見出し画像

〈無料〉あなたもできる飛行機からの脱出

最新版はこちら ↓ ↓ ↓








急な脱出の際は荷物を持って逃げられません。
国際線搭乗ではパスポートやスマホやクレカなどは肌身離さず
ポケットに入れて離着陸しましょう。

ガチめの脱出ファッションコーデの記事を再販開始しました。
期間限定価格でお買い求めいただけます。





































































=======

「自分は飛行機事故なんかには遭わないよ」

 と根拠ない自信をお持ちの皆さん
 私もそう思ってました。
 航空機の墜落に遭う確率は低いと。

しかしどうでしょう。これ

2015年3月デルタ航空がNYCで着陸の際雪で滑って
フェンスに突っ込んでみたり

2015年4月にはアシアナ航空のA320が広島空港で
着陸失敗する事故があり。

2015年9月にはブリティッシュエアウェイズが
ラスベガスでエンジン炎上してみたり

2016年2月23日に新千歳空港でJALで
機内に煙が充満したり

2016年5月には羽田で大韓航空が
エンジンから出火、火災事故。

シリアスな死亡事故は少ないですが、                  脱出案件は結構多いのです。

これらの事故の共通点は
乗客が速やかに機外へ脱出して
大惨事を免れた
「脱出できたから助かった」                      事故だということ。

これって墜落して死んでしまうことは
あんまりないけど、
大惨事を回避するために機長の判断で
(大事をとって)脱出させられることは
ありうるということなのだ。


あなたが脱出に関する正しい基礎知識を持ち
事故に遭遇して脱出する際に慌てず冷静でいることの効果は
それは自分も助かり、そして周りも助かる確率が上がるということ
あなたの安全知識でより多くの人の命が守られるかもしれない。


今回のこの記事では
もし脱出せねばならなくなったら
どうするべきなのか
飛行機に頻繁に乗るけれど、安全に関する専門知識は持ち合わせない皆さんにわかりやすいように「なるべく安全に脱出する方法」を伝授します。

これは正直、使うことがないのが一番いいのですが
まずは航空機の安全対策の基礎知識を持ってることで
少しでも適切で冷静な判断ができるようになっていただけたらと思い
これを書きました。

万が一の際に頭の隅に残ってて
何も知らないよりはマシだったくらいの
役に立てるといいのですが。

その前に、脱出なんてしないほうがいいに
決まってるよね、

そしてもう一つ、

乗客も乗務員も実際に脱出したことはありません。
万が一の場合は恐らく全員が

「リアルな脱出は初めて」

ってことになるでしょう。

従って、乗務員が使い物にならなかったら
これを読んだあなたが自分の命も周りの命も助けないと
いかんことになるかも。

「人に頼るな、自分に頼れ」


くれぐれも、
この知識が皆様の役に立たないことを祈ってます。

(事故で飛行機から脱出する場面なんて実際に経験する必要ないですからね)

皆様が飛行機で楽しく安全に旅ができますように。


「自分は飛行機に乗り慣れてるぜ」
と自負している皆様へ


今日は飛行機に乗る際の安全知識があるかどうか確認テストをします。
以下6つの質問をよく読んでお答えください。

問1
A320/B737の非常口座席は足元が広い良い席なので
常連の俺様が座るべき席。

緊急脱出の際は援助することに同意しめでたく広い席ゲット。

ところが、
なんとタキシング中に突如機内に煙が発生、脱出しないといけないみたい。

煙で客室乗務員の姿は見えない。パニックになった機内。
どうすればいいか、指示も全く聞こえない。               脱出の判断はなんと自分でしないといけないようだ、

機体中央の非常口座席に座ってるあなたはこんな時どうしますか?





問2
以下の単語を英語でなんというか今ここですぐに頭に浮かびますか?

「脱出」
「着水」
「脱出用滑り台」
「救命胴衣」

上から英語で元気よく大きな声で言ってみましょう。




問3
離着陸時にスリッパではなく靴を履いていないといけない理由は?
また
ハイヒールが搭乗に適さない理由を述べよ。




問4
夜間の離着陸時に機内の客室照明が暗くなる理由はなんですか?


問5
離着陸時に荷物を適切な場所に収納したりテーブルや窓の日よけ、
リクライニングとフットレストを元の位置に戻したりするのは
なぜでしょうか?



問6
救命胴衣の位置
自分が脱出する非常口の位置
はどうやって確認するのが適切か?




