汗とかき氷

おはよう。

「ありがとうございましたー!また、いらしてください!」

いつもお願いする美容院のお姉さんが、店舗の入り口まで快活に見送ってくれた。

信頼するその美容院のお姉さんは、今回ばかりは「えいや!」とばかりに私の髪を切り、染め上げた。
想定外の仕上がりに少し戸惑ったが、綺麗になった髪を風になびかせながら街を歩く。
後ろの予定もないからと、久しぶりに街をぐるぐると歩く。猛暑の日照りが綺麗にしたばかりの髪の合間をぬって肌を焼き付け、首筋が汗ばむ。

半年ぶりにやってきたこの街は、相変わらず活気があり、そしてお洒落だ。
かき氷が食べたいと、記憶を辿ってやってきたお店は、私と同じ思考のお客でいっぱいだ。

諦めてクレープにしようと、小道にある小さな呑めるクレープ屋に入る。
カウンター6席ほどの小さなお店は、昼間だというのにかき氷にラム酒を混ぜて「冷たい」と言いながら食べる老夫が一人。
それから、「いつもの」と言って普通の3倍はあるコップに注がれた飲み物を紙ストローをさして飲むふくよかな青年が一人。何を飲んでいるのかと好奇の視線を2秒程送って、目の前に出されたかき氷と対峙する。

かき氷を作った人は素敵な発想力を持っているよなあ。ほとんどカロリーゼロだもんなぁ。そんな風に脳は氷を処理していく。

首筋にあった汗は、肌に馴染み、口から入ったかき氷と共に身体の一部と化した。

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汗とかき氷のお話。
かき氷って、突然食べたくなったりするもので。不思議な食べ物だなあと思います。
結局、涼しい場所で食べないと、汗をかきながらかき氷を食べるわけなのだけれど、それはそれで夏の風情ある素敵な情景だなあと思います。

今日もいってらっしゃい
そして、おかえりなさい

文章にあった絵を書いてくださる方、募集していたり。していなかったり。