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ホラーゲーム「零」が好きという話

ホラーは苦手だが「零」が好き

「零」シリーズといえば、言わずと知れた和ホラーの傑作ゲームだ。

プレステとWiiで出ていて、最新作は2014年に出たWiiの「濡鴉ノ巫女」だ。

公式サイトをクリックするとわかると思うのだが、TOP画面でもう怖い。

よく見てみると何か見てはいけないものが映っているのではないか、という雰囲気でやられてしまう。メニューと任天堂ロゴが見えなければすぐにブラウザを閉じて、これ以上目に入らないようにしたいくらいの怖さだ。

僕はこの「零」シリーズの、プレステでリリースされた初期3作が特に好きなのだ。Wii「零」の方も絶妙な怖さとホラーならではの色っぽさが好きなのだが、やはりプレステ「零」に強い愛着がある。

今日はそのプレステ「零」の好きなところを中心に、「零」について書きたいと思う。

カメラ一人称視点のシステムが怖すぎる

知らない人もいると思うので簡単に説明すると、「零」は、特殊なカメラを使って、襲ってくる怨霊を撮影し、撃退するゲームである。

主人公たちは何らかのかたちで強烈にヤバい霊的な場所に立ち寄り、そこで偶然にも「射影機」という霊的な存在を撃退できるカメラを拾う。そして、迫りくる怨霊を撃退しながら、人探しをしたり、自分が閉じ込められたヤバい場所から脱出する手がかりを探したりする。

このシステムの何が怖いかというと、カメラを構えるときは一人称視点(FPS状態)になるのである。

霊的なものをテレビ画面越しに一人称視点で見なければゲームが進められないのだ。さっと振り返ったところに霊の顔がバァ!とかざらにあるので、僕は最初にこのゲームをやった直後、一人暮らしの家の中でリアルな視点変更をするのがめちゃくちゃ怖くなってしまった。急激な視点変更のあと、すぐ後ろにいる霊と目が合うんじゃないかと思ってしまって怖かった。

場面切り替えが怖すぎる

僕があえてプレステの「零」を推す理由が「場面切り替え」の怖さにある。

Wiiの「零」では、我々プレイヤーの視点は、ほとんど主人公の後ろを追いかけていくようなかたちになる。

こんなふうに。

もちろん突然ムービーが始まったり、演出で急に視点が切り替わったりするので、これでも死ぬほど怖い。

しかしプレステの「零」は、この通常状態の画面と切り替わりが、初見だと次の場面にキャラクターを進めたくないくらいめちゃくちゃに怖いのだ。

以下はシリーズ3作目の「零 ~刺青の聲~」の通常画面。

ちょうど廊下の上の方からの視点だ。

こちらは部屋の壁あたりからの視点だろうか。

このように、プレステの「零」では、監視カメラによって主人公の動きが追跡されているような状態になる。これは、聞いた話だと「その場にいる霊がずっとそこで見ている視点」なのだという。怖すぎる。

この監視カメラ視点はかなりの数あり、初見だと次の場面でどんな視点から主人公の姿を見なければならないかわからないようになっている。この視点の揺さぶりがたまらなく怖いのである。

この視点の置き方がまた絶妙で、「そこの隙間から何か出て来るんじゃないか?」と思わせるような「間」があるものが多い。

じわじわとこちらの生活空間さえ侵食してくるような、嫌な怖さが魅力的だ。任天堂の「零」でもぜひ採用してもらいたい。

人物設定が魅力的

「零」といえば、なんといっても主人公の女の子がかわいいのが良い。

1作目の「零」では兄を探す妹が、2作目の「零~紅い蝶~」では双子の姉妹が、3作目の「零~刺青の聲~」では事故で恋人を亡くした女性がそれぞれ主人公だ。彼女達は霊的な事件に巻き込まれながらも、巻き込まれる原因となった自らの出自や境遇、人生と向き合っていく。

ホラーゲームとはいってもただ怖がらせるだけでなく、人物設定を練っているところがとても素敵だ。

これは主人公に限った話ではなく、主人公たちが巻き込まれた怪異の元凶となった人々やラスボスにも言える。ゲームが進み、怪異の真相が明らかになっていくにつれて、生前の彼らの境遇にグッと感情移入していくことになる。

感動できるホラー、というところが、人気シリーズたる理由の一つだ。後味が悪い系のストーリーではない、というくらいのネタバレは、していてもいいだろう。

主題歌が良い

歴代の主題歌は、天野月(旧名 天野月子)が歌っている。

妖しく不穏で力強い歌詞と歌声で、エンディングまでプレイしてきたプレイヤーを魅了してくれる。「零」の世界観をもとにものすごく作り込まれているのが良い。特に僕は「聲」という曲がお気に入りだ。

僕は「零」シリーズで天野月さんを知ってアルバムも買ったのだが、シリーズ主題歌をはじめ他にも素敵な曲がたくさんある。ぜひ聴いてみてほしい。

おふざけもできる

なんとこのゲームはキャラクターをコスプレさせることができる。

制服や水着、和服や猫耳など、かなり何でもござれである。Wiiになって任天堂とつながってからはジャンプが得意な配管工のコスプレもさせられるようになった。

遊び心がある分、ホラーが苦手な人でも安心(?)してプレーできるかもしれない。

最後に

最新作の「濡鴉ノ巫女」が出てから数年が経った。

次の新作はまだか。もうそろそろだという情報もちらほらとあるが、出るとしたらSwitchだろうか。出たら久しぶりにゲームハードを買ってしまうかもしれない。

拙い記事ではあったけれど、もし興味を持った人がいたら、ぜひプレイしてみてほしい。手に入らないとか、怖くて自分ではプレイできそうにないという人は、実況プレイ動画もたくさんある。

ホラーが苦手な僕がハマるくらい面白いホラーゲームだ。きっとあなたもハマってくれるはず!

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