「俺様は飛行機乗り慣れてるぜ」
「すげーだろ、俺ミリオンマイラー」
「年間100回飛行機乗ってるぜ」

とか自慢するのに間違った知識しか持っていないって
とっても恥ずかしいですね。

上記6問の半分もわからないとかだと、さすがにそこら辺の素人と
なーんも変わりませんので、ニワカがばれないうちに
この記事を熟読して上辺の知識でもいいのでざ〜っと覚えて
飛んだ距離や回数自慢ついでにドヤ顔でどんどん周りに語ってください。

ミリオンマイラーのステイタスと使える飛行機の脱出知識があれば、
ドヤ度合いも上がるというものです。

それに確率論で言えばたくさん乗ってるあなたのリスクは
全く飛行機に乗らない人より明らかに高いのですから。          今から書くことは覚えておいて損はしませんから。


それでは順を追って上記の問題の回答を書いていきます。

ではまず
初心者コースから解説します。テストの問題の順番とは
違ってますが、一番点が取れそうなところから解説します。


それでは一番簡単なこの問題から
解説する必要すらないと思うのですが、念のため。

問3
離着陸時にスリッパではなく
靴を履いていないといけない理由は?

これわからない人はまさかいないでしょうが。              脱出の際に裸足やスリッパでは逃げられないからです。

まずスリッパ

日系エアラインでは、搭乗したらすぐに靴を脱いで            スリッパになってしまう人が多いですが


旅慣れた良い子のおやくそく。

日系エアラインはこの辺超ルーズですが、安全にめっぽううるさい
外資系エアラインでは、裸足やスリッパでの離着陸は           禁止されてる会社が多いです。

客室乗務員の離着陸前の安全確認で靴を履くように注意されますので、
素直に従って靴を履きましょう。

って言ったら、
「逃げる時になったら急いで靴を履くから」
って言った人がいました。

これぞ
「馬鹿なの?死ぬの?」
ですね。

そんなパニック状態で、悠長に靴が履けるって思うなんて甘い。
人間焦ったら、パーカーのファスナーですら手がうまく動かせず      すんなり開け閉めできない情けないものなのです。

「靴なんかすぐに履ける」なんて、自分の能力を過信しすぎ。

それに
離着陸時に靴脱いじゃってるような超間抜けな人が            もたもたすることによって、
例えば通路側で靴なんか悠長に履いてたら
窓側の客の脱出を妨げることになるのだ。

靴を履こうとしゃがんだ瞬間にパニックになった他の客に
突き飛ばされますよ。

そもそも
事故の衝撃で機内はぐちゃぐちゃになるので
多分散乱した何かの中に紛れてて靴なんかどっかいっちゃいます。
従って優雅に靴なんか探せません。

そこら辺にある適当な靴を履いて逃げる?

あなたダイハード見なかったんですか?

あの映画ではブルースウィルスが裸足でテロリストと戦う訳ですが
「靴があってもサイズが合わない」ってシーンあったよね。
あれよあれ。

靴はあっても自分に合う靴はそうそう都合よく
目の前に転がってこないんですよ。

なんだか都合がいい展開になるはずの映画ですら
靴のサイズは合わなかったんだから、
現実の事故で「靴がない、あー誰かの靴がある、」で
その靴を履いて逃げることができるなんて考える方がおかしい。

ごちゃごちゃ言ってないで離陸着陸時なんて長くて30分。
素直に靴を履きましょう。飛行機が停止するまで
いじましくスリッパや裸足に執着する必要もない訳だし。

もう大人なんだから
その辺は賢くいてください。


同様に、ハイヒール、サンダル、かかとのない靴や足をホールドしない靴は
足に怪我をするので安全に脱出するのに適してません。

何故ならスリッパと同じで脱出の際に靴が適切でないと足を怪我して
逃げられなくなるから。

サンダルやスリッパみたいなのは最悪なのですよ。

そんなもの履いて脱出しようもんなら多分後ろから来た人に踏まれて、
転んだりする危険度が上がる。

ほらサンダルやスリッパの後ろを踏まれると
’つんのめる’
じゃないか。

最悪転んだら最後、パニックになってる他の乗客に踏みつけられて
それで死ぬかも。
脱出する前に踏まれて死ぬって間抜けですね。

それに踏まれて転ばなかったとしても、サンダル、ビーサン、スリッパでは
事故で散らばったガラスや部品、他の客の荷物など、散乱してる状態の
ぐちゃぐちゃな上を歩いたら、あっという間に足を怪我するでしょうな。

サンダル履いてる時に足踏まれたら痛いよね。

足を怪我したら逃げられなくなるってのは、ちょっと考えたらわかること。

そして搭乗に適さない靴ナンバーワンがハイヒール

まずこれ脱出の際に
「ハイヒールは脱いで」
英語なら
No High heel shoes!

