撮る将・撮る碁入門(「しっくりこない」の正体:構図の前の話)
今回から構図の話をしていきます。
色んな構図のパターンがあり、それらを上手く使い分ける事でバリエーション豊富な写真が楽しめる訳ですが今回はそれらに共通する基本的な部分の話を。
百聞は一見にしかず
まずはこの写真を見てください。何か違和感を感じますか?
そう、囲碁と将棋の棋士が並んでる!…今回はそういう話ではないです。
この写真はかなり右に傾いています。水平が取れていない写真は漠然とした違和感が生じやすいです。言い方を変えると「適当に撮った感」が出てしまいます。
試しに傾きを補正するとこんな感じになります。
どうでしょうか?だいぶ雰囲気が変わったように見えませんか?
水平を保つために
撮影時に水平・垂直を保つ方法として私は2種類の方法を使っています。
・被写体周辺の水平・垂直なものを利用する
・カメラの「電子水準器」機能を利用する
被写体周辺の水平・垂直なものを利用する
柱やステージの床、壁の模様などを利用して、それらが水平・垂直になるように写す方法です。手軽な方法ですが1つ大きな問題(詳細は後述)があります。
カメラの「電子水準器」機能を利用する
最近のカメラは画面に水平・垂直になってるかどうかを表示する機能がついている場合が多いです。
例えば以下のような感じで表示され、水平・垂直それぞれが緑色で表示されればOKといった具合です。この機能を利用した方が確実に水平が取れます。
※水平だけでなく垂直も保った方が基本としてはいいのですが、イベントではステージを見上げるような形になることが多く実際問題として垂直も保つのは難しいです。
(出典: SONY α7Ⅱ 取扱説明書)
混乱の元、「パース」
先ほど「被写体周辺の水平・垂直なものを利用する」方法で撮影しようとした場合に「大きな問題がある」と書きました。それが「パース」の問題です。
具体的には「ある部分を水平になるように撮ったら、別の(水平のはずの)部分が水平にならない」という現象が起こります。
これは下図のように「斜めから撮ると、平行のはずのものが平行に写らない(遥か横の1点に収束するように映る)」ことが原因です。
これは垂直方向でも同じでカメラを上向きにして撮影すると、垂直な線は遥か上方の1点に収束するような角度で写ります。
このため「なるべく画面の真ん中にある水平(垂直)な線を利用する」というのが実戦的な対応になります。また水平(垂直)と思われる線が1本しかない場合はそれに合わせてしまえば、よっぽど斜めから撮る場合でなければ大丈夫だとは思います。
次回は構図の具体的な話になります。
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