低年収と長時間労働がデザイナーの自己効力感を奪っていく話。


自己効力感 = 私はこれができるという自信

自己効力感はセルフエフィカシーともいう。
どうでもいい話と解消方法の2部構成ですので、さくさくっとスクロールしてご覧ください。


丁稚奉公が当たり前だと思ってた

「アーティストとデザイナーを履き違えている人が多い」という言葉を聞いてデザイナーとは丁稚奉公のことであると理解した私は、この道をいけばいつかデザイナーになれると信じていた。差出せるだけ時間をさし出そう
- 2006年異業種から転職


デザイナー不在、現場には素人の私

大手代理店受けのデザイン事務所。100人グラフィックデザイナーがいた。web部門にはデザイナーの先輩も同僚もいなかった。私、マネージャー、ディレクターの3人で社外に部屋を借りていた。外回りの多い2人がおらず、数日間ひとりぽつねんと過ごす。
マスターデザインを外部のフリーデザイナー、下層と修正はクライアントの言いなりになって、打ち返し続けるのが私の仕事。
デザインのいろはもわからないのにOKが出るわけがない。
案件はナショナルクライアント。家に帰れない。

いつも怒っている人たち

クライアントと代理店の人たちはいつも怒っている。ナショナルクライアントなので質を担保をしなければならい。

素人の私では質を担保できず、申し訳なさが強まっていく。フタをあけたら素人がいるんだもの。私がお客の立場だったら怒るに決まってる。案の定、数ヶ月後ローンチしたはずのサイトがまるっと変わっている。

何次受けかわからないぐらい間に人が挟まってるのに心無い言葉もそのままに転送だけしてくる人たちがいっぱいいる。クライアントの荒々しい怒りに責任を感じる。事務所にこもり人に合わないことも手伝い、次第に人が怖くなっていく。デザイナーとして矢面にたったら罵詈雑言の嵐になるんじゃないだろうかと恐怖に支配される。


課題を感じてるのに克服できない

クライアントの求める質に答えられない。何をどうしたらいいのかわからない。質問する相手もいない。すべては自己の不勉強、本当に申し訳ない。私にはどうすることもできない。クオリティを担保できない。

私はデザインの仕事をしてはいけない。


口では感謝を述べるが評価はされない

差し出せる時間はこれ以上なく、能力もあがらないので給料があがらないのは当然だ(残業180時間平均)もちろん残業代はでない。上長たちは口では優秀だと言ってくれるが、給料には反映されていない。
ああ、私は本当に役にたっていないのだな。
当然、他の会社では通用しないだろうから転職もできない
-2010年ごろ 完全に自己効力感がゼロになる。学習性無力状態


給料を減額交渉し始める

手術と申し訳なさで一度離れるが、他にできることがないのでお手伝いというベースで復職する。提示された給料のパフォーマンスを出せないので、減額するよう求める。おそらく人類初だろう。

一度支給してしまった給料は通常減額することができない。雇用側に申し訳ないから低い給料を要求する。入ったもん勝ち、盛ったもん勝ちという生き方ができない。私はいつでも200万程度の働きしかできない。10年たっても200万円程度の価値しか私にはないしそれは当然である。たまに明らかに仕事ぶりがおかしい人がいても「この人私の2倍以上給料もらってんだろなぁ」と思うと自分の社会的価値の低さを確認する。


2017年 全てのことを私はしてはいけないと思い始める

2012年 - やはり申し訳なさから退職。それでもできそうなことを探して、コーヒーの仕事を個人で始める二束三文の生活。味の仕事はメンタルを要する。疑心暗鬼のトンネルに入り抜け出せず、することなすことを自分で許せなくなる。
某議員にもTVを通して責められている。「おまえは生産性がないんだよ
そんなことは言われなくてもとっくに感じてる。

人が怖いし私から何か提供できるものも、相手にとって有益な情報もないので誰にも話しかけれない。単に人との接触回数かな?と思っていたけれど店舗にたってコーヒーを淹れていた時も人がくるのが怖くてしかたがなかった。

一切の活動ができなくなった。人間として機能していない。横たわる毎日。
ついにデザイナーにもなれなかった。私は何もしてはいけないのだ。30半ばにさしかかった大人がベッドで横たわっている。醜い。もしかしたら生まれてもいけなかったのかもしれない


自己効力感を取り戻すには

4つあります

1、成功体験
自分で目標を設定して、それを達成すること。そしてそれを1日の最後に振り返って、どれぐらい効果があったのか確認することも大切だそうです。

いちばんいいのはスポーツをすることだそうです。
新しいことを覚えていく、新しいことができるようになる。
成功する体験を積み重ねると、その感覚を別のことにも(例えば仕事)にも応用できるようになるそうです。
Twitterで流布される「悩みがあったら筋トレ」というのは嘘ではなく自己効力感(セルフエフィカシー)にもっとも効力があることだったんですね。

2、代理経験
これは、自分よりひどい環境(同じような環境)の人が成功するまでの経験談を読むことだそうです。この人がこうなれたんだから自分もできるはずだと思うことが重要だそうです。
※いわゆる勝ち組の人たちの成功体験には再現性がないので注意が必要です。

3、言語的説得
これは誰かに「君ならできる」と言ってもらうことです。
一人じゃなければ毎日誰かに言ってもらえるように仕組み化するといいですね。あとはメンターを持つ。

4、生理的情動的喚起
これは「気分のいい状態であること」です。
物理的に作れるいい気分になれる状態、たとえば植物が置いてあると気分がいいとか、赤い壁紙の部屋だと気分があがるとか、そういう状態を作れると自己効力感も高いそうです。


参考記事

ヒゲ男爵の山田ルイ53世さんがとてもいいことを言っています。

「あのひきこもり期間があったから今の自分があるよね」と無理に意味づけするのではなく、無駄な期間を無駄だったと肯定する姿勢がとても素晴らしいなと思いました。

他の記事でも「ただいてもいい」ということを発言されていて、それ以来注目している方です。


note内のこちらの記事もすごく良いのでおすすめします。


年収は「社会的な信用」という戦闘力の可視化であり、生活を続けていくためのガソリンです。ジムにいくお金も、メンターをつけるお金も失ってからでは遅いのです。不当に低い場合は早めになんとか対策を打ちたいところです。

ここから、デザイナードラフトの話につづきます。


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Thingo TKSK

一億総「社長」「復業」時代の働き方と経営術

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