って言われます。

理由は
脱出用のすべり台にヒールで穴を開けたらそのスライドが使えなくなるし、
何より、あの不安定な滑り台を滑って、着地し、走り抜けるという動作に
ハイヒールは全く適さないですね。

足捻挫して、これまた動けなくなって、後ろから来た人に突き飛ばされて
踏みつけられるのが関の山。

ハイヒールは踏みつけるのには適してるかもしれませんが
踏みつけられるのはごめんだと思うので、
飛行機に乗る時はよく考えて靴を選びましょう。

さて次。これも常識問題
どころかサービス問題ですね。

問4
夜間の離着陸時に機内の客室照明が暗くなる理由は?

暗視順応させるためです。事故で機内の電源が喪失したら
いきなり真っ暗になります。目が慣れるまで何も見えない
という状況を避けるためです。

なので明るいまま離着陸する会社は安全を舐めてますね。

人間の目はそんなに便利に出来ていませんので。


まさかこれ答えられなかった人なんかいませんよね?

ではどんどん初心者質問を解説します。
次も乗り慣れた皆さんには超簡単すぎましたね。

問5
離着陸時に荷物を適切な場所に収納したり、     テーブルや窓の日よけ、リクライニングと足置きを  元の位置に戻したりするのはなぜでしょう?


「魔の11分」離陸3分着陸8分
この間が飛行機事故は一番起こりやすい。

ズバリ簡単に言うと一連の元に戻すというルールは事故が起こった際に   脱出することを想定し、スムーズに乗客が安全に機外へ脱出させるための  ルールなのである。

なぜ離着陸時に荷物は上の棚
もしくは前の座席の下に仕舞うのか?

離着陸時に荷物を膝の上に抱えていることは駄目で
足元や通路に無造作に置くことも駄目なのは何故か


脱出の妨げになるから。


そして上の棚や前の座席の下に置くのも
なるべく荷物が散乱しないようにという事から
そう決められている。

なぜ自分の座席の下ではなく「前の」座席の下なのか。
それは自分の座席の下に救命胴衣がセットされてるから。

よく自分のふくらはぎの裏と座席の間に
アタッシュケースみたいなのを
挟んでる人いるけどあれもダメ。
とにかく荷物は前の座席の下なのである。
(ビジネスやファーストはシート形状でルールは異なる)

なぜ離着陸時にテーブルとリクライニングを元の位置に戻すのか。
これも脱出を想定すると、邪魔だから、
席から立ち上がり非常口までたどり着くのに、
座席をリクライニングしてたりテーブルが出てたら、それが障害物となり
脱出が遅れるからである。

フットレストなんか蹴躓いて怪我しますんで、
着陸時は指示のアナウンスがあった時点で
ちゃんと元の位置に戻しましょう。

なぜ離着陸時に窓の日よけ(シェード)をオープンするのか。


これも脱出するときに外の状況がどうなってるか
判断する材料になるからです。
窓の日よけ(シェード)が閉まっていたら外の様子が見えない。
だから開けて離着陸するのです。


事故ってから、脱出しなきゃならん時になってから
日よけ(シェード)なんか悠長にあけてる暇なんかありません。

瞬時の判断が生死をわけるのです。

窓の外を見て火がついてたらそっちのドアからは逃げたら危険でしょ、
滑走路を外れて海に落ちてたら?窓の外を見ないと、
どんなところに墜落したのか、オーバーランしたのかわかりません。

窓から外を見るのは脱出の際の判断や決断をする上での
大事な情報源なのだよ。

それを閉じてしまうことは非常に怖いことなのです。

さて次に参ります。
ここまでは簡単なサービス問題

問6
救命胴衣の位置、自分が脱出する非常口の位置
はどうやって知る?

救命胴衣
各社あまりにバラエティーに富んだビジネスクラスやファーストクラスの
いろんなシートを設置してるので
一回一回搭乗時にライフベストの位置を事前に確認してないと
いざパニックになったらもうわけわからないと思うんで
必ず手で触って目視と指差し確認しておきましょう。

確認三秒、怪我一生
怪我ならまだいいけど
溺れ死にたくないですからね。

救命胴衣の設置場所はセフィティービデオをよく見てると出てきます。


救命胴衣の他に席に着いたら位置を確認する必要があるのが非常口です。

人は乗ってきたところから逃げようとする習性があるんだとか、
なので、飛行機の前方、そう、搭乗してきたドアからしか脱出できないと思い込んで、とにかく前方ドアに人が殺到するであろうことが予測されます。

