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ガルパンの劇場版観に行ったら奇跡起きた話。

普通の人よりは映画館に通う人間だという認識はあります。大学時代は映画館でバイトもしていました。なので映画館の思い出は結構あります。その中でもガルパンの劇場版を観に行った時のことは忘れられません。いや、そんなハードル上げてもたいした話ではないんですけど。

ガルパンことガールズ&パンツァーは2012年にテレビアニメが放送し、オタク界隈ではかなりのブームになっていたを覚えています。放送前の予告編などではあまりにもビジュアルがイカれていたので、どんなアニメかと思いましたが、戦車への緻密なアプローチと女子高生のスポ根的な燃えるストーリーが絶妙なバランスで融合し、まあ端的にいってめちゃくちゃ面白いアニメに仕上がっていました。

そんなガルパンの劇場版は何度かの公開延期を経て3年を要し、2015年11月公開の運びとなりました。当時の私は高校2年生で、ガルパンに対しては追いかけてはいるが、そこまでの熱量をもって追っていた訳ではありませんでした。

ガルパンが公開したとなったときは、まあそのうち行くかー程度のテンションだった。だが公開1週間ほどでガルパンの劇場版のクオリティーがとんでもないことになっているとネットで盛り上がりを見せた。それでも私はなんとなく劇場に足を運ぶ気にならず、期末試験が近かったこともあって劇場に向かうことはなかった。

明けて2016年1月後半、クラスにガルパンの設定資料集を毎日学校に持ってくるガルパンおじさんならぬガルパン小僧と年明けの席替えで隣になった。ガルパン小僧からは当然、劇場版観た?と聞かれ、まだ見ていないと答えると、突撃を敢行する知波単学園の生徒が如くガルパン劇場版のマーケティングを受けた。その言いように、ペパロニのように純粋で流されやすい私の心はすっかり動かされ、すぐにでも劇場にパンツァー・フォーしたくなってしまった。

私の高校は土曜日も午前授業があったので、その授業終わりに行こうと決めた。ところが、公開から2か月以上経っていたので、家からいけそうな劇場では朝の早い時間か、夜の遅い時間しか上映していなかった。いけそうな時間に上映している映画館はないかと検索をかけていると、ある一つの映画館が見つかった。

その映画館は朝9時から夜9時まで一日中ガルパンを上映をしていた。しかも通常の上映よりもダイナミックなサウンドを体験できる極音上映、極音上映をさらに超えた究極の爆音を体験できる極爆上映なるものを上映していた。その映画館の名は”立川シネマシティ”。ガルパンの新作がやるとなれば、過去シリーズの一挙上映を毎回行い、ガルパン用にサウンドを調整する、おそらくはガルパン好きが大洗の次にガルパンの聖地として挙げる映画館だった。

12時に授業が終わり、そこから立川に向かえば2時半の回がいけそうだということで、私は授業終わりに一人でガルパンを見ることに決めた。ガルパン小僧は予定が合わなかったが、一人で映画館に行くのは好きだったので特に問題はなかった。

初めて立川に降り立って立川シネマシティを目指した。立川シネマシティに着くとガルパンが上映スケジュールに入っておらず焦った。スマホで確認すると、立川シネマシティはシネマ・ワンとシネマ・ツーに分かれており、私はシネマ・ワンに来ていて、ガルパンはシネマ・ツーだった。ほっとして地図を確認しシネマ・ツーを目指した。

シネマ・ツーの建物を発見し、安堵して入口に向かった時、事件が起こった。シネマ・ツーの入口に張り紙がされていた。

「お知らせ 劇場版ガールズ&パンツァーについて 本日の劇場版ガールズ&パンツァー座席は下記の通りです。 9:00 完売 12:00 完売 2:30完売 18:30 完売 20:30完売」

目を疑った。当時は高校性だったのでクレジットカードを持っていなかったので座席予約もできず、というか公開から2か月経っていて、チケットが終日完売になっているとは思いもしなかった。

わざわざ立川まで来てガルパンが観れないと分かって落ち込んだ。生徒会に戦車道を選択するよう圧力をかけられた西住殿のような絶望顔でシネマ・ツーの前をうろうろしていた。でもせっかくなので何か映画を見ていくかと劇場のラインナップを見てみた。スターウォーズ・エピソード7フォースの覚醒が上映していた。一回みてるけど、SW見るかと考えた。だが心はガルパンへの未練をしっかりと引きずっていた。

チケットカウンターに足を運び、SW一枚くださいと言おうとした。だがガルパンへの未練が私の口を突き動かした。

「2時半のガルパンって、もうないですよね?」

受付のお兄さんは学生服着たオタクが泣きそうな顔で分かり切ったことを聞いてきて、さぞ不快な思いをされたことだろう。

「そうですねぇーガルパンは終日完売ですかねぇ、一応確認します。」

優しい対応をしてくださった。それだけでもうガルパンへの未練は半分ほど断ち切れていた。あとは現実を受け入れてSWのチケットを購入し、ハイパースペースに向かうだけで良い。

「お座席は完売ですかねぇ…あ、今一席キャンセルでました。」

てってってーてててー♪(大洗女子が勝ったときのテーマ)

そんなわけで上映30分ほど前に急遽一席だけキャンセルが発生し、ガルパン劇場版の席をとることができた。まだ年始だけど、もう2016年に使える運をすべて使い果たしたんじゃないだろうかと思った。

上映15分前、スクリーンが開場するとガルパンおじさんたちがわらわらと入口に吸い込まれていった。スーツ着た渋い感じのおっさんと、ミリタリージャケットきたオタクが劇場に所せましとひしめき合っていた。学生服を着ているのは私だけだった。

ガルパンの劇場版は最高だった。もちろん作品そのものも大変に素晴らしいクオリティだったが、何よりも極爆上映の臓物が震えるほどの爆音がすごかった。以来、すっかり極爆上映が気にってしまい、お気に入りの作品が立川で極爆上映をするとなれば、足繫く通うことになった。

ガルパンは最終章が極爆で上映するので、地元で一回見てから二回目は立川というセットで毎話鑑賞しています。去年の8月にも極爆上映でガルパンの劇場版を上映していたので、5年ぶりに立川でガルパン劇場版を鑑賞しましたが、やっぱり最高でした。ブルーレイを購入して何度も見ても、立川で観る極爆が一番良いなと思います。

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