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〈無料〉 あなたも出来る飛行機からの脱出 『なぜ荷物を膝の上に抱えて離着陸してはいけないの?』

この記事は飛行機の安全に関することなので全文無料です。

飛行機搭乗に関する間違った安全知識が蔓延することを防ぎたいので「なぜ航空機の離着陸時に乗客は荷物の収納を徹底しないといけないのか?」をわかりやすく説明することにしました。

何故そうするのか理由がわかった方が「きまり」は守りやすいですからね。


正しい安全知識が広がると、事故の時の生存率も上がります、命を大切にするためにこの記事の拡散にご協力いただけたら幸いです。



『なぜ荷物を膝の上に抱えて離着陸してはいけないの?』

の答えを先に言うと

「離着陸時に荷物を収納してないと逃げられず怪我するか、最悪死ぬから」



もうちょっと親切に言うと

離着陸時脱出の妨げにならない場所に荷物をあらかじめ収納をしておかないと、自分だけでなく周りの乗客が荷物のせいでスムーズに逃げられず、逃げ遅れて怪我をしたり、命を落とす危険があるから

ってこと。

生死に関わる話になってくると、「バッグを床に置きたくない」なんてわがまま言って、他の客に危険を与えるような悪い乗客は客室から追放した方が良い感じになってきますね。

隣に愚か者が座ってたせいで怪我をさせられたり、最悪死んでしまったら?腹立つどころの騒ぎではなくなります。まさに死んでも死にきれない。





安全に関することは客にとっては全てウザい

「なぜ離着陸時は荷物を膝の上に抱えててはいけないのか?」

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この理由がよくわからず、客室乗務員に荷物を前の座席の下や上の棚に入れるように注意されると、反抗的な気持ちになるのはよくわかります。

本音を言うとだね、専門的な訓練を受け、知識もあるわたしでもこの離着陸時の荷物の収納はウザいっておもう。「ち、うるせーなー」って心の中つぶやく。

でもフライトって安全あってのもの、命あってのものなので、面倒ではあるけど「まあそうだよね」って理由がわかってるから、素直に従っています。

なので皆さんのように「そうしないといけない理由がよくわからない」一般の旅客が、素直にCAの言うことを聞けない心理になるのはめちゃめちゃ理解できます。

航空機の安全に関するきまりごとは「サービスではなく命令」なのでそれを伝える時に笑顔で言うとかはありえません。CAの表情もドリンク渡してくれる時より険しいし、「さっきまでシモベのような態度だったのに、なんでいきなり塩対応になってそんなこと言うの?偉そうに」って思う気持ちもわかるんです。

安全確認を真剣にやってる正しい客室乗務員は、客から見たら怖い顔してますからね。

でもつべこべ言わず従ってください。これは命令です。




安全に関してのルールは「お願い」ではなく「命令」

まず大前提を共有しましょう。

客室乗務員が離着陸時の安全確認で荷物の収納をチェックして回ってくるとき、荷物を前の座席の下か上の棚に収納するように言われるのって、あれ絶対命令です。「ご協力のお願い」とかゆるい話ではありません。

航空機を安全に運行させるために乗客が守らないといけない「安全に関するきまり」は絶対です。従わないと最悪あなたは強制的に降機させられる可能性もあります。保安要員はその権限を持っています。

安全に関するきまりに従わない客は、従わなかった時点で客ではなく他の乗客の安全を阻害する「悪い人」になります。保安要員はその権限を行使し、他の旅客の安全を脅かす悪い人間は取り除かないといけません。乗客の安全を守るのが客室乗務員の本来の役目です。




魔の11分を知ろう

離着陸時に荷物を収納したり、背もたれテーブル足置きをもとの位置に戻したり、窓の日除けをあけたりと細かいことがなんで定められているのか?

さあ、ここが理解できると「なるほどね」と思ってCAのうざい「命令」にも素直に従えるようになりますので、詳しく解説します。

まず航空機の事故って離着陸時に起こることが圧倒的に多いのです。

この離陸3分、着陸8分を「クリティカルイレブンミニッツ(魔の11分)」と呼んで保安要員は乗客の生命と安全を守るために訓練をしており、実際のフライトでは何かあった時に速やかに乗客を飛行機外へ脱出させるための準備をします。

最近の飛行機は安全で滅多に墜落するような事故はおきません、しかし細かいところでは「危ない」と思ったら機長が判断して、念のためであっても乗客を脱出させます。なので乗客の安全を確保するために「全員機外へ脱出せよ」と命令がくだることもあります。

火が出たかも

煙が出てる

客室内に異臭

こういうことでも安全のために躊躇わず乗客を脱出させますので、事故には遭わずとも航空機の脱出を経験することは「充分にありえる」とおもっておいてください。

そしてこの時に定められているのが「90秒脱出」です。

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90秒で脱出せよ

保安要員である客室乗務員は「脱出せよ」の命令がくだったら、即座に乗客を90秒で機外へ脱出させる訓練をしています。

ただし、この90秒脱出を達成する為には乗客の協力が必要ですし、脱出がうまく行くようにそれ相応の準備が必要です。

そこで離陸と着陸前に行われる安全確認が大切になってきます。

「全員の荷物を適切な場所へ収納し、座席の背もたれとテーブルと足置きを元の位置に戻し、シートベルトを締め、窓の日除けをあける」

これらの準備は90秒で脱出するのに妨げになるものを取り除くためにやっていることなのです。

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荷物を膝の上に抱えていてはいけないのは、脱出の際に荷物を持って逃げられないので、抱えてる荷物をどうしようか迷ってる間に逃げ遅れる危険があるからです。