これの人のパニックの際の習性をちゃんと知った上で、
自分の席に近い脱出口は三ヶ所くらい指差し確認しておきましょう。

特に後方のドアの位置は覚えておいて損はない。一度確認していると
咄嗟の際に目につく効果があります。

一ヶ所じゃ何故不充分か?それは事故の際に飛行機はどういう位置で    緊急停止するか全くわからないから。

過去の事故機も着陸進入してきた方向から回転し
滑走路で最終的に停止できたのは逆向きになった状態だったりします。
車がスピンした事故現場みたいなものですね。

だから、その時になってみないと使えるドアが何処なのかわからないのだ。 機材の右側から脱出出来るのか左側しか開かないのか、はたまた機首のみ既に海中落下などの状況が起こりうるから。    

この場合は非常口がせっかくいろいろあるんだから

「好きなとこ選べる〜」

とポジティブに思って、脱出に適切なドアから
すたこらさっさと逃げましょう。


ここまでが初心者コースの基礎問題。

基礎中の基礎問題ですので日頃「乗り慣れ」自慢をするような
皆様には簡単すぎました。

もちろん1問も間違えずにここまで読み進めたはずですね。

よくできました。


さてここから先は中級者コースです。
英語の得意なあなたにぜひ答えてもらいたい問題です。
(JALかANAかにしか乗らないって人には関係ない話ですが。)

問2
以下の単語を英語でなんというか
今ここですぐに頭に浮かびますか?

「脱出」
「着水」
「脱出用滑り台」
「救命胴衣」

外資系エアラインでは
緊急時親切に日本語での脱出指示は
一切ありませんので。


「脱出時に覚えておくべき英単語」です。

まず答えから

「脱出」 evacuate

「着水」 ditching

「脱出用滑り台」evacuation slide

「救命胴衣」lifevest


何を言われてるのか全くわからないと恐怖も増します。
どうすべきか指示がわかるというのは状況が想像できてこそ。

なのでまずは英語で重要単語だけピックアップ解説します。

だって、そんな緊急時にいろんな単語を覚えても思い出せないでしょ?


という訳で
今回覚えるべき単語は2つだけ!なんとたったの2つです。
知ってるのと知らないのとでは大違い。

脱出時に覚えておきたい英単1個目
evacuate/evacuation


もっとも大事な言葉は

「えばきゅえーと/えばきゅえーしょん」です。
エマージェンシー用語では「脱出せよ」という命令ですが
これ軍隊で「撤退しろ」ってのがもともとの言葉ですね。

で、飛行機の中で一番偉いのは機長。墜落した際に機長が生きていれば
機長の判断で「脱出せよ」「evacuate」とアナウンスが流れるわけですが、
飛行機が損傷してアナウンスシステムが使えない場合は        EVACアラームが鳴ります。
ぴーぴーぴーぴーぴーぴーって連続した音なので
この音がなってたら一刻も早く機外へ逃げろ
それこそ「撤退!」命令なので一目散に逃げましょう。

ここでも乗務員がパニクって使い物にならず、指示も出してくれない場合
言葉がわからない場合一体どうすればいいか不明な場合は
このEVACアラームが鳴っているかも自身の判断基準に使えます。

脱出時に覚えておきたい英単語2個目
ditching

例えばいきなり「でぃっちんぐー」って叫ばれたら
それが何を意味するかわかるでしょうか?

ディッチング(ditching)とは
飛行機を水上に不時着させることです。

landing on the water

とは言ってもらえませんので
「でぃっちんぐって何?」と思って状況を把握するのは
飛行機が浸水してからかもしれません。


なので、乗務員が日本語なら「着水」
英語でなら「ditching」と叫んだら
すぐさまやることはLife vest (救命胴衣)の装着です。

ここでまともに訓練を受けた使える乗務員なら
「ditching」と叫んだ後に条件反射で
救命胴衣の装着手順をそのエアラインの公用語と英語二ヶ国語で
説明しながら乗務員も自ら救命胴衣を着ると思うんだが、

乗務員がパニックになって使い物にならん場合
救命胴衣の事まで頭も回らないことが予測されるため
とにかく「ditching」と聞こえたら、説明がなくても
エコノミーなら自分の座席の下、ビジネスクラス、ファーストクラスなら  その席依存の場所にある救命胴衣(ライフベスト)を取り出します。

画像1

事前に救命胴衣の位置を確認してるでしょうから
そこのいちに手を伸ばして救命胴衣を取り出し、
頭からすっぽり被って、ウェストのところで留め具をかけます。
でもここでは絶対膨らませないこと(←ここ重要)

