所沢駅にホームドアが整備される予定だよ

はじめに

 横浜から所沢に帰る途中、東急東横線の渋谷駅で乗換をし、ホームドアが整備されていることに気づいた。このような安全対策は鉄道利用者としてありがたいことだ。

 さて、私の自宅最寄駅である所沢駅(西武鉄道)には、2019年5月3日現在緒、ホームドアがまだ整備されていない。私が帰宅時に使用する西武新宿線本川越方面のホームはエスカレータ横のホーム幅が狭く、夕方の帰宅ラッシュ時には混雑もあいまって、発着する電車と接触しやしないかヒヤヒヤすることがある。

▲赤枠箇所のホーム幅が狭い(西武鉄道サイト 掲載の画像を筆者が加工)

 ふと、所沢市の平成31(2019)年度予算には所沢駅ホームドア整備の補助金が計上されていることを思い出した。ということは今年度中には何らかの動きがあるのだろう。だけどこれまであまり深くは調べていなかった。せっかくなので、この機会に調べてみることにした。

ざっくり年表

・平成23(2011)年3月10日:所沢市議会の一般質問でホームドアの整備の促進に関する質問がなされる
・平成23(2011)年3月31日:国家公安委員会、総務省、国土交通省が「移動等円滑化の促進に関する基本方針」を告示する
・平成27(2015)年2月13日:政府が「交通政策基本計画」を閣議決定する
・平成29(2017)年2月3日:西武鉄道が「西武鉄道の主要な6駅にホームドアを整備します」をニュースリリースする
・平成31(2019)年3月29日:所沢市議会平成31年3月定例会にて、「所沢駅ホームドア整備事業」(事業費総額33,333千円)を計上した平成31年度一般会計予算が原案可決される

国の動向

 そもそもホームドア整備は全国的にどのように推進されてきたのか。その概要を把握するには国土交通省の「ホームドア整備に関するWG(ワーキンググループ)」の資料が役立つ。


[PDF]ホームドア整備に関するWG(第1回:平成31年3月14日)掲載ページ

 資料では、国土交通省などによる「移動等円滑化の促進に関する基本方針」と、政府による「交通政策基本計画」が挙げられている。それぞれ原典にあたってみる。

ホームドア又は可動式ホーム柵については、視覚障害者の転落を防止するための設備として非常に効果が高く、その整備を進めていくことが重要である。そのため、車両扉の統一等の技術的困難さ、停車時分の増大等のサービス低下、膨大な投資費用等の課題について総合的に勘案した上で、優先的に整備すべき駅を検討し、地域の支援の下、可能な限り設置を促進する。

[PDF]移動等円滑化の促進に関する基本方針(平成23(2011)年3月31日告示)掲載ページ)(強調は引用者による)
大都市等において、高齢者や障害者、妊産婦等の自立した日常生活や社会生活を確保するため、ホームドアの設置やベビーカーの利用環境改善等、必要な対策を深化する。特に、視覚障害者団体からの要望が高い鉄道駅及び1日当たりの平均利用者数が10万人以上の鉄道駅について、「移動等円滑化の促進に関する基本方針」に則り、ホームドア又は内方線付きJIS規格化点状ブロックによる転落防止設備の優先的な整備を行う。

[PDF]交通政策基本計画(平成27(2015)年2月13日閣議決定)掲載ページ)(強調は引用者による)

西武鉄道の動向

 2017年2月3日、西武鉄道はホームドア整備等に関するニュースリリースを出した。この中には所沢駅も「ホームドアを整備する駅」としてあがっている。

現在、池袋駅において、ホームドアの整備を進めており、2017年度末に完了する予定です。引き続き、1日あたりの乗降人員10万人以上の駅(将来の想定含む)について、2020年度を目途とし、ホームドアの整備を計画します。これにより、当社の計6駅にホームドアが整備されます。
〔…〕
1.ホームドアを整備する駅
池袋駅(整備中)
練馬駅
西武新宿駅
高田馬場駅
所沢駅
国分寺駅
※この他の駅についても、今後整備を検討してまいります。
〔…〕
[PDF]西武鉄道の主要な6駅にホームドアを整備します(2017年2月3日ニュースリリース)掲載ページ)(強調は引用者による)

