Jetson Xavier NX で実現するEdge AI (TensorRT & torch2trtインストール編)
はじめに
今まで6回に分けてJetson Xavier NXで機械学習を実行する環境開発をしてきました。今回はこのシリーズの最終回となります。nVIDIAより様々なToolが出ておりその中で非常に興味深いのがTensorRTです。これはEdge AIを実現するために使用されるToolで、既存MLモデルを少ないリソースで高速に処理できるように最適化してくれるToolです。Google Colab等のようなリソースが豊富な環境でモデルを構築し、それをTensorRTで高速化しEdge AIを実現するという使い方が想定されます。ですが、TensorRTはC++で実装されたライブラリーでPythonのインターフェイスがありますが、問題なのは学習済みモデルからTensorRTで処理可能なデーター構造にするには、かなり特殊なコーディング技術が必要となってきます。そこをうまい具合に仲介し、TensorRTとの橋渡しをしてくれるのがtorch2trtです。つまりtorch2trtがコンパイラーのような仕事をしてくれて、学習済みモデルを入力するとTensorRTで解釈できるフォーマットに変換してくれて、出力としてTensorRT用モデルが出力されます。
インストール準備
TensorRTは基本、OSインストール時のパック(Jetpack)に含まれているため、自分でインストールする必要はありません。一応確認のためVersionは確認しておきましょう。
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アメリカSilicon Valley在住のエンジニアです。日本企業から突然アメリカ企業に転職して気が付いた事や知って役に立った事を書いています。