もう一度言います。大事なことなので何度でも言います

何百人も脱出するのに時間は90秒しかないのです。

荷物の収納命令に従わず、抱えていたバッグをでたらめに置いたせいで他の人が躓いて転んで将棋倒しになり、そのせいで脱出ができず大勢の人が命を落とすかもしれません。

奥の席の人が通路側の席の人の荷物で出られなくなるかも知れません。

実際、不届きものが荷物を持って逃げようとして、モタモタしたせいで後方の乗客が脱出できず亡くなってしまった事故もあります。

非常口座席に座ってなくたって、荷物を抱えて離着陸するなんてことは、周りの乗客を地獄へ道連れにする危険がある言語道断な行為です。「荷物を床に置きたくない」ってごねた人のせいで死んでしまう人が出るかもしれません。

それに、交通事故でも検証されていますが、抱えてるバッグ等は事故の時はどこかに飛んでいきます。バッグを抱えてる本人が怪我をするのなら自業自得ですが。膝の上に抱えてて事故のせいでどこかに飛んで行ったバッグが他の乗客に当たったら大怪我しますからね。

どんなに「しっかり持ってるから」と言ったって絶対に無理ですので。出来ないことを自分は出来るって嘘をつかないようにしましょう。

誰かが「離着陸時の安全に関するきまり」を守らないせいで、他の旅客が怪我をしたり、最悪命を落としたりする危険があるってことは、飛行機に乗るならば理解しておくべきことです。




大切な「おバッグ様」を床に置きたくない族がすべき五つの工夫

機内には「わたしの大事なおバッグ様を床に置けとは何事」って言い出す、周りの乗客を危険に晒す可能性のある不届きものがよく出現します。

床にも置けないような超絶大事なものなら自分で工夫しましょう。

どう工夫すればいいかよくわかんない人、SUZUが五つの工夫をいまから教えて差し上げるので、よく読んで次回搭乗の際に実行してください、

自分のせいで誰かを怪我させたり死なせたくないでしょ?


まず一つ目の工夫

★ エルメスの袋を持って搭乗する

参考までに画像をご覧ください。

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ニューヨークからの帰りにJALのファーストクラスに乗ったら、お隣のセレブなご婦人がクロコのケリーを持ってました。で彼女が席について最初にしたことはエルメスの純正カバーにクロコのケリーを入れて足元に置くことでした。ちょっとした乗用車より高いクロコのケリーですので、こうするのは賢いですね。クロコケリーやバーキン持ちはこの方のアイデアを是非見習いましょう。


ちなみに、エルメスのケリーもバーキンも底に鋲が打ってあるバッグなので床置きが正式です。なぜかダイニングテーブルの上やデスクの上にドカッと置く人が多いですが、下品だしマナーを知らないのがバレますので絶対にやめましょうね。紳士淑女はバッグをテーブルの上に置いてはいけません。知らなかった人はいま覚えましょう。



二つ目の工夫

★ ショッピングバッグを活用

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バッグを床に置くのが嫌だ族の皆さんは、是非バッグの中にショッピングバッグ(エコバッグ)を入れておくのです。機内ではこうして大事なバッグを包んでおけば良いのです。頭使いましょう。


三つ目の工夫

★ JALの国内線に乗って「おもてなし袋」をゲット

JALの国内線で配られている手荷物収納袋

これを搭乗前にゲットしてバッグを入れて前の座席の下、または上の棚に収納しましょう。

自由に取っていいので手に入れたらその後は捨てずにANAで使う、国際線で使うとか工夫しましょう。


工夫四つ目

★ JALの国内線ファーストクラスに乗る

JAL国内線でファーストクラスに乗ってケリーだのバーキンだのを床に直に置いていると客室乗務員がこの「おもてなし袋」を持って飛んできます。

で、頼んでないのに床に這いつくばって「おバッグ様」を過剰におもてなししてくれます。

わたしのエルメスは実用品ゆえ「おバッグ様」扱いは断ってるのですが、JALの国内線ファーストクラスでは、別にケリーやバーキンでなくても(安そうなバッグでも)「おバッグ様」として手厚いおもてなしをしてもらえますので、覚えておいて損はないでしょう。

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参考画像(エルメスでなくてもおもてなし袋を敷いておもてなししてもらってる誰かのおバッグ様)



五つ目の工夫

★ 床に置きたくないバッグで飛行機に乗らない

そんな大事なバッグなら危ないので家に置いてきましょう。

飛行機はいつ脱出させられるかわかりません。床に置くとか置かないとかではなく燃えてなくなるかも知れません。

心配なら100均で売ってる紙袋を持って乗れば、きっと心の平穏が保てますので参考になさってね。


皆様のフライトが安全で快適で楽しいものになりますように。


この記事を読んでくださった皆様にお願いがあります。

飛行機の安全運航のためにどうか皆様のお力をお貸しください。


飛行機の安全に関することは正しい知識をなるべく多くの人たちが共有することで生存率が上がります。自分の命も周りの人の命も大事にしましょう。

是非ツイッターやフェイスブックその他SNSでの正しい知識の拡散にご協力いただけたら嬉しいです。

どうぞよろしくお願い申し上げます。


ーーー✂️ーーー

急な脱出の際は荷物を持って逃げられません。
国際線搭乗ではパスポートやスマホやクレカなどは肌身離さず
ポケットに入れて離着陸しましょう。

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旅行で使える荷物のパッキングの技

旅慣れは荷物が少ないって洗脳されてる人多いですけど
あれ誤解なので惑わされないでねって話を書いてます。

荷物を少なくしないといけないのって
経済的理由であって旅慣れとは全然関係ないのです。

賢い皆さんは知識は正しくアップデートしましょう。


リアル旅慣れのセキュリティチェックの心構えとか

機内にも、ファーストクラスラウンジにも泥棒がいるよって話とか

ホテルが停電になった時に助かった物とか


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