 ホームドア整備の基準「1日あたりの乗降人員10万人以上の駅(将来の想定含む)」は政府の交通政策基本計画を踏まえたものだろう。ここで所沢駅の乗降人員を 西武鉄道サイト で調べてみると、1日平均で、2015年度は97,662人、2016年度は99,994人、2017年度は102,732人とのこと。ニュースリリース当時は10万人に満たなかったようだが、当時の「将来の想定」では10万人以上を想定していたのだろう。そして事実、2017年度には10万人以上になっている。

 ただ、西武鉄道のニュースリリースで注意しなければならないのは、政府の交通対策基本計画には記されていた「視覚障害者団体からの要望が高い鉄道駅」について触れられていない点だろう。これについては後でも述べる。

所沢市の動向

 西武鉄道のニュースリリースに先行して、所沢市議会ではホームドア整備に関する質問や議論がなされていた。市議会議事録 を「ホームドア」で検索してヒットする最古の発言は、平成23(2011)年3月定例会の一般質問、小林澄子議員の質問と内藤保健福祉部長の答弁だ。時期的には前述した国土交通省等の「移動等円滑化の促進に関する基本方針」告示の少し前になる。同議員は視覚障害者対策はもちろん、混雑や酒酔いなどによる事故の防止という観点からも、市に整備の促進を迫っていることがわかる。

◆8番(小林澄子議員) 〔…〕
 次に、視覚障害者に関わる問題についてです。
 JR東日本の山手線目白駅で、1月16日、全盲の男性がホームから転落し亡くなる事故がありました。ホームは列車が上げる轟音と風圧、けたたましい構内放送と発車メロディがあり、人とぶつからず歩くことが難しいほどの大混雑になったりします。視覚障害者の人たちにとって、駅のホームがどれほど危険な場所か想像にかたくありません。
 全日本視覚障害者協議会によれば、1994年からの16年間に、転落や電車との接触で亡くなった視覚障害者は41人に上るとのことです。同協議会の過去の調査では、都内に住む視覚障害者100人のうち、ホームから転落経験があるのは50人、全盲の66人では65%だったと言われます。
 市内在住の全盲の方からもお話を聞く機会がありましたが、御本人も駅のホームから4回も転落した経験があるとのことでした。風が強く、白杖から伝わる音が聞き取れず、点字ブロックが磨耗していたことによるものだということです。ホームは欄干のない橋であり、防護さくの設置が一番大事ですと語っておられました。
 このことについては、意見書案で市民クラブさんからも出ておりますけれども、質問では、一刻も早いホームドア、可動式ホームさくの設置をするように、市は直接鉄道会社に働きかけることと、国には鉄道会社への行政指導と補助金制度の拡充に力を入れることを求めること。
 2つ目に、応急策として、突起物、点字ブロックなんですけれども、ホームにありますが、線路と反対側、ホーム側に線状の突起物がブロックの中にあるのがあるんですけれども、その設置を進めること。それと、ホームの屋根の柱なんですが、これが線路を使っている場合があったりするんですね。非常にそこにぶつかったりとか、白杖が間に入ったりとかということなんかもあるそうで、けがをしたりするので、このホームの柱に緩衝材を巻いてくださいということで質問いたします。

◎内藤保健福祉部長 お答え申し上げます。
 大きく4点の御質問があったかと思いますけれども、鉄道の駅ホームに設置する安全さくの問題でございますけれども、転落事故防止や接触事故防止などには大変有効な手段であると認識しております。しかしながら、車両の形状によりドアの数が異なることなどさまざまな課題があると伺っております。このため早期の設置は難しいものと思われますけれども、鉄道会社に対しまして要望してまいりたいと考えております。
 また、国への要望の関係でございますけれども、議員御指摘のとおり、駅ホームからの転落事故等が多発していることによりまして、この安全対策の必要性が高まっておりますけれども、国では、鉄道会社を構成員といたしますホームドアの整備促進等に関する検討会というものを設置しまして、整備の促進方策や転落防止対策の検討に入ったと伺っております。今後もこの同検討会の検討内容にも注視してまいりたいと考えております。
 それから、線路と反対側にも突起物をつけたような点状ブロックの設置についての御指摘がございました。これにつきましては、これまで所沢市交通バリアフリー推進協議会におきましても委員の方々から御指摘がございまして、いわゆる内方線つき点状ブロックの設置の推進につきまして意見をいただいております。これを受けまして、西武鉄道及びJR東日本におきましては、国による公共交通機関の旅客施設に関する移動円滑化整備ガイドライン、そうしたものがありますけれども、これに沿って、今後、駅改修に併せて整備を進めていくという回答をいただいております。
 この結果、既に航空公園駅、西武球場前駅につきましては、内方線つき点状ブロックの設置が進んでおります。今後につきましても、一層整備が進むよう鉄道会社に働きかけてまいりたいと考えております。
 次に、ホーム内の柱の緩衝材といいますか、そういったものの設置でございますけれども、これらにつきましても、駅舎の管理につきましては鉄道会社によるものでございますので、機会をとらえましてお願いしてまいりたいと考えております。
 以上でございます。

