人生の打ち切りまであと10000文字

俺に残された時間は少ない。俺が主人公の物語の打ち切りが決まったらしい。

今までそれなりに人気があったのか、あるいは作者が粘ったのか、どうあれ、俺の物語は単行本1冊くらいは続いてきた。

再開を誓って別れた仲間のジョージ、生き別れの妹シンディ、俺たち兄妹を捨てた行方不明のクソッタレ親父……アホみたいにばらまき続けた伏線は山ほどある。

思い返してみると、人だけじゃねえ。ぶっ壊れた俺の愛銃はいつ直るのか?ついこの間の砂漠の惑星で俺がどうやって生き残ったか?あとはまあ、いつの間にか持っていた超時空干渉エネルギーはなんなのか?

俺が語らなければならない物語は多すぎる。しかし、残された文字数はあまりにも少ない。

……そうこうしているうちに、次の惑星が見えてきた。

ジョージは、シンディは、クソッタレ親父は、果たして見つかるのか。いや、見つけなければならない。もはや、他の惑星を冒険する文字数など、俺には残されていない。

【人生の打ち切りまであと9600文字】

【続く】

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