ここで救命胴衣に空気を入れてしまったら、
膨らんだ救命胴衣が邪魔で脱出口までいけません。
足元も見えないし危険です。膨らませるのはあくまでも
救命ボート(ラフト)に乗りうつる時です。

機内で絶対に膨らませてはいけません。


えばきゅえーと、とでぃっちんぐを覚えたら
もう怖いものはありません。
あなたも出来る飛行機からの脱出にまた一歩近付きました。
さあ、上級者コースに進みましょう。


問1
A320/B737の非常口座席は足元が広い良い席。
緊急脱出の際は援助することに同意し
席をアサインしてもらいました。

ところがなんとタキシング中に機内に煙が発生し、突如
脱出しないといけなくなります。

近くに客室乗務員の姿は見えない。パニックになった機内。どうすればいいかの指示もこない。

脱出の判断は自分でしないといけないようです。
さあどうする?


最初の問1は上級者コースの問題。

「非常口座席が足元が広いから」
なんて理由で選んで乗ってるあなた。
さぞ飛行機に乗り慣れてることでしょう。

チェックインの際に
「非常口座席にお座りの場合は緊急脱出の援助をお願いします。」
なんて言われて
「おっけーおっけー任しとけ」とか
まさか雑に思ってないですよね。

非常口座席に座るなら今から説明することは
全部覚えて知識として身につけてください。
飛行機に頻繁に乗ってて慣れてるあなたこそが
この席に座るにふさわしい旅客です。

もし乗務員が役立たずで自分がドアを開けなければならなくなったら?を
できるだけわかりやすく書きます。

ただドアを開けていいわけではない
開けてしまったが為に死んでしまうこともあるので
ドアを開けるのは判断がとても難しいのです。

知っておかねばならないことは
運悪く自分でドアを開けないとならなくなった場合の
最低限の手順です。

なので一般的な旅客が非常口ドアを自分の判断で
開けなければならない可能性の一番高い機材の
シチュエーションで考えました。

A320/B737は非常に多くのエアラインが所有し世界中飛んでいる機材。

この機体中央(翼上)に「窓型タイプの脱出口」がある機材
非常口座席に乗ってることを想定して書きますね。

なぜこのタイプの非常口の開け方を取り上げるかは
ちゃんとした理由があります。

ここ非常口座席にもかかわらず客室乗務員が座ってないんです。
機首と後尾にしか客室乗務員が座ってないのでここが一番遠いんです。
要はなんかあったら指示してくれる人がいないのだ。


窓型タイプの脱出口のある非常口に座ってしまった場合
覚えておくべき英単語2つ頭に入ってますでしょうか?

「でぃっちんぐ」と「えばきゅえーしょん」です。

ここでドアの開け方を説明する前に飛行機のドア(脱出口)には
緊急脱出用の滑り台兼救命ボートが仕込まれているという事を
知っておかねばなりません。

セーフティビデオでも説明してますが緊急脱出用のスライド(滑り台)   というのはディッチング(着水)の際は救命ボートにもなる2way形状の  ものが多いです。多いですって書いたのはわざとよ。
全部じゃないの。

そう、このA320だのB737だのは窓型脱出口には脱出用スライドも
ラフトも無いんです。窓が外れるだけ。

画像2


よっこらしょと窓枠よじ登って
このように

画像3


翼上を伝って降りるという超めんどうな脱出口なのだ。

飛行機ってドアの位置する条件で救命ボートにもなるスライド(滑り台)か
それとも簡易EXITとなるか決まります。

ドアによってスライド/ラフトが設置されてないところがあるんですね。
それが翼の中央の脱出口。

画像4


乗務員が近くに座ってないLCCなんかでは足元広いシート
として売られてるあの席です。

非常用の脱出口って、訓練を受けてない人がそうそう簡単に        勝手に開けちゃダメなのです。 

                                   ドアの場所によっては救命ボートにはならない脱出用スライド(滑り台)  もあるという、ざっくりとした基礎知識が持てた頭いい人は、       なぜ「でぃっちんぐ」という状況を早く把握することが
大事なのか?はもうわかったと思います。

滑走路を滑ってそのまま海中にドボンしちゃった場合
条件が整わないと開けられないEXITがあることを知らないと
大変なことになるからです。

日本の空でも沢山飛んでるB737やA320。

B737のシートマップ

画像5

この図をご覧いただければ窓型脱出口が
どの辺りにあるのかわかりやすいと思います。


さっきも書いた通り機体中央の非常口座席等には、乗務員が近くに     座ってないので、勘違いした正義感あふれる意識高い人が
援助を了承して座ったがために、勢いで開けてしまう場合があるかもしれず。

