見出し画像

とっておきの話。

最近気付いたことなのですが、私は「普段使い」と「とっておき」をあらゆる場面で設定しています。

洋服も、メイクも、アクセサリーも、全部使い分けているのです。

これって私にとっては当たり前というか、普通のことだったんですけど常に変わらずニュートラルな状態の人もいるんですよね。彼氏もそういう人なんですが。

私、彼氏みたいな人に本当に憧れていまして、あまり行動範囲を広げずにひとつひとつを丁寧にしながら、生きている人というのでしょうか。楽器も手入れが行き届いていて、ちゃんと自分にしっくりくるものを選び、付き合い続けていて、毎朝ちゃんと髪をセットして、ワードローブも整っており、いつもシャンプーや洗剤の良い香りがしている。(私は香料とか推奨していませんが、つまり清潔感があるということが言いたいのです。)

私は、ごめんなさい。
作業に集中してるとお風呂に入るのも忘れるし、次の日が休みで家を出ない日は敢えて入らなかったり、洗い物が面倒だと一つのプレートに全部料理乗せて食べるし、同じ洋服を何日も着てることあるし、冒頭に書いた「普段使い」のものは、結構ボロボロになっても気にしない、それがむしろ味になって良い!というくらいの気持ちでいるんです。でも、それでも物持ちは良い方だと思うんですけどね。

だから、私には動きやすくて汚れとか気にしなくていい「普段」と、とても気に入っていて大切にしたい、特別な日だけに出す「とっておき」があるんですよね。

どちらが大事かは比べられないのですが、付き合いが長くなるのは圧倒的に「普段使い」なんです。という意味では、親密度は高いような気がします。

これ、仕事に関しても考えてることだなって思ったんですよね。私にとって、絵は「とっておき」なんです。だから、なかなか絵だけで仕事が成り立たないというか、私がそれだけで成り立たせていきたい、と考えられない。私の「普段」は、ハンドメイドのお洋服の販売企画や、テディベアを作ることなんですね。つまり、大事にしすぎてしまうと、なかなかそれが中心の生活にはならないんですよね。

以前に適当にすることの大切さについて書きましたが、それにも通ずる話のような気がします。

私の友だちで漫画家の子って、みんないっぱい描いてどんどん持ち込んで、自分から動いて、描いて、仕事取りに行ってるんですよ。ほんとすごいなと思うんですが、逆に言えばそれさえしている子は、ちゃんと絵で食べていけるようになってるんですよね。例え生活が苦しかったとしても、です。それがすごいなって思うし、才能だなって感じるんです。私はもう、締め切りに追われちゃうとほんと全然ダメで、今みたいに作品が溜まったら発表する。っていう感じのスタイルになったんですけど、やっぱり好きなことをメインに動いてる子って尊敬しちゃいます。

私は根っこの性格が、人をサポートしたりリーダーシップ取ったりするのが好きな、集団で動くのが向いてるタイプなので、自分一人で積極的に動いていくというのが本当にできないんですね。彼氏も組織に居て、バンド組んでる人なので、そういうところがあるのかもしれません。単独より人と組む方が物事を進めていきやすいタイプです。

それでも私、どこかで絵を描くの仕事にしたいってまだ諦めきれていないんです(笑)

それが諦められなかったら私にできることは一つで、とにかく気を抜いて、力まずに、こだわりすぎずに、数をこなし続けることだと思うんですよね。量をこなすほど技術は身に付いていくし、要はそれを習慣化させることがものすごく大事なんですよね。良い絵を描こう!とか思う前に、浮かんできたものをどんどん紙の上に出して、描けない部分は資料とか見て描いて、それをとにかくたくさんたくさんやっていくのです。そしたら、自然と体が覚えてきてできるようになっていくんですよね。もちろん、良い絵が描きたいとか、上手くなりたいって気持ちを持っているのはすごく大事なことなんですけど、意気込みだけが空回りしていても現実にはならない、ということなんです。昔、声優になりたいという女の子が、なりたい余りにというか、想いが強すぎるだけにとてもつらそうだった時に話を聞いていたことがあって、それを思い出してしまいます。

ちょっと、この壁を越えたいなぁ…と思うんですが、私は仕事も料理も掃除もテディベア作りも旅行も好きなので、なかなか習慣に組み込むことが難しいなぁ…。ただ、無理矢理にでもそれをやるかやらないかで、未来はどんどん変わっていくのだろうなぁと思います。

今の「普段」を少しずつ削っていき、今の「とっておき」が、「普段」になれるように生きていけたらいいですよね。ただ、残念ながら私は今の「普段」にもかなり満足してしまってるので、どうなるのかはわかりません。あと、たまたま私の周りのともだちがみんな夢を実現させてるんですけど、やっぱり現実はそこまで甘くないのかもしれませんよね。本当に崖っぷちで本気出さないと結果出せないって言う人もいますし、描いても描いてもあまり上手くならない人っていうのもいますので、センスとか性格も大いに関係あるのかもしれません。

そういえば、お店のお客さんが貸してくれた本で東京芸大の学生の話が載っている本があったんですが、そこに書いてあった内容の中で、芸大の中でも音大の学生か美大の学生かというのは見ればすぐわかるというのがありました。音大の学生は身なりが清潔でキレイだけど、美大の学生はボロボロなのだと書いてあったのですが、これって彼氏と私、そのままですね(笑)
その本の分析によると、音楽をやる人は自分自身も舞台に立つので作品の一部と考える。美術をやる人は作品が主役なのでそこに自分自身をぶつけており、身なりに気を配る必要性を感じない。みたいな内容でした。確かに、演出でない限り身なりがよれよれでベースを弾くのは格好悪いし(彼氏がベーシストなので)髪や洋服が汚れるのを気にして製作に集中できないのでは本末転倒だし、まぁ適材適所というのか、成るべくしてこうなっているのでしょう。

今後のこともまた少しずつ書いていこうと思います。

ご拝読いただき、ありがとうございます*

ご拝読いただきまして、誠にありがとうございます*