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撮る将・撮る碁入門(ピントを合わせろ!:被写界深度再び)

前回ピントに関する説明をしましたが、これは被写体が一人の時を前提にしていました。これが二人以上になるとピントが合う範囲(被写界深度)について気にしておく必要があります。

絞りの説明の時に書いたように絞りを絞ると被写界深度が深く(ピントが合う範囲が広く)なります。絞り以外にも被写界深度に影響を与える要素があります。まとめると下図の通りになります。

どうしてこうなるのかは大変難しい(※)ので省きます。
※私もよく分かってないです

用語説明

そして、また新しい用語が出てきたので説明します。分かる方は読み飛ばしてください

センサーサイズ

文字通り、光を受けるセンサーのサイズです。カメラに組み込まれた部品なので変更はできません。レンズ交換式カメラの主なサイズとして以下のような種類があります。カタログなどで確認できます。

フルサイズ:キヤノン、ニコン、ソニー、ペンタックスなどの高級ライン
APS(※)  :上記各社の入門・中級ライン、富士フイルム
FourThirds:オリンパス、パナソニック

※メーカーで微妙にサイズが違っていて、そのためにAPC-Cとか細かく種別がありますが気にしなくて大丈夫です

焦点距離

レンズとセンサーの距離ですが、実際のレンズは複数枚のレンズで構成されていて複雑なので詳細の説明は省きます。「50mmのレンズ」などという言い方をよくしますが、この時の50mmが焦点距離です。

焦点距離が短い(数字が小さい)と周囲を広く写せ(広角と言います)、長い(数字が大きい)と狭い範囲を大きく写せます(望遠と言います)。

イベントで対局と大盤の両方を写す場合は広角が必要になり、対局者1名のアップを写す場合は望遠が必要になります。

ややこしい話
(焦点距離とセンサーサイズと画角の関係)

(分からなかったらこの節は気にせず飛ばして読んでください。)
最初の表でセンサーサイズが被写界深度に影響すると書きましたが、実はこれは間接的な(見方によってはという)話です。

「広く写す(広角)」とか「大きく写す(望遠)」という話は「画角」と呼ばれ、カメラが何度の範囲を切り取れるかを主眼にしています。

そして大変ややこしい話ですが同じ焦点距離でもセンサーサイズが変わると画角が変わります。だから焦点距離だけ見ても「どれくらい広く(大きく)写せるか」は分かりません。

フルサイズでAPSやFourThirdsと同じ画角を得ようとすると大体以下のような感じになります。
フルサイズの焦点距離で得られる画角=(APSの焦点距離×1.6)で得られる画角=(FourThirdsの焦点距離×2.0)で得られる画角

例えばフルサイズの320mmのレンズとAPS200mm、FourThirdsの160mmのレンズが同じくらいの画角です。

「センサーサイズが被写界深度に影響する」というのは「同じ画角ならセンサーサイズが大きい方が被写界深度が浅い」という話でしかありません。同じ焦点距離ならセンサーの大きさを変えても被写界深度は変化しません

実戦的な話

以上を踏まえた上で(長い!)どのような条件で、どのくらいの範囲ピントが合うかを被写体との距離毎にまとめた表をこの節の最後に記しておきます。
こちらのサイトを参考にしています。
・センサーサイズは一番カメラの種類が多いと思われるAPSにしています。

以下、被写体との距離ごとにまとめていきます。

1m
指導風景とかを撮る場合、もしくは小中規模イベントの最前列などではあり得る距離です。70mmくらいがよく使いそうな焦点距離ですが、F4でピントが合う範囲は3.6cm。ピントを合わせる場所から前後1.8cmと考えると相当シビアです。ただ複数のものに同時にピントを合わせるなら使う焦点距離はさらに短くなります。例えば23mmF4で34cm(前後17cm)。二人のカメラまでの距離にそれ以上違いがあるとさらに絞る必要があります。

3m
ステージと客席の前の方を想定した距離ですが、133mm(それなりにアップが撮れます)のF4で10cm。
二人が並んでいるのを上半身が収まるくらいで撮ると70mmくらいだと思いますがF4で36cm(前後18cm)くらいです。

5m
ステージの席から遠い場所がこれくらいでしょうか。
3mと同じように二人が並んでいるのを上半身が収まるくらいで撮ると100mmくらいかとおもいますが、F4で45cmくらい(前途22.5cm)です。

これでおおよそのイメージを持ってもらい(二人の距離が頭一つ分離れるとF4では厳しい感じでしょうか。)、後は実戦で経験を積んで適切な絞りを選べるようになってもらえればと思います。

ただ私も結構な頻度で失敗します。道は険しいかもしれません(´・ω・`)

表の中でハイフンになっている部分は「被写体より後ろは、どれだけ遠くても全てピントが合う」状態です。

ピントの話はこれで一段落として、次回は色の話をしていきたいと思います。

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