◆8番(小林澄子議員) 部長のほうから、国交省のほうのホームドアの整備促進等に関する検討会が開催されるということが、昨日も第2回目の検討会が行われたようですけれども、本当にこれは急いで行わなければいけないと思うんです。
 視覚障害者だけの問題ではなくて、混雑のためにホームから押し出されて、人に突き当たったりとか、酔客や気分が悪くなってなど、また、人身事故が今大変多くなっておりますが、そういうことも未然に防ぐこともできるということで、既に設置しているところでは転落による事故は皆無だということですので、ぜひ強力にお願いいたします。

 そして、何よりも、今、鉄道会社の人員削減でホームに駅員の方がいないんですよね。そういうことで、ホームの要員がまた、非常に確保していくことも必要だと思いますけれども、そういうことも併せて鉄道会社には要望していっていただきたいと思いますが、そのことについても、部長、お願いいたします。

◎内藤保健福祉部長 お答え申し上げます。
 先ほど申し上げましたように、機会をとらえまして、鉄道会社のほうにはお邪魔して状況等伺いながらお願いしたいと思っております。また、鉄道におきましては駅ボランティア活動の登録をしている方もいらっしゃると伺っていますので、そうした方々のお力もかりられるかどうか、併せて相談してまいりたいと思っております。
 以上でございます。

所沢市議会 平成23(2011)年3月定例会 03月10日-08号(強調は引用者による)

 小林澄子議員はその後の定例会でもホームドア関連で目立って一般質問をしており(平成26(2014)年12月定例会平成28(2016)年9月定例会平成30(2018)年6月定例会)、このイシューを議会側から推し進めていたことがうかがえる。

(なお、少し脱線するが、議事録中の「意見書案で市民クラブさんからも出ております」(「市民クラブ」は小林澄子議員所属の会派とは別の会派名)については、平成23(2011)年の 3月定例会5月臨時会6月定例会9月定例会12月定例会 のいずれにも、それらしき意見書は見つけられなかった。案の段階でボツになってしまったのだろうか、よく分からない。)

 そして平成31(2019)年度所沢市一般会計予算(平成31(2019)年3月定例会 にて原案可決された)には「所沢駅ホームドア整備事業」が計上された。事業費総額は33,333千円である▼

[PDF]平成31年度所沢市一般会計予算 議案資料掲載ページ)→50ページ

 この事業概要調書には「事業費総額」欄以外にもあちこちに金額が書かれており、パッと見では関係が分かりづらいかもしれないが、これは平成31(2019)年度の予算なので「平成31年度」と書かれた箇所にまず注目すると、資料の左半分側に「平成31年度に1億円相当(の進捗)」と書かれていることがわかる。この金額が、誰が出すかはともかくとして、平成31(2019)年度に必要なトータルの金額だ。あとは誰がいくら出すかを考えればいい。資料の左半分側に記載の「負担割合」を参考にしつつ、金額間の関係を以下にドーナツグラフ化した(端数があるので足して1億円にならないことに注意)。

 グラフ中の濃い青色で示した「歳入(一般財源)」は、先ほどの資料の右半分側に明記されていた歳出合計額と歳入合計額の差分である。この事業は一般会計予算に計上されているので、明記がない歳入額については一般財源があてられる(はず)。

 事業概要調書からは金額以外に、ホームドア整備工事のスケジュール感も推測できる。「平成32年度に14億円相当の進捗を予定」と書かれており、また資料右半分側の下方「翌年度以降の見込み額」の「平成32年度」欄に記載があることから、完成するのは平成32(2020)年度(新元号で言えば令和2年度)であり、また主な工事は進捗金額が大きい同年度中に行われるものと思われる。これは西武鉄道リリースの「2020年度を目途」とも整合する。個人的には、目処と言うなら早めにやってくれてもいいのよ、と思ったりもするが、ともかく目処より遅れることは今のところなさそうな(平成33(2021)年度以降の見込み額は記載されていない)ので、所沢駅利用者としては計画通り粛々と進めていただきたいと思う。

所沢駅の次は?