そしてそんなパニックの際には乗務員は機体真ん中までやってくることは  あり得ないでしょう。てか、混乱状態でそこまで到達できない。

その時、外の状況を見て、適切ではない(着水してる等)のに
誰かが勝手に開けようとする場合はそいつを羽交い締めにしてでも
非常口を開けるのを止めないといけません。

さあここで、
窓型脱出口を外す際のジャッジメントっていう
重要な儀式が出てきます。

自分は機体中央の非常口座席に座ってるけど、
乗務員は前と後ろにしかいない。
判断は自分でしないといけない。
脱出OKのEVAC警報は鳴り響いている。
さあどうする。

まずは前か後ろに逃げましょう。

画像6

え?開けないの?と思った方
そりゃそうです、
素人が触らないほうがいいに決まってます。
それにさっきも言った通り窓型脱出口はうまく出られたとしても
そのあと何も無いので
このように

画像7

翼を伝って下に降りないといけない結構難関な仕様です。
それこそスリッパだのサンダルだのヒールだのでは無理です。

で、前も後ろもパニックでもう出られん、煙も迫ってきてて
万事休すってなったらまずは窓の外を確認して頂戴、

すぐに窓型 EXITをはあけてはいけません。

まず窓から外を確認します。確認することはこの4つ

水位
ディッチングだったら、浸水度合いを見ます。
ドアをオープンできる水位か

スペースがあるか
EXITの外のスペースがあるか見ます。
例えば翼が折れて機体のほうに干渉してる場合などは
脱出口のドアは開けられないし
フェンスや壁に衝突してドアを開けても
脱出する隙間がなかったりしたら
その脱出口は使えないからね。
人が出られるスペースがあるかを確認して
開けることは大事なのです。

火災はないか
次は火災が起きてないか?
むやみに開けたら
火が機内へ入ってくるかもしれません。
火の中を華麗にスルーして脱出するのは
プリンセステンコーに任せて、
他のEXITへ逃げましょう。

燃料は漏れてないか
そして次に燃料が漏洩してないか見ます。
燃料が漏れてたら
そこに引火爆発する危険があるので
脱出経路としては不適切です。
翼は燃料タンクも兼ねているので
漏れた燃料に引火して爆発するかもしれません。
これもEXITを開けてはいけない状況です。


この4項目の確認が出来てはじめてEXITを開けてもいいのです。
窓型タイプの脱出口の開け方は座席の前にある
セフティーインストラクションという
安全のしおりみたいなのに書いてあるんで
非常口座席に座った場合は熟読しましょう。

画像8


なので、このA320/B737等の飛行機だといくらちょっとだけ
他の席より足元が広いといっても非常口座席って面倒すぎって思うので
客だったらあんまり座りたくないなと訓練を受けた私ですらおもうのでした。
機体の真ん中の非常口座席はどの非常口からも実は最も遠いので。
逃げるの一番最後になっちゃうのよね。

そしてこのエリアには客室乗務員もいないので
万が一の際に自分が脱出口を開けなきゃいけないんだ
っておもうと気が滅入ります。壁からこの特殊な窓型ドアを外すのは
今の私の力では無理だし。
ちなみに私がオールエコの時に座るのは最後尾列です。
ファーストがあるときは2列目。

なぜ2列目か。
航空ヲタはアホ1と言って1列目に座りたがりますが、
1列目ってズバリとても危険なのよね。


ギャレイ(飛行機のキッチンみたいなところ)に
機内食を配る重たい鉄のカートが設置されていて
事故の時や、乱気流の際に、乗客がこのカートが吹っ飛んできて
怪我をする例が後を絶たず。

一番前の席は足元も広いし、前の席も倒れてこないみたいな
いい席感覚がありますが、ギャレイが近ければ
とても危険な席でもあるので
その辺も覚えておいて損はないでしょう。


参考にしてね。

画像9


ANA
緊急脱出時の援助内容について|ANA

一部抜粋すると

・乗務員の指示に従い、
機外が安全であることを確認して
非常口を操作し開放すること

とちゃんと書いてあります。
要するに万が一の場合は乗客も非常口を開放する
可能性があるから開けてねって事です。
で、機外が安全であるか確認しろって
ちゃんとウェブには注意書きに書いてますんで
具体的に確認すべきことは

この4つ

1:着水してないか、水位は?
2:(スライドが開く、もしくは人が出られる)スペースはあるか?
3:外で火災は発生してないか?
4:燃料は漏れてないか?

