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忍者スリスリくん日記 2月

2月1日
おいしい!ヤギ肉おいしい!

2月2日
おいしい!!フグおいしい!!

2月3日
3日連続で親切な郵便屋さんが食べ物をくれている。今日もおいしい!
しかし何の肉だろうか!

2月4日
今日も親切な郵便屋さんが肉をくれたが、何の肉かは秘密らしい。とてもおいしいので当てて、とのこと。この芳醇な香りと噛みごたえ、鹿肉ではなかろうか。

2月5日
今日も郵便屋さんがくれた肉を食べた。食べたことのない不思議な香りと味がした。これは何の肉だろう。食感も独特であり、ゴムのような弾力がある。

2月6日
お腹が痛くて一日中うなっていた。もうダメだ。昨日道端に落ちていた鳥取県を拾い食いしたからかもしれない。

2月7日
親切な郵便屋さんが看病しに来てくれた。冷えピタを貼る所に迷っていて、申し訳ない気持ちになった。結果、空中で3回転した後で床に叩きつけられた底面に貼るのが一番効果的であることがわかった。

2月8日
親切な郵便屋さんの冷えピタ効果により、おなかも復活し、山梨県程度なら食べられるようになった。

2月9日
仕事をすると死ぬ病気にかかっているので、体調が良くなったが特に何もしなかった。米のとぎ汁はいつ透明になるのかが気になる。

2月10日
仕事をすると全身が硬直する病気にかかっているので、布団から1度も出なかった。逆に体がバキバキになって意味不明だった。

2月11日
意欲的に動くと死ぬ病気にかかっているので、きれいなお姉さんを召喚してご飯をアーンしてもらった。人生は良い。

2月12日
ご飯をアーンして食べさせてもらうだけで25万という理解不能な請求書が届き激怒した。大事に取っておいた山口県を食べて怒りを発散してしまった。

2月13日
催促の電話がかかってきたが25万など払えない。仕方なく、賭けモリファネスに参加した。無事勝ったので、延滞料を含めて30万をお納めした。

2月14日
賭けモリファネスで勝った50万を使って、きれいなお姉さんからバレンタインチョコを頂戴することができた。チョロい。

2月15日
賭けモリファネスで1回負けたときに捨てた臓器が、けっこう重要なものであったことを知る。困った。

2月16日
親切な郵便屋さんが臓器をくれた。手術までしてくれて、ほんとうに器用でうらやましい限りだ。

2月17日
ぼーっとしながら「今年ももう終わるなあ」などと考えていたが、まだ2月だった。どうなっているんだ。ぼくが。

2月18日
果たして三角錐にも基本的人権はあるのだろうか?

2月19日
人恋しさがが高まり外出した。かつてサモエドスマイルをなくして困っていたサモエドを見つけたが、またサモエドスマイルをどこかに落としているようだった。今度見つけたら接着剤で固めたほうが良さそうだ。

2月20日
みかんを一番効率よく剥く方法を研究していた。大した差は無く、みかんはおいしかった。

2月21日
「こんばんわんこそば~」と言われたが、ふざけるな馬鹿きちんと挨拶しろ酸素を無駄にするなという感じだ。

2月22日
茶柱を立てるのが面倒になったので、湯呑みの底に少量のコンクリで固定した。

2月23日
親切な郵便屋さんと喧嘩した。どう考えても「人民は犬」と語る郵便屋さんが悪い。人民は人民だし犬は犬だ。

2月24日
親切な郵便屋さんと仲直りしたので、小旅行に行ってくる。「紅葉を見に行こうよう」と言われたのでブチ切れそうになったがなんとか抑えた。

2月26日
紅葉は良かったし、何よりスーツケースの中にプレステしか入っていない郵便屋さんが良かった。今の人生で、郵便屋さんの持ち物はこれしかないらしい。

2月27日
旅行から帰ってきた日から、親切な郵便屋さんがうちに住むようになった。掃除洗濯料理など、すべて郵便屋さんがやってくれている。ボクは主に呼吸やまばたきをしていた。

2月28日
親切な郵便屋さんがうちに住むようになって2日。テレビを付けたら、ボクの住む町の郵便ポストが3年間も回収されずに放置されているニュースがやっていた。

2月29日
親切な郵便屋さんがうちに住むようになって3日。いってらっしゃいのチュウをしたが、特に誰も外出しなかった。よく考えたら郵便屋さんはこの3日間一度も外に出ていないが、仕事はどうしているのだろうか。



《本文は、1964年刊行の「実録!親切な郵便屋さんの裏の顔~激震の逃避行128日間~」に収録された記事に加筆・修正を加えたものです。》

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