 さて、これで所沢駅にはホームドアが整備されそうだ。では、市内の他の駅はどうだろうか。これについては平成31(2019)年3月定例会期中の予算特別委員会でも質疑があったが、残念ながら今のところ決まっていないようだ。

○島田一隆委員 設置される駅は、所沢駅の次というのはどちらとどちらになりますか。
○山屋交通政策室長 所沢駅の後については、順次検討していくということ以外はまだ聞いておりません。

[PDF]予算特別委員会 平成31(2019)年3月14日掲載ページ)(強調は引用者による)

 所沢駅以外のニーズについては、西武新宿線の新所沢駅(国立障害者リハビリテーションセンターの最寄り駅)が高いようにみえる。しかし政府の交通政策基本計画に定められた「1日当たりの平均利用者数が10万人以上の鉄道駅」を満たしていないことがネックになっているようだ。

◆6番(小林澄子議員) 〔…〕
 次に、鉄道駅にホーム柵設置等についてお伺いをいたします。
 盲導犬を連れた視覚障害者の方が地下鉄の駅ホームから転落して、電車にはねられ亡くなられてから1カ月が過ぎました。事故が8月15日でしたので、ちょうど1カ月です。
 市内在住のある全盲の方は、一人歩きをされて3回ホームから転落されたとのことです。ホームからの転落事故は、一般人も含めて2014年で3,673件に達しています。今回の事故で改めて駅のホームドア設置を急いでほしいとの声が広がっていますが、直近でも9月12日に全日本視覚障害者協議会が国土交通省に申し入れをしています。
 所沢市としても、西武鉄道、JR東日本などに、1、全ての駅ホームに可動式ホーム柵整備の申し入れをすること。2、可動式ホーム柵のない全てのホームについて転落要因の調査をして、視覚障害者等の転落の危険にすぐ対応し事故を防げるよう駅員配置を求めることについて、まずはお伺いをいたします。

◎鈴木市民部長 御答弁申し上げます。
 議員御案内の可動式ホーム柵、こちらは日本盲人福祉委員会が発行いたしました日本の視覚障害者という冊子によりますと、ホームからの転落等の安全対策として、プラットホームを壁面で囲い、ドアを取りつけて列車の乗降に合わせて開閉させるものとのことでございますが、この当柵の整備要望につきましては、平成28年8月15日に市が所沢市障害者団体協議会からの陳情を受けた際に、市内各駅に当柵の設置要望をお願いしたいという項目がございましたことから、市内の鉄道事業者でございます西武鉄道株式会社並びに東日本旅客鉄道株式会社に対しまして設置の要望をお伝えしているところでございます。
 しかしながら、鉄道事業者からは、当柵は1日の利用者数が10万人以上の駅に設置するものであることから、現時点での各駅への設置は難しいとのことでございました。
 次に、転落要因の調査につきまして、西武鉄道株式会社に確認いたしましたところ、転落事故が発生した駅において転落原因の調査を行ったとのことではございましたが、市内の各駅において本調査を行った駅はないとのことでございます。
 次に、駅員の配置につきましてですが、西武鉄道株式会社によりますと、朝夕等の混雑している時間帯以外には駅員を配置しておりませんが、駅構内に設置されたカメラにより乗降客の動きをモニターするなど、利用者の安全性に対応しているとのことでございました。
 以上でございます。

〔…〕

◆6番(小林澄子議員) このことに対し、10万人以上の乗降客がなければということだったんですけれども、新所沢駅では、国立リハビリテーションセンターがあるので視覚障害者の方が東口を利用されるということも大変多いんですよね。あそこで実証試験なんかもございましたけれども、ぜひお願いしたいと思うんですけれども、そういう中で、やはり事業者任せでなかなかやらないということの御答弁のようなんですけれども、国に対してそういう予算措置ということも求めていっていただくことが本当に必要ではないかなというふうに思います。
〔…〕
所沢市議会 平成28(2016)年9月定例会 09月16日-05号(強調は引用者による)
◆28番(大舘隆行議員) 次に、新所沢駅の乗降客数をお示しください。

