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【釈正輪メルマガ4月2日号】日々是好日

【灌仏会】
若葉が萌え、花が咲き、鳥が歌い舞う、すべてのものが清らかで生き生きする、生命が輝く季節「晴明」の到来です。新元号『令和(わせしむ)』は天地万物が清らかに、日本國の安泰と日本人の安寧に相応しい元号だと思います。

合掌

「于時、初春令月、氣淑風和」

時に、初春(しよしゆん)の令月(れいげつ)にして氣淑(よ)く風和(やわら)ぐ。梅は鏡前(きやうぜん)の粉(ふん)を披(ひら)き、蘭(らん)は珮後(はいご)の香(かう)を薫(かを)らす。

万葉集「梅の花」を詠んだ三十二首の序文

天皇(すめろき)の 御代(みよ)栄えむと
東(あずま)なる
陸奥山(みちのくやま)に 金(くがね)花咲く

万葉集巻・18-4097 大伴家持

(天皇の御代が栄えるしるしと、東の国の陸奥山に黄金の花が咲きました)

四月八日はお釈迦さまが生まれた日です。通称「お花まつり」仏教界では「灌仏会(かんぶつえ)」と申します。花が咲き誇りにぎわう季節なので、誕生を祝う降誕会がお花祭りになりました。

お釈迦さまが生まれたとき、空から甘露の雨が降ったという言い伝えがあることから、さまざまな草花で花御堂を作り、浴仏盆に「右手の人差し指を天に、左手の人差し指を地にかざし、「天上天下唯我独尊」と唱えた、生まれたばかりのお釈迦さま誕生仏を置いて、その上へ甘茶を注いで御祝いをします。あまり聞きなれませんが、この甘茶で墨をすり、「千早振る卯月八日は吉日よ神さけ虫を成敗ぞする」と書いて、戸口に逆さに貼ると虫封じになるという風習です。

さて灌仏会、仏生会ともいわれるこの行事の歴史は古く、『日本書紀』にその記述があらわれ、『源氏物語』「藤裏葉」巻では、光源氏が六条院で盛大な灌仏会を執り行っています。

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