を確認して開けるのですぞ。


さて、
上記の想定は「近くに客室乗務員がいない非常口」のお話でしたが、
国際線の大型機材の場合は非常口座席はお見合い席と呼ばれてるほど
客室乗務員が目の前に座ってます。こういう場合脱出案件になったら
非常口座席の人が頼まれることはスライド(滑り台)での援助です。

脱出スライドが膨らんだ後、他のお客様を速やかに脱出させること
ってちゃんと書いてあります。

あの脱出用滑り台のことを航空会社ではスライドって呼んでます。
シューターはテレビのみが勝手に使う架空の言葉なので
きちんと
脱出用スライド
という言い方を覚えてください

テレビって本当ろくなこと言わないなと思います。
航空会社では安全ビデオですらシューターとは言ってません。
(そもそもシューターって何?)

正確には脱出用スライドなのです。救命ボートと兼用になってるものは
「スライド/ラフト」と呼びます。

実際外資系の英語しかないセーフティビデオでは「Slide」と表現しておりますので言葉は正しく覚えること。

なるべく怪我をしないで脱出用スライドを滑る方法について        まずは説明しますが今日をきっかけにシューターではなくスライドと
いますぐ知識を上書きしてくださいね。

それでは安全に脱出用スライドを滑るには何が大事かを書いていきます。

《滑る時の姿勢》
寝て滑ればスピードが出るので
とにかく前傾になるくらいの姿勢を意識してすべる。


プールのウォータースライダーや冬季オリンピックで寝っ転がった姿勢で
もうスピードを出すソリの競技があるけどあの原理を思い出してください。

要は抵抗が少なければ滑るスピードは上がり抵抗が多ければ滑るスピードは落ちます。ですので、上体を起こして滑るのです。

具体的にはこの姿勢で滑ってください。

画像10

今貼った画像はとてもわかりやすい動画があったので該当部分を切り出したものですが。
私が言葉で説明するよりANAのセーフティビデオを見た方が早いわ
スライドの滑り方、立ち上がり方、走り抜け方が
全部映像で説明してある素晴らしい出来のビデオになっております。

ANAの安全ビデオは2015年2月から制服改定をきっかけに
新バージョンになって、スライドでの脱出姿勢が
非常にわかりやすく映像化されております。

画像11


youtubeにあるこの安全ビデオが参考になります。

ANA 非常用設備案内ビデオ / ANA Safety Demonstration Video


2分58秒からご覧ください。

これでもよくわからない人は公園の滑り台で自分で滑って実験してみるべし

仰向けに寝た状態で滑り台をすべるのと上体をおこして「 コ 」の形に近い状態で滑るのとでは滑るスピードが変わります。

スライドを滑る時の怪我は大体加速がつきすぎてスライドの最後の部分で勢い余って転んだりするのが原因です。

なのでスピードが出過ぎないように上体を起こす。
もっと言えば足を揃えてぴったりとくっつけると
速さは増しますが、足を少し開けば抵抗が大きくなるので
足を肩幅に開くのもスピードを緩める事が出来るテクニックです。

ブリティッシュエアなんかの安全ビデオではスライドを滑る時の腕の位置は
胸の前でばってんにしてますがANAは腕を前に伸ばしてと
「コ」の字型になって滑るように指導してます。

私はANA方式を推します。

理由は胸の前で手をばってんにするとスライドを滑って降りた際に
手が使えず、バランスを崩して転ぶだろうから。

着地の際スライドが終わる部分で走り抜けるのが正しいので、
冗談抜きで公園の滑り台でイメトレするのが一番いいとおもいます。

《スライドの降り方》
どっこいしょと立ち上がらず滑るスピードを使って、勢いで走り抜けること。

ANAの安全ビデオ内でも3分10秒あたりで説明されているように。
滑ったら止まらないでそのまま走り抜けるのです。

公園の滑り台も最後に滑るに任せて何もしなければ
ドテっと尻餅をついて着地しちゃうでしょ。

普通はそうなると痛いから滑り台の終わり部分で
足をついて立ち上がるよね?

