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宗達 物語の風景 - 源氏・伊勢・西行 -

和泉市久保惣記念美術館で「宗達 物語の風景 -源氏・伊勢・西行- 」を見てきました。こちらの美術館は大阪府の、かなり南にあります。我が家からはとても遠くて乗り換え乗り換えで時間がかかるため、「行くぞ!」と一大決心をして前日から電車やバスの時刻を調べて行かなければなりません。
和泉中央駅で降りて美術館行きのバスに乗るのですが、バスは1時間に2本しかありませんので、帰りのバスの時刻も気にしながら鑑賞しました。

美術館正面入り口

今回の特別展は、近世やまと絵を考える上で土佐派と住吉派とともに重要な位置を占める俵屋宗達を対象とした展覧会です。俵屋宗達とその工房では、扇絵や寺院の杉戸絵などを制作し庶民から貴族にいたるまで広く愛されていたそうです。

撮影コーナーにて

最初の展示室では、源氏物語を描いた2点の屏風絵に描かれたものを見ていきました。屏風絵と言っても現在は掛け幅や額、画巻に改装されているもので、特にコレクターの団琢磨氏が所蔵していたものは「団家本」と呼ばれていて、六曲一双だったものが54図に分けられてバラバラになってしまったものを集めて展示しています。もとの屏風のどの部分にあたるのかという資料もいただけました。

源氏物語 松風図(部分)
フライヤーの写真より

俵屋宗達の描いたものを多数見せていただき、すごいなと思ったのは、その構図の斬新さというかモダンさでした。このシーンでは誰を、何を、どんなふうに見せたいかを考えてドラマを感じるような絵だと感じました。図版がありませんが朧月夜と源氏を描いた花宴図は、朧月夜がすっくと立つ後姿が真ん中に描かれており印象に残りました。

源氏物語 橋姫図
フライヤーの写真より

伊勢物語図色紙は、いろいろな美術館や個人の方から多数集めてきました、という感じで多数の展示がありました。贅沢に使われた金泥、ひとつひとつに書き込まれた和歌など、見どころがたくさんありました。

重文 蔦の細道図屏風 右隻
伝俵屋宗達筆、烏丸光広書

最後の展示室には重文の「蔦の細道図屏風」が展示されていて、その斬新な構図に驚き、魅せられました。

新館から本館へは、お庭を眺めながら外を歩いて移動します

本阿弥光悦の書、宗達の下絵という新古今和歌集色紙も何枚かあり、それらもとても素晴らしかったです(センスが良すぎます)。
今回の展覧会について詳しく書かれた記事を見つけましたのでリンクを貼っておきます。

今回は、「ミュージアムぐるっとパス関西2023」を使って入館しました。久保惣さんでは特別展はぐるパスで50%割引で見ることができます(常設展は無料になります)。秋から冬にかけて良い展覧会が目白押しですし、ぐるパスは佐川美術館の年末から2月にかけての特別展が無料になるんですよ。今年度は12/14~2/25の「エッシャー展」を無料で見ることができます。それを見るだけでも十分もとが取れると思いますし、それだけではなく多くの美術館で特典が受けられますのでおすすめします。
こちらのパスブックはスタンプラリーになっていて、7館以上のスタンプを集めるとプレゼントに応募できるようになっています。このプレゼントは(多分)倍率が低いみたいで2回応募して2回とも展覧会の招待券をいただけました。そういう意味でも、ミュージアム大好きな関西の方にはおすすめです。


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