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視覚障がい者施設で聴いた「負けないで」「なごり雪」「ここに幸あり」

拙宅近くにある視覚障がい者施設「東京光の家」に所用があり、昨日行ってきました。
無教会主義を唱えた内村鑑三の弟子で視覚障がいのあった秋元梅吉氏が大正6年に前身の「盲人基督信仰会」を設立したのが嚆矢で、“盲人に聖書の福音を”という秋元氏の祈りを源に、聖書の教えを運営と利用者サービスの基本としています。

係の方から「今日は『光バンド』(利用者で構成されている)のレッスンがある日ですので、ご覧になってください」と言われ、聴かせていただきました。
隣の市に住んでいる頃から、前身の、リーダーの名前を冠した「正秋バンド」が、当時から、視覚障がいがありながら頑張っているという話はメディアで承知していましたけれど、聴いたことがありませんでした。

バンドと歌(ボーカルも含めて)のプロらしきお二人の先生の「それぞれがソリストにならないように」など厳しい注意を受けながらも、演奏したタイトルの3曲を聴かせていただきましたが、自立訓練の一環、延長を越えた素晴らしい演奏に、所用の意識が遠のき、今まで聴いてきたプロのコンサートではなかったくらいの涕を思いがけずも流してしまいました。

終了後、ひと言感想をとマイクを渡され、感動したこと、神の御業に恵まれますようにと、幸いを祈りますの主旨で話しましたら、バンドの方々から、大きな声で「ありがとうございますっ!」が返ってきて、さらに感動しました。

昨年のチャリティコンサート「愛のサウンドフェスティバル」のチラシです↓

結成から四半世紀以上経過していて、日本全国各地で年間10回以上のコンサートを開いているとのこと。
1999年にはスウェーデンで、結成25周年となる2013年にはハワイでの公演を実現させたそうです。
2014年に“愛と勇気のスタートラインに再度立つ”との意識の下に、バンド名を「光バンド(ヒカリバンド)」へと変更しました。
2019年、「光の家」創立100周年記念としてチャリティーコンサート「愛のサウンドフェスティバル『spirit』」公演を「ひの煉瓦ホール」で行いました。
一昨年には日野市の「文化功労賞」を受賞しています。
現在、元日に起きた能登の地震被害への義援金チャリティコンサートを計画しているとのことです。

施設のHPには、
『光バンド』のメンバーは、視覚障害に加えて他の身体障害や知的障害等、二重三重の(重複)障害の重荷を背負っています。
しかし、彼らには神様より「音楽」という素晴しい才能が与えられました。

所属する各施設の日課や各種の自立訓練に日々勤しむ中、『光バンド』としての音楽活動に向けた練習時間は、【サウンドトレーニング】として原則週に1度、毎水曜日の午後に行っています」
とあります。

他に、点字図書の作成・印刷・製本、陶芸、アクセサリーの作成等の機能訓練を見学させていただいたりして、視覚障がい者、運営スタッフが一体となったインクルージョンの具現を見た思いの日でした。


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