そして後ろから人が来てたらぶつけられるので
滑り台からすぐ離れるでしょ。
あれです。

ほんとスライドを滑る練習したい人は今すぐ公園に行って滑り台で練習してくるのがいいでしょう。
(不審者に思われると困るので、子供に一緒に行ってもらうとか工夫は必要でしょうが)

《脱出口からスライドを見たら?》

トルコ航空のセーフティビデオが
他のエアラインに無い視点でカメラを設置し
滑る感覚がわかりやすく説明されてますので
これは、どんな感じに見えるのかを知る上では
参考になります。

画像12

ターキッシュエアラインの安全ビデオはyoutubeで見ることができます。


3分33秒あたりをご覧ください。
Turkish Airlines Safety Demo


さて、ここまで読んだ方々は
もう離陸前にスリッパに履き替える気もとっくに失せているでしょうし
ハイヒールやサンダルで飛行機乗るのはやめようくらいは思い始めたかなと?

服装だって、いままで着てたものでは
スライド滑れないし、翼上を歩けないかもと
考えてるんじゃないでしょうか?

旅慣れた人は体を締め付けないマキシワンピにかわいいサンダルで搭乗しますとか口が裂けても言えない気持ちになってない?

足を露出した短パンとビーサンでサングラスして
乗り馴れた俺様を演出する気になる?

今まで書いてきたことを読んだらこれらが搭乗に適していない服装と靴だということがきっとわかると思います。

ドレスコード云々ではなく安全のためにね。

ここまで読めばさすがに怪我しないように脱出スライドを滑るには
どんなものが適切なのか、実感としてわかってき来たとおもいます。

スライドを滑る際に、走り抜けるにはどんな靴が適切なのか。

どんな服装で乗るべきなのか。

考えればおのずと答えは出ますね。

夏だからといって飛行機にハーフパンツで毛むくじゃらの足を露出して乗ってくる男性諸氏を見てると、ドレスコードの点も褒められたもんじゃないけど
安全面でもなーんも考えてないんだなとちょっと思ったりするのでした。

こういう人たちって靴も怪我をしやすいサンダルやビーサンなのよねー。

そして搭乗後すぐにスリッパに履き替えちゃうでしょ。ダメですよ。


最後にやはり重要なのはパスポートはズボン等のポケットに入れて身につけておくということ。


それはなぜか?

脱出の際に荷物からパスポートを取り出す暇はないので
とにかく搭乗中は常時身につけてます。

なんかあった時にパスポートがあれば
海外では自分が誰だか証明できるので。事故に遭遇して脱出した時こそ   パスポートが無いと色々不便ですから。



具体的な事故を例に出すとラスベガスでBAのB777型機の火災事故


この事故の模様を撮影した動画 00:39あたりを見ると客室内の窓から
黒煙を上げながらエンジンに火がつく恐ろしい場面が見られます。

これは2015年ラスベガスの空港で出発しようとしていた
ブリティッシュエアウェイズのボーイング777がエンジンから出火し
滑走路上で搭乗者全員が緊急脱出した事故ですが
脱出の際多くの馬鹿者が上の棚から巨大なピギーバッグを
引っ張り出し、それを持って脱出したことが
とても危険だと専門家から指摘されてます。

あれ、ニュースでは
「命と洗面道具どっちが大事なんだ?」と
突っ込まれてましたが。

ほんと荷物持ってスライド滑ろうなどという馬鹿な考えはやめましょう。

自分も怪我をするし、周りにも怪我をさせてしまいます。


航空会社はこういう事故があって荷物燃えちゃったとかなら、
あなたの持ってるバッグよりもっといいバッグが買えるお見舞金を
出してくれるはず。
その辺はキッチリ無事に怪我なく脱出してお金をちゃんと貰えばいい話

こういう緊急脱出の場面でなんで荷物を持って脱出したくなるのか?    答えは簡単です。貴重品を身につけてないからですね。

荷物の中に貴重品やらパスポートやらを入れちゃってると         取り出す時間もないし、

「だったら荷物持って脱出しよう」

って短絡的に思うんだろうけど愚かすぎます。


                                   これって最初から貴重品を身につけていれば、脱出の際に荷物を取り出そうとか、愚かなことは思いつかないので、その辺は頭を使いましょうねと思うのでした。

                         

自分の安全を確保することは、自然に周りを助けることにも繋がります。  これを参考にみなさんが楽しく飛行機に乗って旅ができますように。


有料版でこんな記事も書いてます。

ファーストクラスは安全か?


防犯の意味での安全がテーマ


ホテル利用に関するトラブル交渉法



飛行機に乗る前のセキュリティチェックの受け方。

ロスバゲしたくない人必見


この記事が
「面白かった」
「無料じゃ勿体ない」
「役に立ったよ」
って思ってくださった方
「クリエイターをサポート」機能を使い
 投げ銭できますのでよろしく!



いつもサポートありがとうございます。いただいたサポートは執筆に必要な取材費用として使用致します。