死神殺し

死神っていう落語を知ってるか?なかなかに面白いオチの落語でな。

その落語の主人公は最後に自分の寿命のろうそくを見せられる。あと僅かで燃え尽きそうなロウソクだ。このオチが面白いのは、噺家によって内容が変わるってところにある。

ロウソクの火を新しいロウソクに移し替えようとして失敗したり、死神が息を吹きかけて火を消したり、あとはまあ、何もできずに燃え尽きちまったりな。

面白いだろ?同じ話でも話し手によって内容が変わるんだ。……なに?「結局死んでることは同じじゃねえか」だって?そこがおもしれえんだよ。どうあがいたって死ぬ運命は決まってるのに、取る行動はそれぞれだ。

で、俺は今、死神の最後みたいな状況だ。手持ちは拳銃1丁。対する相手は銃も打ち手も山程だ。これが落語の死神なら、どうあがいても死ぬ状況ってやつだ。

だが、俺の話は落語じゃねえ。ここから生きて逃げる結末を、お前に見せてやる。

【続く】

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