スタンフォードのストレスを力に

『スタンフォードのストレスを力に変える教科書 』 (ケリー・マクゴニガル )を読んで

「力に変える」って…?

現代社会に生きている限り、あらゆるストレスと出会わないわけにはいきません。

こうしてパソコンやスマホを前にしていても、日々膨大な情報の洪水の中を半ば溺れつつ泳いでいるようなものです。

エンドレスな検索結果の果てに、結局お目当ての情報を見つけることはできなかった…なんてこと、ないですか(^^;)?


ボケっとしているうちにLINEが100個たまっていて、もうどうでも良くなって流し読みしていたら、極めて重要な連絡まで読み飛ばしてしまい、
後で大失敗(><)とか…(私だけではないはず(^-^;)

ほんと、ストレスですよね。

我が家にも、控えめに言って「ゲーム好き」な中学(受験)生の愚息がいますし、それはもうストレス漬けの毎日です。

「智に働けば角が立つ。情に掉させば流される。意地を通せば窮屈だ。とかくに人の世は住みにくい」―夏目漱石『草枕』

…情報化社会とは言い難い100年前もストレスはあったのですね…Σ( ̄ロ ̄lll)

そもそもストレスとは

ただ、この本を読んで、果たしてストレスとは本当に日々の生活においてまるでゴキブリの様に忌み嫌われるべきものなのかどうか。
考えてみる必要もあると思わされるのでした。

「ストレスは害になる」

と考えると「とにかく避けなければ」「減らさなければ」というマインドが働き、いやなことから逃げたりあるいは酒やギャンブルなどに依存してしまうこともある、と筆者はいいます。

なるほどー (・´Д` ・) ゴキブリを見たらとにかく逃げるか、見なかったことにするか、叩き潰すか、ですものね。


「ストレスは役に立つ」(!)

えーー(⦿_⦿)っ?「ゴキブリにも良いヤツがいるよ」と言われたような俄かには信じがたい説でしたが、
この本の中では、「とにかく信じれば救われます」のような感じではなく、極めて科学的に信頼できる実験や研究を重ねた結果と書かれているので、説得力もありました。

思い返せば子どもの頃、大嫌いだったピアノの発表会に出されちゃったとき(。>д<。)

とにかく逃げ出したかったけれど、全身の勇気を奮い起こしてド下手な演奏を衆目に晒した後、
下手なりに何だか「出し切った!」と達成感のようなものを子ども心に感じたものです(その後すぐにピアノはやめましたが(^-^;)

ストレスで緊張したりドキドキすることは、自分が何かに立ち向かっているサインなのだそうです。へー( ゚O゚ )


ストレスを受け入れる

そうは言われても…妊娠中などは、とにかくストレスは胎児に悪い、と言われていましたし、
ストレスがたまるくらいなら、少しくらい飲酒もいーんじゃないの?なんて飲んでいる妊婦、いましたいました私の周りにも^^;

いやいやちょっと待て、と筆者は言います。妊娠中のストレスはかえって胎児にプラスになることもあるという研究もあるくらいだ!と。

そこまで聞くと本当なのかと首をかしげる向きもあるかもしれませんが、とにかく非科学的な理屈で飲酒し、結果後悔するのは避けたいものです(-_-;

すべては思い込み

ひとくくりに「ストレス」と言っても色々で、自分が強くなれるための良いストレスかも知れないのだから、やみくもに逃避せず成長のきっかけとするのが大切だそうです。

ストレスの正体が分からず、ただ怖がっている状態は良くないようですね。

「幽霊の正体見たり枯れ尾花」

ということもありますし、思い切ってそこに何があるのか目を開けて見つめてみたら、怖くなかったって場合もありますよね。

また、『草枕』ではこうも続きますし。
「住みにくいと悟った時、詩が生れて画が出来る…(中略)
喜び深きとき憂いいよいよ深く、楽しみの大いなるほど苦しみも大きい」

まとめ

ただがむしゃらに息子に「ゲーム止めろ!勉強しろ( `Д´)ノ!」って怒ってばかりではなくて

「受験に失敗して高校に行けないとどうなるのか」
「受験に落ちても何か手はあるのか」
「ゲームをしながらも受かる高校はあるのか(^-^;?」

悩みを細分化して分析することから始めよう!そう思った私です。その先にはちょっと成長した我ら親子がいるかもしれないからです。


厚い本なので読むのにひと夏かかってしまいましたが(;'∀')
ストレスの捉え方、具体的な「ストレスを力に変える」テクニックなども紹介されていて、とても為になりました。

もちろん、何でもかんでもポジティブにとらえろ、とか
虐待や震災・親しい者の死・深刻な病気などが良い事だと言っているのではなく、
人は過酷な状況にあっても立ち直れないわけではない、乗り越えて行ける希望はある、ということでした☆


(illustrations and photos by Sweetpotato)

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