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撮る将・撮る碁入門(光の量をコントロールする:まとめ)

今回はここまでのまとめと、実際にイベントで撮影する時にどうカメラを設定するか書いていきたいと思います。

その前に

ここまでずっと分かりやすさのため「光の量」という言い方をしてきましたが一般的には「露出」と言います。
光の量が多すぎる写真は「露出オーバー」少なすぎる写真は「露出アンダー」という言い方をします。
また露出をどの程度カメラに任せるかを設定することができ、一般的には以下の種類があります。
M:マニュアル(すべて自分で設定する)
A:絞り優先(絞りを自分で設定する)
S:シャッタースピード優先(シャッタースピードを自分で設定する)
P:プログラム(すべてカメラにお任せ)

センサー感度は(おそらく慣習的に)上記とは別に単独で設定します。

ここまでのまとめ

露出をコントロールする3要素と、それぞれの要素を変化させた(光の量を増やした)際の特徴は以下の通りです。

実際のイベントでのカメラの設定

あくまで私の場合ですが、以下のように設定しています。
具体的な設定方法はカメラによって違うので、それぞれの説明書を参考にしていください。

事前設定

(1)露出設定
「シャッタースピード優先」にしてシャッタースピードを200分の1に設定しています。

露出の設定についてはこの写真のようなダイヤルがついている場合が多いです。ここを「S」に合わせればシャッタースピード優先になります。
具体的なシャッタースピードはその状態で、どこかのダイアルを回すと変化するというパターンが多いです。(写真のカメラだと右下に縦についているダイアルがそれに相当します)

(2)センサー感度(ISO感度)設定

前回書いた内容と重複しますが、許容できる最高感度を設定しそこまでの間でカメラ側で自動で変更する設定にしています。
カメラによって名称は変わりますが「ISO感度」⇒「AUTO」という項目で設定する感じになります。

あらかじめ暗めの室内で(できれば人物を)試写して、自分がどれくらいの感度の画質まで許容できるのか確認しておくのがおススメです。

上記の設定をすることでシャッタースピードを200分の1に保ったまま、絞りとセンサー感度をカメラが自動的に設定してくれます。(センサ感度設定の写真で「低速シャッター限界」が60分の1秒になっていますが、この設定よりもシャッタースピード優先の値の方が早いので、そちらが優先されます)

イベント中の対応

イベントが始まった後、状況に応じて以下のような対応をしていきます

暗さへの対応

会場が暗すぎて事前設定では露出が足りない場合、画面に表示されている絞りの値が点滅したり色が変わったりします(シャッタースピード優先設定の場合)。
そうなった場合、以下のどちらかの対応をする必要があります。
・シャッタースピードを遅くする
・センサー感度の許容できる最高感度を上げる

ただし会場の明るさは同じステージ上であっても照明の配置で変わります。
見た目に明るさが大して変わらないなら気にしなくて大丈夫ですが、明らかに差がある場合は都度対応するか暗い方に合わせてください。

また窓があって太陽光が入るような会場の場合、外の明るさに影響されて明るさが変化するのでこちらも気になったら都度対応してください。

ピントが合う範囲(被写界深度)への対応

上記設定で撮影をしているとほとんどの場合、絞りは限界レベルまで開いた状態(絞り開放と言います)で撮影されています。
このためピントが合う範囲が狭くなっており、カメラからの距離が違う二人に同時にピントが合わない場合があります。
ピントが合わないと思ったら露出設定を「マニュアル」に変更し、ピントが合うレベルまで絞りを絞ってください。

とは言え、これは相当難易度が高いです。まず、とっさにモードの変更ができません。そして距離の応じてどれくらい絞ればいいかも分かりません。
前者は慣れるしかないですが、後者については会場で色んな絞りで撮ってみて、どのくらいの範囲にピントが合うか事前に確認するといいかも知れません。
そもそも暗すぎて他の要素で吸収しきれず断念せざるを得ない場合もありますが。

これで露出の話は一段落です。次からはピントの話をしていきたいと思います。

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