ユミとあきらの帰国当日…

ユミ「ほら、あきら。タクシー乗るよ。」

あきら「おかあさん凄いね！こんなに早起きのおかあさん僕初めて見たよ♪」

ユミ「あ？昨日から寝てないだけだから、マジ瞳を閉じたら永遠の眠りにつくから。寝たら起こしてな。」

あきら「え〜。おかあさん寝たらほんとに起きないから頑張ってよ〜。」

空港に向かう車中…

あきら「ねえおかあさん、華ちゃんと空港のどこで待ち合わせ？華ちゃんお友達にお別れの挨拶してから来るんでしょ？」

ユミ「あぁ、それな。華、来ないよ」

あきら「えっ？？？　何で華ちゃん来ないの？？？　昨日来るって約束したじゃん！！」

ユミ「それ、あたしが言わせたから。華は来ない。」

あきら「え〜。華ちゃんが嘘付く訳ないじゃん‼︎ 絶対来るよ‼︎」

ユミ「来ない」

あきら「来る‼︎」

ユミ「来ない」

あきら「来る‼︎」

ユミ「いい加減あきらめな。来ないもんは来ないから。」

あきら「あきらめるってなに？　華ちゃん絶対嘘つかないもん！！　僕絶対あきらめない！！　 華ちゃんぜったい来るもん！！」

ユミ「マジその辺にしとけ。」

あきら「やだ！！」

ユミ「いいから。」

あきら「やだ！！」

ユミ「いい加減にしろって言ってんだろうがゴルァ！！　あたしはあんたを今回の事に関しては子供扱いしないからな！　華はなぁ、どうしてもやってみたい事が見つかったんだよ。　それをあんたのわがままで邪魔すんのか？　本当に華の事が好きだったら応援するのが筋ってもんだろうが。　それをピーピーピーピーわめいてんじゃねぇ！！　 あきらが本当に華にもう1回会いたいならなぁ、あきらが世界中のどこにいても分かるぐらい有名になって、華から会いに来るぐらいの男になるんだよ！！」

タクシー運転手「ゴメンナサイ！！　コロサナイデクダサイ！！」

ユミ「うるせぇ！！ おめえは関係ねぇ！！　黙って運転してろ！！　いいから飛ばせ！！」

あきら「グジュ、グジュ。　ずるいよ・・・。おかあさんのいじわる・・・。」

2日後、ユミの地元…

カーンカーンカーンカーン

村人「大変だ〜。熊殺しの真美が帰って来たぞ〜。早く村長に知らせね〜と‼︎」

カーンカーンカーンカーン

あきら「ねぇおかあさん、熊、殺したの？」

ユミ「熊は殺してないよ。引き分け。」

あきら「ふーん、お母さんと引き分けるなんて、そんなに強い熊もいるんだね。」

ユミ「あの時腹減っててさ、満腹だったら絶対勝ってたけどな。まあ熊も冬眠明けでコンディションは一緒だったろうから、やっぱり引き分けだな。」

あきら「あ、おじいちゃんって村長さんだよね？」

ユミ「うん。あきらのひいじーちゃんな。にしても、熊殺しは失礼だよな。自分の孫をつかまえてさ。」

第13話につづく