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「現代 アウトサイダーアート リアル」とあのリアル

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先日、櫻本京一とXLが出展作家として参加した展覧会「現代 アウトサイダーアート リアル ― 現代美術の先にあるもの ―」を鑑賞した。

個性溢れまくる作品群と、それぞれの個性を殺さないキュレーションは見事だったし、なんせ会場がね、田舎モンは無条件にビビってしまう東京・表参道のド真ん中、1階がCHANELの「GYRE」っていうのもやっぱすごかった。

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櫻本とXLの2人はとても嬉しそうだったし、「笑ってしまうくらいに馬鹿デカい花束を渡す大作戦!」によって、この展覧会のキュレーターである「ACM Gallery」の杉本志乃さん、そして妹の華世さんを笑わすことにも成功した。

花束を運ぶ道すがら、すれ違う人たちが笑っていたのも嬉しかった。

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展覧会は10月27日で終了したが、杉本さんたちは休むことなく、今度は「アウトサイダー・アートフェア NY」への初出展を果たすべく、クラウドファウンディングに挑戦中だ。

リターンのひとつ、「現代 アウトサイダーアート リアル ― 現代美術の先にあるもの ―」展カタログには僕も寄稿させていただいている。昨今、障害者と芸術表現の親和性が注目されているが、いや、ちょっと違うんじゃないか? という論旨である。

気になる方は、クラウドファウンディングへGO!して、DO!してみてください!

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さて、展示を堪能してビルを出て、京都への帰路につこうとした矢先、僕は突然、強烈な既視感に襲われる。

はじめて来た表参道だ。

が、この既視感には身に覚えがある。

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「恵文社一乗寺店ギャラリーアンフェール」にてKAZUSHI個展「LOVE KILLS YOU.」を開催したのは1年半前こと、そしてKAZUSHIが突然コラージュ制作をはじめたのは、もう3年以上前のことだ。

彼のモジモジとした恥ずかしげな様子とは裏腹に、その表現世界は大胆不適、奇妙奇天烈。

著作権とか肖像権とかプライバシー権とか、様々な権利に対する、「愛」を武器にした戦いは今も絶えることなく続いている。

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同時にその禁断の世界に触れる人たちの度肝を抜き、痛快に笑かし続けているわけであるが、個人的にはその最も初期の作品、あの「表参道の衝撃」を上回る感動(?)を味わうことは難しいんじゃないかと思ってきた。

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そう、今目の前にあるこの景色はワオワオ!!! 

「表参道ヒルズ」の前でベビーカー押したことないし、お洒落なワンピース着たことないのにそういうことにされて、無理やり既視感を感じさせられた、あの景色やないか!!!

なんという運命のいたずらだろうか。

「GYRE」は表参道ヒルズの(ほぼ)真向かいにあったのだ。

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既視感の既視感」という未知のゾーンにぶち込まれた興奮に身を委ねつつ、僕は「あの場所を見つけたい!」という、強い欲求に駆られた。

この東京出張に同行し、またKAZUSHIのコラージュ制作を見つめ続けてきたあやちゃんもノリノリだった(櫻本とXLは「仕方ないなあ……」といった感じだった)。

素早く彼女は例の画像をどこからか探し出し、僕たちは虚構とリアルを見比べながら、足を使って行きつ戻りつ、スマホの画面を何度も何度も見つめる。

何かヒントはないか??

あの場所を特定する手がかりはどこかにないか??

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あった。これだ。

点字ブロックとマンホールと四角いヤツがギュッ! としてる場所。

ここを探せばいいのだ!

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彷徨い、探し続けること約1時間。

乗車予定の新幹線の時間はもう過ぎてしまったが、ここだ、ここで間違いない。

ほら、点字ブロックとマンホールと四角いヤツが3つ並んでいる。

点字ブロック、だいぶ色が変わっちゃってるねー。

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さあ、後はあのときの感じを再現すれば今回のミッションは完了だ。

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そして遂に、遂に僕は帰ってきた(何でやねん)。

まるで記憶の果ての生まれ故郷に帰ってきたような、ダライ・ラマの生まれ変わりを見つけたときのような(知らんけど)、そんな不思議な感慨に包まれる。

これで狂い続けてきた人生の辻褄が、ようやく合うに違いない(だから何でやねん)。

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