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夏の卵はシフォンが作りにくい?!

暑い日が多かった今年。
暑い日が多いと卵、水っぽくなる?!

夏はシフォンが作りにくいです。。。
と生徒さんから言われることがとても多いです。
本当に夏は卵が変わるんでしょうか?

結論から言うと

作りにくい!!

です。
これは卵についてよく理解すると、少し解決の糸口が見えます。

卵について学ぶのであれば、まずはニワトリさんから

夏のニワトリさんについて。こちらは「たまご倶楽部officialーBlog」さま、「さかもと養鶏さまブログ」、「秋川牧園さまブログ」より引用させていただきます。

ニワトリを含む鳥類には汗腺がないため、人間と違って汗をかくことができません。
代わりに口を開けて浅く早い呼吸をして体温を下げます。
特に気温が急上昇するこの時期には、普段の10倍以上の速さで呼吸をするものですから、とても喉が渇くようです。
そこでニワトリは水をガブガブ飲みますし、暑いので食欲も下がってしまうそうです。

そうなるとニワトリが産む卵はどうなるか?

水分をたくさん含んで
白身が盛り上がりに欠けて水っぽくなる

餌もあまり食べないので、
黄身の色も薄くなったり、バラついたりしてしまう

そうです!!
ニワトリさんが飲んだ水は白身に、採った栄養は黄身に影響してくるのです。

この時期の卵は新鮮なものでも、他の季節より白身が緩くなったり、黄身の色が薄くなったりということがあります。
スーパーで買ってきたばかりなのに。。。
これは決して、一概に卵が古くなった悪い卵ということではなく、この季節特有のものが原因なのかもしれませんね。

余談ですが。。。
この時期はニワトリさんも暑さからくるストレスがあるので、農家さんたちはニワトリさんのストレスを少しでも和らげようと、エサには天然ビタミンやミネラル、カロチン、にんにくなどを強化して与えていらっしゃるそうですよ。
なので、この時期の卵の味自体は、普段より一層美味しくなっていることが多いそうです。
夏場は黄身が黄色いものが多いのは、農家さんのこんな努力があるからなのですね。

このように私たちは卵の新鮮さを
「黄身・卵白がこんもりとして厚みのあるもの」
というイメージを多くの人が持っています。

確かに卵が産まれたときは、黄身を包むようにして濃厚卵白がはっきりしています。
その後、時間の経過に伴い濃厚卵白は少しずつ水溶性卵白に変り、黄身も白身も盛り上がりがなくなっていきます。
この変化は、時間が経つほど進んでいき、温度が高いとより進行が早くなりますので、冬より夏の方が盛り上がりが少なくなりがちです。

黄身の盛り上がりが少なく白身が流れてしまう原因
①鶏の飲む水の量
これは先ほどもご説明しましたね。
暑くなると、私たち人間が喉が渇くのと同じように、ニワトリも喉が渇くので、水を飲む量が増えます。
暑さで食欲が落ち、水分を取る傾向があるので、濃厚卵白の濃度が下がり、水っぽくなります。

②ニワトリの月齢
まだ若いニワトリの産む「小さい卵」ほど卵白が盛り上がり、年配のニワトリが産んだ「大きい卵」は盛り上がりが少ない傾向にあります。
一般的には、卵のサイズは成長と共に大きくなります。

夏の卵が水っぽくなる原因はわかりましたか?

シフォンケーキは卵白で作るメレンゲが命のケーキです。
卵は新鮮なものを使用した方が作りやすいです。
なぜなら、濃厚卵白がしっかりしているからです。
ハンドミキサーの羽根にしっかりからんで、攪拌しやすくなります。

いくら新鮮な卵を使用しても、濃厚卵白が濃度が下がる夏は作りにくくなるというのは、納得ですね。

〇購入した卵はよく冷やす。
〇計量した卵白は、ボウルごとよく冷やす。(凍らない程度)
〇メレンゲを作る時間を早めに終わらせる。

このようなことに気を付けると、夏場も良いメレンゲができると思います。

さて、次回は卵のサイズについてお話していきます。
お楽しみに♪

米粉シフォン専門プロコースでは、こんな感じで、卵、米粉、砂糖、油について実証実験しながら学んでいきます。
次回募集はもう少しで始まります。
2024年4月スタート生、もう少しお待ちください。

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