理由なら、しゃあねえなぁと思いながらも買いますよね。

お客様に選ばれる販売店になる為には、お客様ファーストの目線が必要だと思います。

弊社では、検針時の伝票にはそれぞれの料金表を掲載し、ホームページでも基本的なプランは掲載済みです。

毎月払うガス料金、少しでも気持ちよく払っていただく為には、このような情報開示は不可欠だと考えています。

ガス料金に関することも、そうでないこともお気軽にお問い合わせください。

ツイッターアカウント弊社ホームページまで。

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