◎鈴木市民部長 御答弁申し上げます。
 西武鉄道株式会社のホームページによりますと、新所沢駅の乗降客数につきましては、直近のデータとなります平成27年度は1日平均5万5,265人となっております。
 以上でございます。

◆28番(大舘隆行議員) ありがとうございます。
 所沢市民体育館がナショナルトレーニングセンター競技別強化拠点施設(ゴールボール)の指定を受けました。所沢市においても、今後、日本ゴールボール協会と協力しながら、ゴールボールの強化に向けた取り組みを進めるとあります。また、先日、所沢市民体育館において第27回日本ブラインドテニスの全国大会が開催され、私も見学させていただきましたが、大変多くの選手が競技をしておりました。さらに、近くには国立障害者リハビリテーションセンターもあります。
 そこで、新所沢駅では乗降客数では基準に達しておりませんが、ホームドア設置を要望する市民や団体は多いのではないかと考えられます。事故を未然に防ぐためにも、西武鉄道に対し要望しているのか。また、今後の考えをお示しください。

◎鈴木市民部長 御答弁申し上げます。
 今御案内いただきましたように、新所沢駅は国立障害者リハビリテーションセンターの最寄り駅でございますことから、障害者団体の皆様からホームドアの設置について西武鉄道株式会社に伝えてほしい旨の要望をいただいております。市といたしましても機会があるごとに働きかけているところでございます。
 本市といたしましては、先ほど御答弁申し上げた中間取りまとめを踏まえまして、新所沢駅に早期にホームドアを設置していただけるよう、引き続き要望してまいります。
 以上でございます。

所沢市議会 平成29(2017)年3月定例会 03月07日-06号(強調は引用者による)

 政府の基本計画の「及び」をANDでなくORと解釈して、並列する「視覚障害者団体からの要望が高い鉄道駅」で迫るのもありそうに思えるが、前述した通り、西武鉄道のニュースリリースでは視覚障害者団体うんぬんについては触れられていない。「そもそもそれってどうなの西武鉄道さん!?」と思わなくもない。うーん。

ホームドアのタイプは?

 所沢駅ホームドアのタイプはどのようなものになるのだろうか。これについても平成31(2019)年3月定例会期中の予算特別委員会で質疑があり、「オーダーメイドに近いものになる」ということらしい。

○島田一隆委員 ホームドアの整備事業のところなんですけれども、ホームドアのタイプというのは、池袋駅に今設置されているようなものと同じような形になるんでしょうか。
○山屋交通政策室長 西武鉄道から、イメージとして池袋駅のようなものというふうにお聞きしておりますが、ドアの枚数の関係で、所沢駅については特急もとまりますことから、オーダーメードに近いものになるというふうにもお聞きしております。

[PDF]予算特別委員会 平成31(2019)年3月14日掲載ページ

 ところで、前述した議事録中の「新所沢駅〔…〕で実証試験なんかもございましたけれども」というのは、2013年8月から行われていた「戸袋移動型ホーム柵」の実証実験のことのようだ。西武鉄道サイトのニュースリリースは残念ながらリンク切れになっていたが、ウェブ検索するとブログや動画がヒットする。要は車両の扉位置にあわせてホームドア自体を横にスライドさせられるもののようだ。これが件の「オーダーメイドに近いもの」なのか否かは全く不明だが、新たな営みとして率直に面白い。

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 ホームドアについてもう少し調べていたら、BLOGOSに論考記事を見つけた。記事に対する私の理解をざっくり言えば、ホームドア設置には車両の扉位置が重要で、特急車両は通勤型車両と扉位置が違うことが多いから悩ましくて、でも新型車両のLaviewは対策がされてるっぽいね、というもの。実際にホームドアが設置されたら記事の「答え合わせ」をしてみるのもいいかもしれない。

特急型電車のホームドア対応問題に、西武鉄道が出した秀逸な解答

おわりに

 所沢駅のホームドア、早くできてくれ~~~(小並)