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ゴールドラッシュとAIブーム

 今回は自分の考えをまとめたnoteになります。何か今後のお役に立てればと思います。
 ゴールドラッシュってご存知ですか?アメリカの西海岸のある特定地域の川で砂金が発見されたことを起点として起こったブームです。このブームによりサンフランシスコが発達し今に至る都市圏が形成されました。この中でよくMBAの授業や経済考察とかで取り上げられるいくつかを挙げ、今まさに真っ最中のAIブームと重ねて色々と考察したいと思います。

ゴールドラッシュでの勝ち組

 金を採掘する坑夫が一番もうかり勝ち組だったというのは間違いです。確かに一部の坑夫は儲かりましたが、大半の人たちはそこまで儲かりませんでした。色々な理由がありますが、先行者が土地を買い占めしたので自由に掘ることができなかったというのもあります。
 彼らよりも膨大な利益を出し富を築いた人たちがいます。彼らに共通することは掘る側ではなく、インフラや必需品を供給したということです。
 有名どころでは、採掘した金や金鉱石を東海岸へ輸送するための鉄道を敷きその会社を運用したスタンフォード。坑夫が求めた丈夫で破れない衣服をテント生地から作りそれを販売したリーバイスです。
 これらの事実を踏まえて今のAIブームに照らしあわし考察してみたいと思います。

AIブームを深掘り

 前章でも取り上げましたが、以下のようなカテゴリーで括りお話しを進めたいと思います。

  • 坑夫=AIのアルゴリズムやプラットフォームを使いAppを作る

  • インフラ=AIモデルを動かしアウトプットを生成するサーバーを提供する

  • 必需品=AI用サーバーを構築する上で必要な部品を供給、またはApp作成に必要な環境やツール群を提供する

坑夫

 今で言うApp storeのようなところで、既存のAIアルゴリズムや、それらをベースに改良を加えた独自のものを使用しAppを販売する。
 今も度々結構話題に取り上げられていますが、使用するAIに関連して使用料を払うことになります。サーバー代だったりAIモデルの著作権だったりです。一時期は儲かるかもしれませんが、常に動き続けなければ収益が落ちていってしまいます。ゴールドラッシュ時にも坑夫は砂金が取れるところを常に探して動いており、常に安定しない生活を送っていました。

インフラ

 AIモデルを動かすサーバーを提供する側です。アマゾンやGoogle、Microsoftが有名どころです。彼らは膨大な資金を使用しAIに欠かせないサーバーを構築し、Userに課金するシステムを構築しています。変な話ですが複雑でメモリや計算リソースを膨大に使用するAIモデルであればあるほど彼らが儲かります。理由は簡単で小さな会社がそのようなインフラを構築するのは不可能になるので、必然的に彼らのサーバーを借りざる得ない状況になるからです。
 ゴールドラッシュで言うと、膨大な資金を集め鉄道会社を運営したスタンフォードですね。彼は上院議員にもなっており会社だけでなく国も運営していました。

必需品

 AIサーバーを動かすのに必要な部品を供給する側です。またはAppを作成する上で必ず使用するツールやソフトウェアを供給する側です。
 AIサーバーの構成で必ず必要なのはCPU、GPU、メモリー、SSDおよび電源周りかと思います。特にCPUとGPUのところはAIモデルを動かすときに顕著に影響が出るので最も重要視するところかと思います。
 CPUであれば、intelやAMD。GPUであればNVIDIAとAMDが有名どころですNVIDAがすごいところはGPUだけではなく、そのGPUを効率よく動かすためのソフトウェアも供給しています。AMDももちろんソフトウエアを開発して出してはいますが、まだ完全にキャッチアップはできていないのが現場です。

 少し違う観点での考察です。Appを作成する上で必要なものは何だろうと考えると、真っ先に思い浮かんだのがPythonです。AIのアルゴリズム開発等をする上でPythonは必須といって過言ではないです。Pythonを使用して構築されたPytorchやTensorflowもこのカテゴリーに入るかと思います。

影の支配者

 ここまでは一般的な話で知っている人は知っているかと思います。実は今まで話してきた3つの役割を超越した影の支配者がいることをご存知でしょうか?

 App作成する人はPC使いますよね、その中にはCPUやメモリー、SSDは必ず載ってますよね。サーバーには電源回路やその他制御用チップが載っていますよね。GPUやCPUはもちろんご存知のように半導体製品です。

 そう、影の支配者は半導体です。この半導体売上ランキングはご存知でしょうか?intelやNVIDIAではないです。TSMCという会社です。個人的にはこの会社がAIブームの最終的な勝者になるのではと思っています。

まとめ

 今回は少し違った見方でAIブームを考察してみました。日本にも工場を建設しており今後も目が離せないTSMCです。


アメリカSilicon Valley在住のエンジニアです。日本企業から突然アメリカ企業に転職して気が付いた事や知って役に立った事を書いています。