見出し画像

和歌山県北山村にじゃばらという柑橘類があるという話

第一章 じゃばらと出会う

和歌山県には平成の大合併で市町村合併が進み現在、行政区としては一つしか村が残っていない。その村が北山村。

なぜ村として残ったかというと実は北山村は飛び地なのだ。周りを奈良県と三重県に囲まれている。

それだけでも田舎に憧れる私とすればワクワクするのだが、農学部出身の私にはもう一つ好奇心をくすぐる話がある。この村でしか育たない柑橘類があるというのだ。その名を「じゃばら」という。

蛇腹かと思ったが邪を払うから「じゃばら」らしい。これは面白い。

世界中の密林を歩いて植物を採集し、その中から有用、薬用植物あるいは成分を探すという仕事にプラントハンターというのがあるが、何かそういう雰囲気を感じた。

実際にはすでにテレビでも取り上げられ過去にブームにもなったそうだ。私はしらなかった。

第二章 じゃばらを検索してみる

現代の手軽なプラントハンティングはネット検索だ、というわけでもないがとにかくググってみた。

やはり検索では多数出てくる。そのなかでも一番に出てきたのが北山村の公式ホームページ。

特産品《じゃばら》ガイド - 和歌山県・北山村ホームページ

そこに書かれたじゃばら物語りはまさに村おこしの話だ。

一本の珍しいミカンの木を特産品にしようと熱心にすすめたのが福田国三さん。

他にはない独特の風味と味。それでもなかなか評価されなかったが、昭和46年に実を結び始める。

そんな福田さんの情熱は、活動を始めた数年後、昭和46 年から実を結び始めます。

その年の秋、みかんの分類で有名な権威者田中論一郎博士に村が調査を依頼。翌年の47年、現地にて花の分析など専門的な調査、研究の結果、じゃばらは国内はもとより世界に類のないまったく新しい品種であることが判明したのです。
さらに、紀南かんきつセンターに依頼し、成分の分析やその他の特性調査等を行いじゃばらそのものの特性・個性を解明すると同時に、味については料理の専門家が試食。日本でここだけの柑橘に多くの料理専門家が驚き、個性的なじゃばらの味は可能性の広がりを伝えるとともに高い評価を得ることに。結果、村が動き、同年の秋に農園の規模を拡大してのじゃばら栽培に踏み切ることに至ったのです。
これは耕地面積が極めて少なく、産地化するだけの決定的な作物を見出せずにいた村が、じゃばらを評価し、8年を費やし、北山村の特産物として育てるということも意味していたのです。
その後は、昭和52年農林水産省に対して農産種苗法による品種登録を出願、2年後の54年には現地調査が行われ、種苗名称登録許可を取得。
今では、じゃばらの知名度が全国区になり、村の一大産業となったこと役場そのものの意識も変化。じゃばら農家では、村の子供達に栽培について知ってもらうための取り組みが行なわれたり、村の財産として次世代に引き継ぐため、村内の小中学校に苗木を植える活動を実践したり・・・。これまた村の伝統産業でもある「筏下り」の後継者に栽培を委託するなど、村の雇用対策や農業後継者の育成へとつなげる活動が村をあげて本格化しています。(北山村ホームページから)
その味を一言で表現すると「にがうま」。
酸っぱさの後に残るほんのりの苦味が独特で、まろやかな風味の中に隠れたこの味こそが年間通じ、加工品も含め2億円以上を売り上げる人気のワケ。種がほとんどないことで、上述にもあるそのまま搾って果汁にしたり、また自宅でマーマレードや調味料として活用したりとその用途は様々。幅広い年齢に支持される食材として注目を集めています。

ということが村の公式ホームページに書かれている。どうも北山村は耕地面積が狭くほとんどが山林。林業で栄えたが、次第に過疎高齢化が進んだ山間の村らしい。そこの特産品が「じゃばら」。

このじゃばらを有名にしたのが「花粉症抑制効果」。WEBで販売を始めたところ販売が急上昇。まさに村の特産品となったということらしい。

詳しくは上記ホームページをみてほしい。さまざまな加工品が紹介されている。

楽天市場の北山村じゃばら村センター

も実にきれいな通販サイトに仕上がっている。

第三章 じゃばらのサプリ化

そして第3章がサプリ化。花粉症の軽減効果があるということで、村でもサプリができないか研究したらしい。

これに手を貸したのが隣の奈良県にある太陽堂製薬株式会社の前川仁志社長。生薬を加工するノウハウを駆使してついにじゃばらのサプリメントが昨年暮れに登場した。

それが「花粉じゃばらサプリ」だ。

ついに花粉症のシーズンを前に登場した。花粉症患者にとっては朗報である。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?