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傑作やわ(今更やけど):映画評「万引き家族」

吉本ばななさんのnoteのエッセイを読んでたら、コメント(ゲキ褒め)があって、
「ああ、観てなかったな」
と思って調べたら、primeVideoにあったので…
(って、是枝さんの作品って、「海街Diary」くらいしか観てないんだけどw)

<吉本ばなな>
https://note.mu/d_f/n/n606f1a74b1fe

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万引き家族


いやぁ、スゲえわ。
これ、傑作です!(…って今更、僕が言わなくてもw)


優しくって、寄り添ってくれるけど、本質的にはいい加減でダメな男。
…こういうのやらせると、リリー・フランキーは絶妙。
松岡茉優をはじめ、自然だけど達者な演技を見せてくれる子供たち。
「家族」を温かく見守りながら、「謎」の中心人物でもある樹木希林。

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でも、絶品なのは「安藤サクラ」。
いやぁもう、やられました。
キャラ的には実は「説明的」な部分を担う存在で、そう考えると「嘘っぽい」存在でもあるんだけど、それが「安藤サクラ」という肉体を通じて登場すると、圧倒的な存在感と説得力が…。
ほんと、スゴいっす

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「親」になるってのは、ただ優しくって、寄り添うだけじゃダメ。
「安藤サクラ」はそのことに気付く。
「リリー・フランキー」は本心からは理解できていない。(この作品で1ミリも成長しないキャラ…と是枝さんもおっしゃってます)
そりゃまあ、「教えれるのは万引きだけ」じゃあ、ねぇw。


でも「優しくて寄り添ってくれる」存在は、キツくて残酷で絶望的な状況におかれた<子ども>にとって、「光り輝く刻」を与えてくれる。
それが「嘘」の上に築き上げられたものでしかないとしても、自分を切り刻むような「現実」よりも、その「嘘」は自分の拠り所になる。


だから、「リリー・フランキー」も「安藤サクラ」も「親」になることはできないのだけど、子供たちはその名を呟く。


「お父さん」
「お母さん」


…その声は2人には届かないのだけど。


終盤は涙が何度も出てきて、頭が痛くなるくらいでした。


…願わくは「りん」が幸せを見つけることができますように。

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