イジンデンのルールを体系的に理解していくこのシリーズ。前回は発動型能力を詳しく見ていった。
例によって、イジンデン公式サイトのルールページに掲載されているルールカード、ルール補足、Q&A 総合、および Q&A 最新追加分は次のバージョンのものを参考にしている。
今回はカードをイジンに装備させる能力を見ていく。
装備能力
装備能力の概要
いわゆる装備能力は置換効果を作る常在型能力の一種であり、第2弾時点では一部のハイケイやマリョクが持つ。これは次のような能力とルールテキストの対からなる。
装備能力を持つカードは、ハイケイなら戦場に、マリョクなら魔力ゾーンに、いずれもオモテ向きで置かれている間、前者の能力によってイジンに装備させることができ、そのイジンに後者のルールテキストを与える。装備させた後、装備能力を持つカードは「装備された/されている」状態になり、イジンは「装備している」状態になる。
装備されたカードは戦場に置く。ハイケイなら戦場にあり続け、装備しているイジンを戦場に置くのと同時に装備された状態にする。マリョクなら魔力ゾーンから戦場に、装備しているイジンと同時に置く。装備されている・している関係が分かるように、これらのカードは少し重ねること。「~際」というルールテキストのとおり、これは発動型能力ではなく、置換効果を作る常在型能力であることに注意せよ。
装備されているカードの特性の無視
装備されているカードは「装備 : ~」のルールテキストを除く全ての特性が無視される。ここでいう特性は斜体字で書かれた「特性:剣術」のような情報だけではなく、カードが持つ様々な情報を指した広義の特性である。
例えば《ファイアソード》は通常は赤のレベル1のマリョクだが、装備されている状態では赤でもレベル1でもマリョクでもなくなる。同様に《安宅船》は通常は赤のレベル5のハイケイだが、装備されている状態では赤でもレベル5でもハイケイでもなくなる。
さらに、ルールテキストもまた広義の特性のひとつであるため、「装備 : ~」のルールテキストを除くルールテキストも無視される。例えば《安宅船》であれば、1つ目の能力「自分のメインフェイズが開始したとき~」は無視される。また、2つ目の「~装備させてもよい」能力も無視されるため、イジン召喚によって他の赤か黄のイジンが自分の戦場に置かれても、装備された状態の《安宅船》をそのイジンに言わば「つけかえる」ことはできない。
なお、装備能力を持つマリョクについても、やはりつけかえることはできない。こちらは「~装備させてもよい」能力のルールテキスト中に「魔力ゾーンに置かれているこれを~」とあり、また装備されている状態では戦場に置かれているためである。
装備されている状態でなくなったら
装備しているイジンが戦場から離れた場合、装備されているカードは装備されている状態でなくなり、ハイケイならそのまま戦場に残り、マリョクなら魔力ゾーンに戻る。そして広義の特性が復活する。
装備能力を持つハイケイがこのように戦場に残る際、ハイケイが「戦場に置かれたとき/置かれるたび」の発動型能力は発動しない。おそらく、そもそもハイケイが戦場に置かれたものと見なさない(なぜなら既に戦場に置かれた状態だから)ということなのだろう、と私は推測している。
装備させる際の追加の条件
装備能力には、どのようなイジンに装備させられるかという追加の条件が存在する場合がある。例えば《安宅船》は赤か黄のイジンには装備させれられるが、その他の(青などの)イジンには装備させられない。
この追加の条件は、戦場に対して機能する他の常在型能力なしに満たさなければならないようだ。例えば自分の戦場に《陳寿》がおり、その常在型能力〈これが戦場にいる間、自分の戦場のイジンは「色:黄」を得る〉が働いていたとしよう。ここで赤でも黄でもないイジン(例えば青の《楊貴妃》)をイジン召喚しても、そのイジンに《安宅船》を装備させることはできない。この裁定については、そのイジンが「色:黄」を得るのは戦場に出た後であって、戦場に出る際にはまだ得ていないからだ、と私は理解している。
参考:ルール補足の記載
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