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ロブスターバース、あるいはロブスター次元と呼ばれる存在の可能性と妥当性について

0.はじめに
 ニンジャスレイヤーという作品の中で、ロブスタートリロジーは異質である。数々の読者が、その異質の正体を、様々な方法で模索してる。あるものは、ナンシーの見た悪夢だと、あるものは、コトダマ空間が見せた幻想だと、あるものは、ロブスターがダイダロスだと。
 今回、私は、それらとはまた異なる方面から、ロブスターという作品について分析した結果、ロブスターバース(あるいは、ロブスター次元)と呼ばれる存在を観測することに成功した。

1.バースとは
 まず、バースという概念について、説明しなければならない。
 バースとは、マルチバース(多元宇宙)のことであり、マーベル・コミックなど採用しているシステムだ。マーベル・コミックは、1つのキャラクターが、様々な姿や時代で描かれる。そして、それらは基本的に、別の宇宙の話である。
 例えば、スパーダーマンはマーベル・コミックの作品であり、アメリカを舞台としているが、日本で制作された東映版スパーダーマンは、日本人である。スパーダーマンの舞台はアメリカということと、スパーダーマンの舞台は日本ということは、一つの作品だとすれば矛盾する設定である。
 だが、アメリカのスパイダーマンと、日本のスパイダーマンは、異なる宇宙の話なので、個別に存在する。故に、矛盾しない。
 また、「もしも○○が××だったら」という設定で、物語が分岐するものも、マルチバースと言える。
 完全に異なる世界なのか、同じ世界から分岐したのか、その差はあるが、共通する所は、「別のバースと設定が矛盾していても問題ない」ということである。これにより、歴史が長い作品でも、バースを切り替えることで、過去の設定と食い違っても問題なくなり、また、それにより、新しい作品を書くためのハードルも下がり、より多くの作品が生まれる。

2.ニンジャスレイヤーにおけるバース
 ニンジャスレイヤーにおいて、バースは、次元という言葉で表されている。

 フィメール次元は、ニンジャスレイヤーの登場人物の性別が逆になったバースであり、どうぶつ次元はニャンニャスレイヤーである。オスモウ次元は未だ謎に満ちている。
 フィメール次元も、どうぶつ次元も、ニンジャスレイヤーの本編とは設定が大きく異なる。だが、異なるバースなので、それは問題にならない。
 ここで重要なことは、ニンジャスレイヤーはマルチバースを採用しているということである。つまり、ロブスター次元が存在する可能性の第一段階は、ここでクリアされた。

3.ロブスター次元の根拠
 では、ロブスター次元とは何か?ロブスター・トリロジーが存在する、つまり、ロブスターが存在する次元である。本編において、明確に、別の次元であると宣言されていないが、しかし、本編とは異なる次元だと判断できる根拠は幾つかある。

3.1.ロブスター次元が本編と異なる次元であることの根拠1
 なぜ、ロブスター次元は本編とは別の次元なのか、その説明は、ここにある。

 これは、過去に行われたキャラクター人気投票の案内であるが、「ロブスターは無効票扱い」と明記されている。
 ロブスターといえども、本編に登場したキャラクターが無効票となるとはどういうことだと思われた方も多いだろう。
 だが、これならだろうだろうか。
 「ロブスターは、本編とは異なるロブスター次元の作品なので、本編には登場しておらず、無効票扱いになる」

3.2.ロブスター次元が本編と異なる次元であることの根拠2
 だが、こう思われたかもしれない。ロブスター次元についての説明が、ロブスター本編やタイトルに存在しないぞ、と。
 然り、ロブスター次元の存在は明言されていない。だが、それは、ニャンニャスレイヤーも同様である。

 【ニャンニャスレイニャー:ワンハンドレッド・エイト・ニャン=パンチズ】のツイッター掲載にあたって、この作品が、どうぶつ次元であることの説明は、一切ない。なぜか?自明であるからだ。
 本編を読んだことがある人なら、「ニンジャスレイヤーは元サラリマンの人間であり、猫ではない」ということは、知っている事実である。故に、説明しなくても、違う次元の話だと分かるからだ。
 では、ロブスターはどうか?同じく、ロブスターが、ロブスター次元であることの説明は、一切ない。なぜか?自明であるからだ。
 本編を読んだことがある人なら、ロブスター・トリロジーの様々な違和感に気がつく。故に、説明しなくても、違う次元の話だと分かるからだ。
 実際にそのような判断がくだされるかは読者によるが、ここで重要なことは、「次元が異なるからといって、必ずそれが作中で明言されるとは限らない」ということだ。
 つまり、「このエピソードはロブスター次元の話ですよ」などの説明が一切存在しなくても、ロブスター次元の話である可能性は、あるのだ。

4.ロブスター次元に存在するもの
 ここまで、ロブスター次元の存在が妥当であるかについて記した。ここからは、ロブスター次元がどのような次元であるか、存在するものという側面から考える。

4.1.ロブスター次元には、ロブスターが存在する
 これは明確である。ロブスター次元には、ロブスターが存在する。

4.2.ロブスター次元には、ナンシーが存在する
 ロブスター・トリロジーは、話の流れは様々だが、必ずナンシーが登場し、襲われる。つまり、ナンシーもまた、ロブスター次元において、必要不可欠な存在である。

4.3.ロブスター次元には、ニンジャスレイヤーが存在する
 ロブスター・トリロジーは、話の流れは様々だが、必ずニンジャスレイヤーが登場し、ロブスターと戦う。つまり、ニンジャスレイヤーもまた、ロブスター次元において、必要不可欠な存在である。

4.4.ロブスター次元には、ヨロシサンが存在する
 これも重要だ。ロブスターはヨロシサンで作られたバイオニンジャなので、すなわち、必ずヨロシサンは存在する。

5.ロブスター次元に存在しない可能性があるもの
 デイ・オブ・ザ・ロブスターではヤクザが登場するが、ソウカイヤなどの名前は一切出てこない。恐れているのは、ヨロシサンである。つまり、ヨロシサン以外のメガコーポが、存在しない可能性があるのだ。
 デイ・オブ・ザ・ロブスター3の西暦4643年の世界では、全てがヨロシサンに支配されている。しかし、その支配が、西暦2000年代から続いている可能性が、否定されたわけではない。その結果、何が起こるか。様々なバイオニンジャが跳梁跋扈するネオサイタマである。

6.ロブスター次元はナンシーの見た夢なのか
 ナンシーの見た夢がロブスター次元であり、ナンシーの存在が、ロブスター次元に繋がる門でありカギであると考えることもできる。

 デイ・オブ・ザ・ロブスター3では、最後にナンシーが悪夢から目覚める。しかし、その場にいたニンジャスレイヤーは、その出来事を知らなかった。つまり、本編のニンジャスレイヤーと、デイ・オブ・ザ・ロブスター3のニンジャスレイヤーは、別の次元であるから、記憶を共有していないのだ。
 ここでも、ロブスター次元が、本編と異なる次元であることが読み取れる。

7.最後に

 以上が、現段階で考えられる、ロブスター次元についての概要だ。
 無論、ロブスター次元はど存在しないのかもしれないし、ロブスターは永遠に無効票なのかもしれない。ロブスター次元の存在に関して、公式見解はないのだから。
 ゆえに、私と、そしてあなた達は、自由に考えることができる。ロブスター次元の有無を、そして、ロブスターという存在についてを。
 私は、自由に考え、ロブスターを解き放った。
 次は、あなたの考えるロブスターを、解き放つ番だ。

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