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2021年の3冊を選んでみよう(コミック編)

2021年に読んだコミックは725冊でした。再読した本、シリーズものの続巻もカウントしているので厳密に新しい作品に出会った数はもっと少ないかと思いますが、2021年も面白マンガがいっぱいでした!

その中でも印象に残った3冊を選んでみました。(2021年発売の本ではなく2021年に私が読んだコミックから選んでいます)


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「メダリスト つるまいかだ・講談社アフタヌーンコミック

(連載中。2022年1月現在、4巻まで発売)

ザックリ言ってしまうとフィギュアスケートで世界を目指すスポーツマンガです。ただ、キャラクターの描写がとても魅力的で、優秀なお姉ちゃんと比べられ「何もできない」と言われ続けてきたいのりと、スケーターだったがプロになれずフリーターになっている司が出会い、選手とコーチとして一緒に世界一になるという夢を追いかけます。夢を諦めたくない少女と夢を諦めざるを得なかった青年。

いのりちゃんの一途さに何回読んでも泣いてしまう…(涙腺が弱めなもので…)ただ、個人的にこの作品はいのりちゃんだけが主人公ではなくて、司先生も主人公だと思っています。小学五年生であるいのりちゃんを「こども」ではなく、一人の人間として接する誠意。それでいていのりちゃんから見たら大きな存在、「大人」なんだけど司本人は挫折した傷も悔しさもまだ生々しくて「人間はただ年をとったら「大人」になれるわけじゃないのね…」としみじみ感じてしまう…

絵は多少荒いのですがそれが勢いを感じさせるし、逆に魅せるシーンはとても美しいのです。緩急がうまく合間合間にあるコミカルさも厳しい世界で戦っている二人に息詰まる中でほっとさせてくれます。


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「にくをはぐ」 遠田おと・ジャンプコミック+

2020年に出た短編集です。読んだのも21年じゃない気がしますが…まぁ、それは置いておいて…表題作の「にくをはぐ」がジェンダー、LGBTを真っ向からテーマにした作品で割と話題になったのでマンガ好きなら知ってる人も多いかもしれません。

表題作はもちろん深く考えさせてくれる良作なのですが、個人的に「熱い西瓜」が好きでたまに読み返します。「両親の離婚をきっかけに引きこもる様になった青年とその母親の話」と描くとありがちですが、お互いの気持ちの描写がうまく、息子を守ろう、自分だけはしっかりしないと!と思っている最初の方のお母さんの笑顔、ほんとに怖いんですよね…ただ、すごくシンプルに「母親ってすごい」と思います。

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「偽物協会」 白井もも吉・サンデーうぇぶりSSC

(連載中。2022年1月現在、1巻まで発売)

可愛らしい絵柄に惹かれて表紙買いしたのですが不思議で優しい良き作品でした。何しろ主人公は不安を感じすぎると毛布になってしまう少女です。毛布に…!新しい…!「普通(本物)」の枠に入れなかった「偽物」たちの集う場所「偽物協会」の会長に拾われた綿子。

この偽物協会ですがネガティブな集まりではなく、鳥になりたい川の石の「いわとりくん」や、人気者になるために筋トレしてマッスルになったサボテン「サボまっするくん」など既存の生き物の枠からはみ出てしまった「偽物」を認め、共存することで世界をちょっぴり楽しくするのが目的の集まりなのです。

ただ、みんなそれでも「偽物」だと思う自分自身の理想や憧れだとかを思い描いて、悩んでいたりしていて「普通=本物」「本物=普通」ではないしそのままでいいんだよ…と思いつつ、出てくるキャラが可愛らしくてコミカルでクスッとしてしまう…優しくほんわかした気持ちになる一冊です。


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~次点~

「プリズムの咲く庭」 海島千本・バンチコミックス

…奥付見たらこれも2019年の本ですね…シリーズものでないオススメのマンガ…と探しているとどうしても短編集とか選びがち…ただ、とにかく画力が素晴らしい。のに加え登場人物が(猫やロボットまで)非常にいきいきとしていて、どの短編も素晴らしいのです。

個人的に「僕のソフィア」が大好きです。こういう話に弱くて…ええ…(号泣)

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「矢野くんの普通の日々」 田村結衣・モーニングKC

(連載中。2022年1月現在、1巻まで発売)

毎日どこかしら怪我してくるクラスメイトの矢野君が気になって仕方がない吉田さん。表紙に惹かれて買ったものの、正直、すごい重い理由で毎日怪我してたらどうしよう…と思ったのですが、矢野君が「究極に不器用」ゆえの怪我なのでコメディーなので安心して下さい。(と言っていいのか…本人は災難ですが…)

矢野君の不器用さをほっとけなくなるところもあるんですが、時々すごく色気があるというか惹かれる表情するんですよね…吉田さんの気持ちもわかる…そして時々シュール…暗い階段でみんなでごはんを食べる話とか自画像とかほんと好きです…2巻が2022年2月発売予定となっています。

どことなく飄々としていてシュールな感じが、和山やまさんの「女の園の星」に雰囲気が近いので和山さんが好きな方にもオススメです。

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「藤丸立花はわからない」 槌田・KADOKAWA

(連載中。2022年1月現在、1巻まで発売)

スマホの人気ゲーム「FGO(Fate/Gand Order)」のギャグマンガなのでFGOをやっていない人には何がなんだか全くわからんと思うのでお気を付けください。しかもやっていたとしても2部のネタバレを含むため2部にたどり着いているマスターでないとネタバレするので更にお気をつけください。

