swfiが誕生するまで_#4

5回くらいで現在までたどり着けるかなと思っていたのですが、
もっとかかりそうです…。
まだまだ序章といった所ですが、
ひとつひとつ私にとっては大事な過程なので、
しっかり書いていこうと思います。
お付き合い頂けると幸いです。

◆ママが業界にあわせていくには

私は当時「映画業界が変わるわけがない」と思っていたので、
この業界で子供を持ってからも働いていくならば、
業界に合わせて子育てができるような環境がないといけない!
と思っていました。

考え方の軸が、あくまでも「業界主体」だったわけです。

撮影所に24時間の託児所があればいいのでは?
作品にシッターさんが常駐する、組付きベビーシッターがいればいいのでは?
業界人が多く住んでいるエリアに24時間の託児所をいくつか作る!
そんな理想がぽんぽん飛び出しました。
そうしたら子供を育てながらもっと仕事ができるのに!と。

けれどこれには問題点がたくさんあるわけです。

仮に撮影所に24時間の託児所ができたとして、
その撮影所に作品が入ってる人ならいいけれど、
そうじゃない人は?セットが無い、オールロケの作品の時はどうするの?
新宿に朝6時に集合するその前に一度撮影所に寄って託児してから新宿に向かう?乳幼児を4時に叩き起こして、タクシーで撮影所へ向かう??

そもそも、果たして利用者が何人いるのか?
周りを見渡しても、育児中の人だけで片手で足りる程度、その中で託児所を利用してまで働こう、と思っていそうな人は思い浮かばない。
3歳以上のお子さんが居る方はもう幼稚園などすでに通っているし、
あったらいいけど全く現実的じゃなさそう…

・24時間営業の保育園とは

私は当時、認可外保育園(22時閉園)に娘を預けており、
お迎えはだいたい21時で、月10万円程度払っていました。
今思うとよくやっていたなと思いますが、
「子供がいたってこの仕事やれる」っていうのを後輩達に見せたい、
「意外にやれるでしょ、だから普段通り仕事ください!」というアピールがしたかった。意地でした。
園の先生たちはいつもにこにこ、誰も遅い事を責めもしないし、
まだ娘は小さくて文句も言わなかったから、罪悪感もあまりありませんでした。

ただ、これがもし24時間営業の園だったら、
10万円じゃきかない事は容易に想像できました。

その認可外保育園を経営している会社は、
別の場所で24時間営業の園も経営していたので、一度営業の方と電話で話をさせてもらった事があります。
24時間の園はどういう金額、ルールなのか??
業界の説明をして、撮影所やその近くに園を作る事はできるのかなど、
色々と話を聞きました。

以下箇条書きですが聞いた内容↓

私が求めている形態は、病院の中にある「院内保育所」に近い。
24時間営業で夜勤の看護師さんも子供を預けられる。
ただ、24時間営業は、24時間以上預けられるという事ではない。
基本24時間以上の託児というプランはなく、どうしてもの場合でも、
24時間経過する前に一度は顔を見に来るなどしてもらわないといけない。
保育士は寝てはいけないので、当然交代制になる→1人というわけにはいかない。

保育所となる場所は、2方向避難ができる場所でなければならず、
広さによって受け入れられる子供の数も決まる。
そして子供何人につき保育者1人、など細かく規定があるので、
それらをクリアする物件と保育士を確保しないといけない。

院内保育所は、病院が保育所を経営する会社に運営を委託する「委託運営」となる。
24時間保育所の場合、月々の運営費は最低でも130万する。
その運営費の8割は福利厚生として病院が負担する。
残りの2割を利用者が負担する、という流れ。

・・・・・無理だ、、
利用者が最初はたった数人しかいなさそうな状況で月130万円、
福利厚生なんかじゃありません。すべて自己負担です。
これは無理な話です。
では例えば東宝スタジオに託児所を作って、
東宝に8割を出してもらう??
そうすると東宝の社員優先になったりしないか?
それこそ東宝にセットやスタッフルームが入っている組の人しか、
その組の間にしか使えなくなりそうです。

そして私はまだ子供を連れて電車出勤をした事がなかったので、
その辛さを考慮できていなかったし、
一般企業で社内に託児所がある会社でも、
子供をつれての通勤が厳しく、結局利用者は少ない、
といったような情報も当時は知りませんでした。

また、このような業界人向けの託児所ができたとしても、
小学校に入るまでの未就学児までしか対応できません。

そして子供にだって意思があります。
赤ちゃんだったらおとなしく24時間でも預けられてくれるかもしれません。文句も言いません。
でも2歳にもなると、言葉も出てくるし、
主張もしてくるし、ストレスがあると指しゃぶりや爪噛みがでたりなど、
親の都合だけで預けてばかりいるわけにもいかなくなったりもします。

当時の私はまだ成長したあとに出てくる問題や変化を想像できていなかったので、
今思うと本当に理想だけで物をいっていたなぁと思います。

今、認可外から認可に移って思うのは、
すべての年齢が一緒くたに過ごしていた認可外よりも、
学年別に別れている認可のほうが、年齢に合ったカリキュラムで
制作や運動などをさせてくれるので、
成長に良いな、という点です。
また、季節行事なども丁寧にやっている印象です。

ひたすら親の仕事に寄り添ってくれて、24時間あずけられる託児所があったとしても、果たしてそれが子供にとっていいのかどうか、、
これは考えさせられる部分でした。

子供を認可外に21時すぎまで預けつつ働いて、
しばらくずっと上記のような事を考え続けていましたが、
金額などを知り、これは無理だな、、と気づきました。

また、子供を育てつつ仕事を続けてきた、数少ない先輩ママたち(例のごとく主に衣裳さん)が
「小学校入る前のかわいい時間はあっという間、その時間をもっと一緒にすごせばよかった」
「仕事が途切れたら、っていう不安で、必死に仕事入れちゃってたのよね」
と言っているのを聞いて、
だんだんと、考えが変化してきました。

なんで私「ママが業界に合わせる」方向でずっと考えていたのだろうか。
そもそも労働時間がおかしいじゃないか。
業界は変わりっこない、そう思ってる自分こそが、変わらない原因のひとつなんじゃないか?

業界全体が変わらないと、子育てしながら働ける日なんて来ないんだ

という所に考えが至ったのです。

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swfi

映画業界で働く女性を守る会 Support for Women in the Film Industry. 映画業界で働く1児の母saoriと、元映画業界人で3児の母yuriが中心となり、 映画業界をよりよくする為のNPO法人設立に向けて任意団体として活動しています。
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