見出し画像

ざっくりとした「将棋教室の開き方」

思いつくままにメモしときます。ご参考までに。

ここではボランティア精神にあふれたものではなく、採算を取るのが目標の教室とします。

(1)周辺のライバル教室を調べよう

ライバルは将棋教室だけではありません。習い事全般です。

(2)ターゲットを決めよう

A:年齢層 ちっちゃい子、こども、若者、おじさまおばさま、お年寄り。
B:棋力 ルールを知らない人への対応方法は考えておきましょう。個人的には抵抗がある考え方ですが、「受け付けない」も選択肢のひとつ。なお、やり方次第では「先生より強い生徒の指導」も可能です。
C:人数 先生が面倒を見きれる人数で。
D:距離 生徒さんが教室に来るまでの所要時間。
E:受講者の熱意 習い事だからといやいや来る人もいます。

(3)5W2Hを決めよう

…以前読んだ、カフェ開業の本の受け売りです。(6Wだった気もするけど)

When いつ (開講日時)
Who 誰が (ひとりか、手伝いがいるのか。手伝いが必要ならアテはあるのか)
Where どこで (自前か。借りるか。自宅教室もあり)
What 何を (これは「将棋教室を」かな。どんなクラスを、かも)
Why なぜ (何のために開くのか。どんな生徒を育てたいのか)
How どうやって (形式。道場タイプ、講座タイプ、指導対局タイプなど。また告知、宣伝の方法もここに含まれるかも)
How much (いくらいただくのか。…の前に予算を立てよう)
という感じ。

(4)もうちょい細かく決めよう

例えば開講の時間帯。
平日のこども対象なら学校(幼稚園)が終わる時間帯~19時頃まで。低学年だと20時には寝ますから。
公立小学校の下校時刻は調べておきましょう。

(5)物件を探そう

(4)までで理想の教室像が見えてきましたので、教室開講場所を決めましょう。
教室の物件は、ざっくり分けて「自宅」「テナント」「時間貸しスペース」「その他」が考えられます。
それぞれメリットとデメリットがありますので、比較してみるといいでしょう。
自宅が賃貸の場合は、教室を開くことが契約違反になることもあるのでご確認を。
テナントを借りる場合は、不動産屋さんに相談に行きます。でも不動産屋さんは将棋教室のイメージがわかないので、置きたいもの、入れたい人数をまとめておきましょう。というわけで、次の(6)とは併行して。

(6)備品をそろえよう

将棋教室で必要なものは以下です。
・将棋盤・駒

…あれ、これだけだった。以下のものはあれば便利ですね。

大盤・ホワイトボード・机・椅子・月謝袋(領収証)・対局の記録(手合カード、指導対局の記録ノート)・棋書

なお日本将棋連盟公認の指導員になると、盤駒などが比較的安価で購入できます。(用途が普及に限ります)

大盤はあったほうが便利ですが、現実問題として結構高価です。
なければホワイトボードに線を引いて、マグネット盤の駒を置く方法もあります。ないよりマシです。
大人数だと見えないので、「生徒が○人になったら大盤を買おう」という目標にしてもいいでしょう。

大事なのは、後から買い足せるということです。慌てて完璧にそろえる必要はありません。

(7)告知しよう

いくらハコや先生がよくても、知ってもらわないことには生徒さんは集まりません。
口コミから有料広告まで、いろいろ使ってみましょう。
将棋関係なら、月刊誌「将棋世界」のイベント告知ページ、日本将棋連盟のイベント情報ページ。無料で載せてもらえます。
また将棋連盟公認指導員の場合は日本将棋連盟の「教室一覧」(リンク先は近畿地方)に載せてもらうことが可能です。指導員の年会費は1万円ですが、ここの広告出稿費と思えば高くはないと思います。
また地域密着型のフリーペーパーでは、教室情報を有料で載せてもらうことが可能です。「新年度から新しい習い事を始めよう」など、特集が組まれることもあります。文字数単位で単価が決められていることが多いです。
あくまで無料で告知したいのなら、SNSの活用が早いと思います。
有料の広告は意外と効果が見えません。直近の生徒さんの獲得だけでなく、教室の認知度向上も考慮に入れて、気長に出していきましょう。

(8)体験教室を開こう

体験教室は、本番を前に生徒さんを集める手段というだけでなく、実際の教室の流れを確認する非常に大事なものです。
できるだけ本番と同じ形で行い、スケジュールに無理がないか、動線が混乱しないか、確認しましょう。
不安ならば複数回開講し、改善していきましょう。
受講者(親御さん)にアンケートにご協力いただければ参考になります。アンケートは自由記述方式よりも選択式のほうが回答率が高まります。
教室内で怪我しそうな場所があれば注意喚起したり、修繕したりします。

(9)いよいよ開講!

さていよいよ開講です。
うまく行くかなと不安になるかもしれませんが、教室を開く限りはあなたはプロです。プロの誇りを持って、堂々と教室を運営しましょう。不安は伝染します。
最初は生徒さんが少ないのが当たり前です。よい教室であれば、口コミで生徒さんは増えていきます。
ただ、生徒さんが少ないと収入も少ないわけですので、初期投資額+半年間の生活費のめどを立てて開講するのがオススメです。

(10)会計はちゃんとしよう。税金は払おう。

最後に、将棋教室の会計について。
細かいことは税務署に聞いてほしいですが、とりあえずごまかさずに、受講料は収入として計上しましょう!
何日にいくらもらった、何日にいくら払っただけでいいから書き留めておきましょう。あとは税務署で聞いて。
スワは教室開講を機に青色申告にしました。
税務署で青色申告の手続きしたら、あとは税務署の職員さんを質問攻めにしたらいいから、とにかく税金はちゃんと払って!
税金だけじゃなくて、記録を作っておかないと生徒さんと「払った」「払ってない」と揉めることにもなりかねません。
お金のトラブルはほんと禍根を残すから、とにかく記録を残しておいてください。生徒さんには月謝袋や領収書、先生側には出席簿。双方に記録を残すのがいいでしょう。

(11)最後になりましたが。

将棋教室は、じっと待つことが大事です。
生徒さんを平手でぼこぼこにするなんてもってのほか。
生徒さんの力が引き出せるような指導で行きましょう。

ひとつだけコツを。
人間は、動くものに目が行きます。
例えば10枚落ちで、上手が玉を守る手段がなく、指す手がないからと端歩を突いてはいけません。
下手の人は、上手が動かした端歩に目が行きます。
本当に10枚落ちで下手に勝ってほしいのであれば、動かすべきなのは玉です。ひたすら玉です。
行って、戻って、でいいですから、玉を動かしましょう。
そうすると、下手も玉のほうを見るので、寄せを発見しやすくなります。

反対に、「10枚落ち卒業試験」など「上手がどうしても勝ちたい」対局では全然違う駒を動かすのがコツになります。

ざっくりなのに長文になりました。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
この文章ええなぁ、と思われた方はチャリンと課金していただくか、ポポのイベントにお越しください。もちろん入会も待っています。

ここから先は

0字

¥ 100

いただいたサポートは、教室・道場探訪の交通費として活用させていただきます。皆さんのサポートで、より多くの教室を紹介させてください!