プロメアの話


プロメアを公開2日目に見ました。最大瞬間風速があまりに良かったので、周囲のtrigger民にもプッシュしまくりました。
そろそろ公開も終わってくるみたいです。なので文を書くリハビリがてらに、見て良かったプロメアの話をしようと思います。
ネタバレの話しかしません。しかもムックとか設定資料とか読んだ訳でもない妄想、妄言です。

予告を見て

予告を目にした段階では「アニキじゃんwwww」と言うのが素直な感想でした。どうせ巨大ロボのアニメであの消防車が変形するんだろ?程度の認識でした。
しかし違いました。全然違いました

いや、違わないんですけど違いました。
アニキはアニキだし、巨大ロボなんですけど、思ってたのと違いました。
コレだ!感しかない、triggerによるtriggerのtrigger民の為のアニメでした。
今石×中島の満漢全席です。
家系ラーメン硬め濃いめ多めトッピング全部のせです。

四角と三角


このアニメは基本的に炎(三角)と水(四角)の戦いです。そのビジュアルコンセプトは細部まで徹底されています。
炎に属するものは全て三角で構成されていて、水に属するものは全て四角で構成されています。

例えばバーニッシュの3人が初登場時に乗っているバイク、これはフレームが三角ですよね。
対して敵は四角い乗り物、車に乗っています。宇宙船はでっかい四角です。
街はわかりやすく四角で構成されています。

基本的にこうして、三角と四角の徹底した対立を見せていく訳です。

三角とは何か

電車の中や、家の中で、過度のストレスに晒された人間が火を噴くシーンから物語は始まります。

これ、四角に押し込められた中から三角が出てくるって事なんですよね。そして三角は暴走し、やがて四角が統治する世界になる。
四角の中から出てきた通り、三角は四角の中にあります。四角を対角線に切れば三角が出てきますよね。

四角は三角があって四角なんです。四角は三角を内包している。誰だって三角の可能性が内在している。
だから主人公もバイクに乗ります。潜在的にバーニッシュだと言う事ですね。終わってから気付きました。


結論までの速度

そしてこのアニメの凄いところは、冒頭の数分で結末までの了解を得るところです。
上記の対立軸を最初に見せつつ、続けて着地地点までも見せます。


印象的なのは最初のレンズフレアが四角いところです。このレンズフレアの瞬間に最後は世界が丸になるオチまでの了解を得るわけです。

レンズフレアすら四角いことで、そこが歪な世界である事を見せる。
再び四角が三角を内包するのでは無く、組み合わさって百角形としての円になる、そこまでを冒頭で言い切るところから始まります。
これは凄いな、客を信じ切っていると感じました。

左手のマジック


ボスであるクレイは声優が堺雅人さんです。予想より遥かに良かったです。もう絶対に裏切る、性格の悪い声をしていました。

結局は彼もバーニッシュだったんですが、その事を印象付けたのは主人公を殴り飛ばしたシーンです。
あそこで左手を見せるコマが何フレームかあるのですが、その瞬間に彼がバーニッシュである事が確信できます。

それまでのシーン(過去回想)では彼の左腕が無いんです。現在シーンの左腕は義手でしょうか?そこで敢えて左手で殴ったことに加えて、色味の調整(友人曰く微妙に赤を挿し込んでる?)をしてるのかも知れません。
とにかく、このコマで彼はバーニッシュである事を観客に白状します。

これは魔法だと思いました。

ハイコンテクストなぼくたち 


観客を全面的に信用したこれらの映像演出、とんでもなく凄いなと思います。
説明はありません。本当に一つも。

ロボットは気持ちで格好良く変形するし、巨大ロボは地球の上に立って燃え盛る地球を鎮火します。
まぁここら辺のシーンは完全にグレンラガン、以心伝心シモンとヴィラルです。
「細けぇ事はどうでもいいんだよ!」
やっぱり気合とドリルで歪な世界に穴を開ける、そう言うノリでキリモミしながら飛ぶジョナサンです。
道理も物理もありゃしねぇ、あるのは気持ちと気合だけ!


こう言うtrigger民向けに調整されたある種のハイコンテクストさ、それを理解できる人たちでニヨニヨしながら楽しめる文脈の為にあるコンテンツがさらに気持ちよくさせる要因でしょう。
trigger民以外お断り、trigger民専用、ピーキーに調整されたそれは誰が見ても楽しめる汎用エンタメコンテンツではありません。

そう言うイヤラシさも含めて最高です。

ひとりの葛藤


これは友人と話していて気づいたのですが、今回は主人公のガロがひとりで悩み、葛藤するのがポイントです。
何でも気合とノリで進めていくカミナ的要素の多いキャラですが、思い悩むシモン的要素を一人で受け持つことで、物語の鬱陶しさをシンプルにしています。見やすい!
キャラのバックボーンを徹底的に省略しています。姉妹の葛藤とかも最後まで明かされません。何なんでしょう。

キャラのポイントで言うともう一つ。
エリス(小清水亜美)がクレイの名前を呼ぶその瞬間で「あー、これは抱かれてますわ」と察しがつくの凄いですね。
終盤で会話のターン量が増えているのもそう思わせる要因ですが、あの声は背筋がゾッとするレベルで凄かったです。

trigger大好き


いかがでしたか?(クソ記事感に逃げる
久しぶりにtrigger純正、グッと来るゲージMAXの超必殺技ぶっ放し!みたいな感じでメチャクチャに気持ち良い映画でした。

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