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所沢市議会2024年3月定例会傍聴録 (2月20日)

 私はライブ中継をラジオ的に聴いていた。会期は3月26日まで。初日の今日は常任委員長報告、2024年度の市長施政方針・提案理由説明、および議案説明が行われた。日程概要によれば、議案質疑は2月27日・28日に行われるとのこと。

 市長提出議案は議案第3号から第49号まで、および諮問第1号から第2号まで。3月定例会なので特に2024年度の一般会計当初予算(議案第8号)に注目したい。予算総額は1,216億4,100万円(前年度当初予算比で5.9%、68億1,100万円の増)とのこと。

 以下、ざっと見て私が気になるものをピックアップしてみる。



子ども医療費は助成対象を18歳まで拡大

 小野塚市長は子ども医療費助成の対象拡大を公約のひとつに掲げていた。これについては、議案第27号「所沢市子ども医療費の助成に関する条例の一部を改正する条例制定」で対象を15歳から18歳まで拡大し、また2024年度の新規事業「子ども医療費助成対象年齢拡大事業」でその拡大に必要な事務を行い、実際の拡大は2024年10月になる、ということのようだ。

議案第27号(条例改正)資料より
議案第8号(2024年度一般会計当初予算)資料より

教育・保育施設等整備事業による保育定員増

 待機児童の解消もまた小野塚市長の公約であった。これについては、2024年度の新規事業「教育・保育施設等整備事業」で保育所等の整備を補助することを通じて定員数を増やす、ということのようだ。担当者からはこの事業により49人の定員増を見込んでいる旨の説明があった。

議案第8号(2024年度一般会計当初予算)資料より

犯罪被害者等支援事業を開始

 議案第18号「所沢市犯罪被害者等支援条例制定について」は新たな条例の制定であり、犯罪被害者等基本法を踏まえて支援施策の基本事項を条例で定めることのようだ。また具体的な事業としては、2024年度の新規事業「犯罪被害者等支援事業」で支援を行っていく、ということのようだ。

議案第18号(条例制定)資料より
議案第8号(2024年度一般会計当初予算)資料より

サクラタウン・KADOKAWA 関連の文化系事業

 COOL JAPAN FOREST 構想、ところざわサクラタウン、および KADOKAWA といった名前が挙がっている2024年度の新規事業として「所沢Mixカルチャーフェスタ開催事業」や「eスポーツ啓発推進事業」がある。前者はまだ案レベルだが所沢の新しい文化を発信するイベントや伝統文化を体感できるワークショップを、後者は所沢市のプロチーム「FAV gaming」の周知・活動支援などを予定しているとのことだ。

議案第8号(2024年度一般会計当初予算)資料より
議案第8号(2024年度一般会計当初予算)資料より

 FAV gaming は KADOKAWA Game Linkage(ファミ通を含むゲーム系の出版などを事業とする子会社)がプロデュースするプロのeスポーツチームで、ストリートファイター6などで活動中。

 ところで、所沢市のサイトには先日「3月23日(土曜)FAVgaming凱旋報告会」という個別ページがアップされていたはず(検索ではヒットする)なのだが、現時点ではリンクが切れている。なぜ?  [追記(2月21日 20時45分)]今もう一度検索したところ、検索にもヒットしなくなった。[追記ここまで]

情報システム標準化対応事業

 議案説明を中継で聴いていたところ、何度も「標準準拠システム」や「ガバメントクラウド」なる言葉を耳にした。地方公共団体情報システムの標準化に関する法律の施行に伴い、2025年度末(あと約2年後)までに基幹系情報システムを標準化基準に適合した標準準拠システムへ移行することが義務付けられている、とのことだ。また、そのシステムはガバメントクラウド上で稼働させる、ということのようだ。

 下に挙げる事業は「情報システム標準化対応事業」のうち「ガバメントクラウド接続環境構築」のものだが、この他にも税系、戸籍、住民記録、選挙人名簿管理、福祉総合、生活保護、および健康管理、また特別会計まで含めれば介護保険、および後期高齢者医療システムの標準化対応事業が計上されている。

議案第8号(2024年度一般会計当初予算)資料より

 仕事柄、システム移行と聞くとどうしても身構えてしまう。実施スケジュールによれば、移行完了は2025年12月とのこと。まだ1年半以上あるが、こういうのは得てしてあっという間にその日が来てしまうもの。移行時に大きなトラブルが起きないように着実に進めてほしいものである。


 まもなく日付が変わりそうなので今日はここまで。