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所沢市2024年度新規事業予算案ピックアップ

 現在開催中の所沢市議会2024年3月定例会に上程されている2024年度予算案から、私が気になった新規事業をいくつかピックアップしてみる。なお、2月20日の傍聴録(下の記事)でも事業をいくつかピックアップしたので、あわせてご覧いただきたい。


 以下、掲載した事業概要調書の画像は全て市長提出議案の議案第8号の議案資料からの抜粋である。

小中学校給食費補助事業

 小野塚市長が公約に掲げていた小中学校給食費無償化の案件がこれだろう。2023年12月定例会の補正予算(議案第119号)で実施した「小中学校給食費保護者負担軽減事業」はこの1月から3月までの無償化だったところ、今回の当初予算案で実施する「小中学校給食費補助事業」は4月以降の無償化のようだ。期間について「期限は設けない」としており、また右下の「翌年度以降の見込み額」にも歳出額が掲載されていることから、2024年度はもちろん2025年度以降も実施していくつもりのように見える。

 私には地元の愛知県に妻子持ちの弟がいる。就職難や物価高騰で子育てが苦しいという話を聞くにつれ、こういう施策は全国各地で行われるべきだという気持ちを新たにしている。今はまだそれが難しいとしても、「江戸の仇を長崎で討つ」じゃないけど、せめて所沢でこういった施策が充実してくれればと願っている。今の子どもたちの未来は20年後のこの世界すなわち私たち全員の未来なのだから、かような富の再配分は私たち全員の利益になるものだ、と私は信じている。

市議会インターネット中継事業(会議録表示機能追加)

 市議会中継の録画配信に会議録データを表示する機能を導入するとのこと。録画配信と会議録を2ウインドウで表示しなくてもよくなりそうでイイ。特にスマホでの閲覧時に便利そう。

産業医(精神科領域)設置事業

 精神科医の産業医を任命して、メンタル不調の病休取得者(市職員なのだろう)の円滑な職場復帰につなげるとのこと。むしろ今までいなかったことが驚きだ。今いる人を大切に扱うことは人不足の時代における人材確保の観点でも理に適うものだろう。

市庁舎施設整備事業(市庁舎基幹設備改修工事)

 市庁舎の長寿命化、バリアフリー法に則した設備改修、およびトイレの改修。和式トイレを洋式トイレに改修するというのは、ちょくちょく市庁舎に行く身としては嬉しい限り。

中核市移行準備事業

 直近に中核市へ移行した茨城県水戸市と愛知県一宮市を視察するための旅費を計上。所沢市は中核市移行準備プロジェクトチームを立ち上げたとのことだったのでこれから中核市移行に注力していくものと期待しているところだが、予算として見えるのはこの程度なんだろうか。

公立保育園紙おむつ処分業務委託事業

 公立保育園における使用済み紙おむつについて、保護者持ち帰りによる処分から委託業者による処分へ運用を変更し、保護者や保育士の負担軽減を図るとのこと。とてもいぶし銀な事業だと思う。紙おむつの処分については2023年6月定例会の一般質問で大久保議員が話題にしていた

国登録有形文化財「旭橋」電灯復元事業

 飛行機新道の東川にかかる旭橋にかつてあった電灯を復元しようという事業。2024年度は設計と製作を行い、2025年度に設置工事を行うとのこと。「電灯の資料調査を行ったところ、施工当時の設計図面などの資料を発見することができた」って熱すぎでしょ。確かな過去に立脚して歴史を伝える、素晴らしい事業だと思う。