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東京国立博物館

東京遠征2日目は東京国立博物館です。開門と同時に入り、本館へ。大勢の方が並んで開門を待っていて少し驚きました。

朝の東博

まずは本館で行われている特別展「中尊寺金色堂」を見ました。岩手県の平泉にある中尊寺金色堂の建立900年を記念して開催する特別展で、須弥壇に安置されている国宝の仏像が勢ぞろい&美しい工芸品や金銀の文字で書かれたお経を拝見できる機会なのです。

会場に入ると大きなスクリーンに金色堂が8KCGの技術を用い原寸大で映し出され、まずはそれを見て気分が盛り上がります。

国宝 増長天立像 持国天立像

国宝の仏像はどれも素晴らしいものでしたが、目を奪われたのは増長天立像の表情と躍動感のある動きでした。平安時代の作で、慶派と見まごうばかりの動きで着衣の特に袖のひだなども美しくて見入ってしまいました。

フォトスポット 金色堂模型縮尺5分の1

その他、迦陵頻伽の華鬘や中尊寺経と呼ばれる金と銀泥を1行おきに使って書かれた見事な一切経なども拝見し、満足して会場を出ました。
次は平成館で行われている特別展「本阿弥光悦の大宇宙」です。

平成館入口付近にて

本阿弥光悦は戦国の世から江戸時代の初めにかけて活躍をした人で、何のジャンルで活躍したかというと一言では説明できないくらいに幅広い分野で名前の出てくる人ではあります。
生まれた家は刀剣の鑑定の目利きの家系で、光悦も相当な目利きであったようです。そうした本阿弥家の史料に始まって、光悦の名前のついた謡本、蒔絵との関わり、そして信仰について。光悦がどういった人物で何を学び、何を信じ、生きていったのか浮かび上がらせるような内容でした。
そして、光悦の書です。時には楷書と行書が入り混じり、掠れた細い線かと思えば墨のたっぷり使われた太い文字。自由に書いているようにも見えますが、バランスよく美しく考えられたレイアウトではないかと感じました。

鶴下絵三十六歌仙和歌巻(絵ハガキより)

圧巻だったのが重文の「鶴下絵三十六歌仙和歌巻」です。これは長い長い巻物ですが全てを見られるような展示でした。コンビを組むことの多かった俵屋宗達が下絵を描き、光悦が三十六歌仙の和歌を散らし書きで書いています。宗達の描く鶴は画面の上や下を自由に飛び回っています。そして、その動きに呼応するかのような光悦の文字が絶妙の間隔で散らされているのです。素晴らしかったです。

鶴下絵三十六歌仙和歌巻のマステ

光悦の手による楽茶碗も見て(長次郎と道入のもあった)、最後に神坂雪佳の描いた本阿弥光悦肖像を見て会場をあとにしました。この肖像、一番最初に置いてあった坐像と同じ顔をしていて、なるほど実際の彼もこういう顔だったのかなと思いました。
そして、ショップへ行くと、さきほど見て感動した鶴下絵三十六歌仙和歌巻がそっくりそのまま4周しているというマステを発見。嬉しくなって購入。これを思いついた人、すごいですよね。

国宝 竜首水瓶(法隆寺宝物館にて)

その後、法隆寺宝物館のガーデンテラスでお昼を食べて、そのまま展示を見てデジタル法隆寺宝物館に感心したりして、本館へ戻り総合展示を堪能しました。

蘭亭曲水図屏風 与謝蕪村筆

与謝蕪村の蘭亭の屏風を見たり池大雅の一行書「花開万国春」を見たり、浮世絵のコーナーは雪景色のものが集まっていたり(北斎の「信州諏訪湖水氷渡」が面白かったです)、伝香川県出土の国宝の銅鐸は、神戸市博の国宝の銅鐸と絵柄が似ているなーと思ったり、いつ来てもトーハクは面白く学びが多いです。次はいつ行けるかな(もう自宅に帰ってきました)。

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