以上を踏まえた上で「わからない」が面白いのです。このFGOの基盤とも言うべき作品、Fateシリーズが異常な程ある上に、FGOそのもののストーリーも割とややこしい。キャラもめっちゃいる。同じ顔なのに水着だと違うクラスだし、同じキャラの違う時代(若い頃とか)だと別に存在するし。いや、そらこういう顔になるよね…って思ってしまう。この作品の藤丸のとぼけたわからない顔が好きなんです。私のような「長くやってるけど知識浅い系マスター」に特にオススメです。


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~人気シリーズだって知ってたけど読んでなかったマンガ、読んでみたらやっぱりメッチャ面白かった編~

「図書館の大魔術師」 泉光・アフタヌーンコミック

(連載中。2022年1月現在、5巻まで発売)

とにかく美麗な絵、そして情報量。司書に憧れる少年の話と書くとありがちな感じがしますが、世界観がしっかりしていて没入感がすごいのでファンタジーが好きな是非。表紙に「原作」とあったので原作は小説でコミカライズなのかな?と思ったらどうやら原作は存在しないようです。そう「風のカフナ」は作品内に存在している本だから…なんという粋な…!

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「東京卍リベンジャーズ」 和久井健・週刊少年マガジンコミックス

(連載中。2022年1月現在、25巻まで発売)

アニメ化以降、大人気ですね…そういう私もアニメから入ったんですが、ええ、面白いです。ライトなヤンキーマンガというんでしょうか…連載が少年誌なので目を覆うほどのエグい展開などはなくて仲間同士の友情や、それでいて主人公がタイムリープする理由が好きな彼女を救いたいという理由が幅広く受けている理由かな、と思います。私の推しはドラケン君です。

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「ゴールデンカムイ」 野田サトル・ヤングジャンプコミックス

(連載中。2022年1月現在、28巻まで発売)

1巻だけ読んで挫折していました。何故なら可愛らしいアイヌの女の子がリスを滅多打ちにして食べたシーンで「怖い…どういう話なん…」と思ってしまったのです。その後、太っ腹にも全巻無料キャンペーンをやっていた時期があってその時にまとめて数巻分読んでみたら…めっ…ちゃ面白かった…その後「先生に売上として還元させて頂きたい」と全巻購入しました。

シリアスとコミカルの緩急の付け方が本当に絶妙で号泣しかけた瞬間に全裸とか出てくるので泣いていいのか笑っていいのか情緒がめちゃくちゃに…

今ならアシリパさんやアイヌ民族の文化を学ぶのにこれ以上の作品はないと言えますが、多少下ネタ?的なのも出てくるのと、いろんな意味での変態(褒めてる)が大量に出てきて惜しみなく死んでいくので勧める相手を選ぶ…かもしれません…私の推しは尾形です。

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「キングダム」 原泰久・ヤングジャンプコミックス

(連載中。2022年1月現在、63巻まで発売)

一時期「キングダム芸人」などテレビで紹介され、映画化したのもあり大人気で面白いのはわかっていたのですが何しろ60巻近くあるとなると二の足を踏んでしまうものです。

ですが少し前に職場の先輩が急にハマり一気に全巻買いしたのです。そして私の入院前に「自宅で病気療養している間ヒマなら貸すよ!むしろ読んで感想聞かせて!」となんと我が家にドーンと送ってくれたのです…優しい…!おかげで読む事ができたのですが確かに面白い…!

ただ、ひとつの戦いを色んな側面からじっくり描くので収束した時の感動は素晴らしいのですが、なかなか進まない…仕事に戻った今も読み続けていて、まだ40巻までしか読めていないのですが統一までの道のりは遠そう…政や信の目指す「中華統一」までどれくらいかかるのでしょうか…あとどんどこ将軍ふくめ登場人物が現れては消えていくので、メイン級のキャラでないと「あっ、この人前の戦いの…あれ?違うか…?」となってしまう私の脳みそのキャパの問題が…私の推しは騰(とう)将軍です。

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「ザ・ファブル」 南勝久・ヤングマガジンコミックス

(2022年1月現在、全22巻完結。
 第二部である「The second contact」が連載中。1巻まで発売)

岡田准一さん主演で映画化されましたね…映画を観た親子が原作を探しにきて「岡田君が怖い…」と慄いていました。確かに絵がゴリゴリのヤンマガ系…(?)私も慄きつつ読み始めたら、映画はかなり原作に忠実に作ったようで内容はほぼ一緒です。

絵が強面な分シュールで面白いので、映画は好きだけど絵柄で読まずにいる方は是非読んでみてほしいです。ものすごいハラハラする展開というより、割とすごい場面でも淡々としているというか…妹が暇つぶしにお酒飲み比べしてたりする印象が強いのですが…さすが、殺さない殺し屋…



以上「2021年に読んで印象に残った本(コミック編)」でした。皆様の読書生活に少しでもお役に立てれば幸いでございます。今年も面白いコミックといっぱい出会えるといいな~!

ちなみに読了コミックは全て「読書メーター」に記録してあるので興味のある方はどうぞ~(感想などは書いていません)また、「このコミックも面白いよ!」などオススメの本がありましたらコチラなどからお気軽に教えて頂けますと嬉しい限りでございます。皆様、良い読書生活を!

愛猫と日常を記したり、本をオススメしたりしています。