少し前だけれどTwitterのお酒好き界隈でこんな画像が話題になった

古い中央公論に載っていたサントリーの広告だそうだが

曰く「ウヰスキーのほんとの味を生かした飲み方は生（き）のまま、すするようにして飲むか、冷水でうすめて飲むかです。
炭酸水で割ると、炭酸水の好きな人は別だがウヰスキーの持っている深い味が死にます。」だそうな

「死にます」とはまたパンチの効いたワード、そして現在ハイボールを激推ししているサントリーの広告とは思えないのも面白い。

まぁ、これを「昔はこんなこと言ってたんだねぇ」と一笑に付すこともできそうだけど、実はそうもいかないのがお酒の界隈。

今でもウイスキーでは「ストレート原理主義者」が割といるようで時々BARで「ウイスキーはストレートで飲むのが普通なんだよ、ハイボールとか何かで割るのは邪道やで」みたいなのが聞こえてくるとゲンナリする 

たしかにストレートで飲むとそのウイスキーの一番主張したいところが味わえる気がするし、見た目にも格好いいとかはあるのかもしれない。

かくいう僕もウイスキーはストレートで飲むことが多い人間だ。

だからといってハイボールや水割りを邪道だなんて微塵も思わない、だいたい僕らが飲んでいるウイスキーのほとんどはすでに加水されていて度数や味がブレンダーによって絶妙に調整されている。

ほんとに「ウイスキーのストレート」を飲みたいのなら「カスクストレングス」（樽から出されたそのままのウイスキー）を飲むぐらいしかないと思うのだが、だいたいの人が思っている「ウイスキーのストレート」というのは「ボトルから注がれたままの何でも割っていないウイスキー」だろう。
（「カスクストレングス」とか言い出すのは僕も含みだいたい沼にハマった人間だ）

とまぁ、そんなことを日々思いながら飲んでいる人間なので
他の人のお酒の飲み方に対して思うのは

「他人に迷惑をかけず自分が美味しいと思える飲み方ならなんでもOK！ただし、作り手へのリスペクトは忘れずにな！」

ということに尽きる。

ハイボールで飲めば華やかな香りが開いて飲みやすかったり

水割りで飲めばゆっくりと楽しめたり

ロックだと緩やかな味の変化が面白かったり

もちろんストレートでも美味しい。

ウイスキーやシングルモルトはこんなにも様々な楽しみ方ができるお酒なのだから、好きに飲んでいいのだ。

「美味しいは正義」なんて言葉もあるが、まさにこれだろうとも思う。

BARや居酒屋で友人や部下に飲み方の薀蓄を垂れるなんて野暮も甚だしい、それぞれが楽しく飲みましょうや。