見出し画像

Tamagawa Swamp Music

中学一年生の時に小学校からの悪友のおかげでアメリカンカルチャーに目覚めた。BMXやマウンテンバイク、Levi's 501XXをはじめとする古着。当時は渋谷の古着屋さんでも「インディゴ5000」と書かれた段ボール箱の中に普通にBig Eのジーンズを見つけることができた。インディゴ、インディゴ、と当時はよく言ってたなぁ。

そんな中、もともと洋楽好きだった自分は必然の流れでアメリカンロックにも大いに目覚めることに。もともと父の戸棚に大量のアナログ盤があり、海外の音に触れることが多かったわけですが、中学一年の終わりにホームステイをしにアメリカ西海岸へ(前日ぐらいまで何をしに行くのかさっぱり理解していなかったのを覚えている)。西海岸に行くならとお小遣いを握りしめて渋谷のタワレコ(今のHMVレコードストアの建屋にあった)で購入したEagles / Hotel Californiaのカセット。これを現地で初日の夜中に聞いたわけです。時差ボケで、寝れなくて、窓際から外を眺めながら。これが本当のカリフォルニアか!と。ちょうどその時アメリカではホイットニー・ヒューストンのGreatest Love of Allが大ヒット。当時英語は全く喋れなかったが、辞書を片手にタワレコに連れてってくれ、と懇願。Rolling StonesのDirty WorkやVan Halen / 5150など自分のお土産として買ったのでした。

帰国後は本格的に音楽にのめり込み、先輩からレコードを借りたり、同級生とカセットテープを交換したり、そして中学二年の終わりにはギターを手に入れて、しかしこれは一旦挫折。

高校に進学するとさらに悪い友達が待っていて(笑)自分の音楽の幅を広げてもらったのと同時に、自分でも更に探求の道を進むことに。当時はハードロック、スラッシュメタルからブリティッシュポップまで何でも聴いていたけど、やはり血気盛んな年頃ということでハードなものを好んで聴いているうちに、MTVでアンプラグドという企画が始まった。色々なアーティストがアコースティックだけで名曲を演奏するというアレですね。割と衝撃を受けたのがAerosmithの回だったんですが、日本で放送された時にはAerosmith -> Poison -> The Allman Brothers Bandだったんですね。この時のエアロの演奏も素晴らしかったですが、それを上回るインパクトがトリのABBだったんです。

当時既にABBのことは知っていたし好きなバンドのひとつでありました。理由としてはいくつかあるんですけども、それでももう少しドライブ感のある、ハードな感じのあるLynyrd Skynyrdの方が同じアメリカ南部のバンドでは好きだったんですね。しかし、この映像を見てこれがやっぱり本物のなかの本物、アメリカンロックの王道だと、ビビビっときてしまったんですよね。

そこからは大学時代もABB, 社会人になってもABB... ちょうど社会に出る前の年ぐらいからインターネットが使えるようになり、ABBのメーリングリストにも日本から初めて参加。Grateful Deadほどではないにせよ昔から盛んだったテープ・トレードのコミュニティにもどっぷりと浸かり、アメリカ本国のテーパーの方々、トレーダーの方々と音源の交換をすることに。98年には来日したGregg Allmanとバックステージでご対面(ありがたや)。


いろんな人と繋がっていく中で、2001年春に単身ニューヨークに飛び、毎年恒例だったBeacon Theatre公演を初観戦!本当に一人だったので、到着した日の夜から本場のファンの方々に大歓待いただき公演が始まる前には二軒も呑み屋をはしごするという炸裂ぶり(笑)。終わった後もホテルのスイートに招待いただいて、アフター呑み会。ここから今現在も続く交流の輪が爆発的に広がったことはいうまでもありません。

ご縁は海外に限らず、もちろん日本でもじわじわ広がっていきました。その流れから、故Scott Boyerさんのインタビューや、2010年のフジロックでのDerek Trucksへのインタビュー、2013年に来日したDickey Bettsのインタビューなど、色々と普通では考えられないお仕事もさせていただきました。

2018年には長くお付き合いさせていただいているABB仲間のお導きによりシンコーミュージック「オールマンブラザーズバンド サザンブラッド 45年の軌跡」に企画と執筆で参加させていただきました。また書籍発売の流れから、熱海、鎌倉、東京の三箇所で「トークライブ」をやらせていただき、東京ではピーター・バラカンさんとピンポンDJ形式で3時間を超えるトークライブを開催することができました。

画像1

いつの間にか広がっていった私の活動ですが、これらの経験を通して少しずつ吸収したアメリカ南部音楽のエッセンスに、独自のフレイバーを加える形で今度は多摩川スワンプミュージックとして自分の音楽を作っております。Hotel Congressというユニットを通して、この多摩川スワンプミュージックをBarなどの酒場でお届けする、酒と音楽をつまみにみなさんに和んでいただく、ということをライフワークに今後も歩んでいきたいと考えています。

この「note」では多摩川スワンプミュージック /  Hotel Congressのライブ情報、音源、動画をお届けするとともに、毎月ライブをやらせていただいている桃源郷「Bar Derek and the Dominos」の情報や、もちろんThe Allman Brothers Bandの情報についても書いていきます。残念ながら2014年に活動を終えたABBですが、今年は50周年で元メンバーが再結集してトリビュートライブを行ったり、その音楽的遺産は色褪せることはありません!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?